津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

信長の天下所司代

2009-11-28 22:37:28 | 書籍・読書

信長の天下所司代 - 筆頭吏僚村井貞勝 (中公新書)

谷口克広/著
中央公論社(中公新書)
価格:798円(税込)

村井貞勝の子孫が細川家家臣に在る。これは読まねばならないだろう。
実はPさんのブログでつい最近発売されたことを知った。明日は本屋へ走らなければならない。


  【本の内容】
元亀四年に足利義昭を追放した後、信長は「天下所司代」を置き、京都支配を行った。本能寺の変までの九年間、一貫してその任にあったのは村井貞勝である。彼は信長の絶大な信頼を得て、市政から朝廷・公家との折衝までを一手に担い、ルイス=フロイスからは「尊敬すべき異教徒」と呼ばれた。武功とは無縁の吏僚でありながら有能を認められて「天下」=京都を仕切り、織田政権の要となった村井貞勝の活躍に光を当てる。

 【目次】
第1部 「天下所司代」まで
      (信長の成長の蔭で京都での活躍)
第2部 「天下所司代」村井貞勝の日次記
      (天正元年(1573)・天正二年(1574)・天正三年(1575) ほか)
第3部 「天下所司代」村井貞勝の役割
      (「天下所司代」の仕事について「天下所司代」村井貞勝の評価)
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年賀状と「寅」

2009-11-28 21:22:24 | 徒然
                      朝日コムのサイトから南禅寺・群虎図                     
 毎年この時期になると、年賀状はどうしようかと頭が痛い。
郵便局の関係者は、年賀状を売るのにノルマがあるらしい。妻の友達が電話をしてきて、買ってほしいといってきた。息子さんの仕事の関係らしい。絵柄はどうしますかとのことだったが、30枚ほどだけ虎の絵にした。届いたのでよくよく見てみると、南禅寺の障壁画の「群虎図」の一部が採用されていた。上の図の右から二番目である。

 年賀状の虎の絵はいろいろ思い出があるが、随分以前本妙寺(加藤清正公菩提寺)の張子の虎を、版画にしようとがんばってみた事がある。加藤清正公の虎退治にあやかって、本妙寺では笹に首ふり張子を結んだものを売っていた。(今の時期はどうだか知らないが、頓写会のお祭りには売っているようだ)ところが年内に完了せず未完に終わった。私の年賀状つくりはいつもこんな調子で、投函するのは年が明けることがしょっちゅうだった。さて今年はどうしたものか・・・気分が乗らないとやらない性質だから・・・

 本妙寺には年内には一度訪ねなければならない用事が在る。あの張子の虎は今の時期売ってあるのか・・確認せねば成らぬ。
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到津(イトウヅ)氏

2009-11-28 19:34:44 | 歴史
 細川家家臣に到津氏が在る。これを「いとうづ氏」と読むことを知ったのは最近の事である。豊前で召し出されたと思われる家々を調べている内に、偶然判ったことだ。宇佐神宮の社家の一族だろう。大友家の家臣であった到津氏があるから、こちらの一族と考えるのが正解かもしれない。到津氏は出雲の千家、阿蘇の阿蘇家に並ぶ古い経歴が、はっきり判る氏だそうだが・・・まったく知らなかった。(ウイキペディアでもまだ取り上げられていない)
     www1.bbiq.jp/iwamiya/yu4/kemuri4_005.htm
     www.kmnh.jp/meishyo/top-01/040-itouzusya.htm
     www.e-obs.com/rekisi/kodai/komonjo/itozu.htm

何らかの情報をお持ちの方は、ご示教いただければ幸いである。
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細川齊護公「道の記」 -- 2

2009-11-28 10:48:16 | 歴史
 五日
 卯すぐるころ、三島のとまり立出しに、雨すこしふりて、明行く空も
 ほのぐらくなりぬ、巳の刻ともおぼしきころ、空はる、けふは名にお
 ふふじをながめばやと、たのしみしに、原のむまや行過るまでも、雲
 かゝりて見えざりしかば、いとくちおしかりしに、よしはらのむま
 や近くなりて、雲やゝはれ、ふじのみえければ、うれしさの餘りに、

  きてみればいよ/\高きふじのねや雲より上にふれる白ゆき

 浮しまが原をみて、

  ふじのねやすそのをかけて見渡せば心も空に浮きしまがはら

 午満るころに、ふじ川にきたりぬ、流れもいと清く、うち渡りて、

  乗りて行く駒にやかはん淵も瀬もきよき流れのふじ川の水

 このあたり、吹上のはまといひけるよし、聞えければ、

  ときならぬ雲かとばかりうら風の吹上のはまにたてる志ら波

 暮がたに、蒲原のむまやにつきぬ、このところは、荒磯ちかくて、よす
 がら、なみのおとの聞えければ、

  あら磯によせくる波のおと高久かたしくそでの夢ぞくだくる

 六日
 蒲原を立出て行く、けふもきのふにおなじく、きり立こめしが、ほど
 なく晴れて、日のひかりもいでぬ、由井もすぎて、薩埵山にかゝりぬ
 このあたりを、田子のうらとて、眺望もすぐれて、海道第一のおもし
 ろき所なれど、けふは曇りて、ふじも見えざれば、くちおしくて、

  名にいおふふじの高ねはうづもれて雲にぞつゞく田子の浦波
  たごの浦やふじのたかねは雲かけて雪にぞまがふ沖つ白なみ

 興津をすぎて、そら晴れぬ、このあたり、そで師がうらといふをきゝ
 て、

  故郷を志のぶなみだに浪ならで袖師がうらにほすひまぞなき

 すこし行きて、清見寺といふ所あり、この處は、向ふに三保の松原み
 えて、風景いはんかたなし、

  よせかへる志ら波とほく見渡せばみどりぞうかぶ三保の松原

 ほどなく、府中のむまやすぎて、丸子のやどりにつきぬ。

 七日
 丸子をたちいづ、けふもきのふにおなじく、そら曇りて、ほどなく、う
 つの山にかゝりければ、葛の細道のふるき跡をたづねて

  うつの山うつゝにわくるあさぎりや夢路をたどる葛のほそ道

 ほどなく、岡部のむまやもすぎて、藤枝の志ばしやすらひ、午満るこ
 ろ、島田をすぎて、大井川をわたる。

  こゝもまた名にながれたる大井川みやこ戀ひつゝ人や渡らん


 金谷のむまやもすぎて、さよの中山にかゝりぬ

  ちぎるぞよまた来む春も道ひろくかはらず越えんさよの中山

 日坂のむまやちかくなりぬれば、日も入りぬ、このごろは、そら曇り
 て月も見えず、今宵めづらしく月をながめて、

  旅衣きのふのそらにひきかえてうらめづらしくすめる月かげ
  こひしたふ心にふかくながむれば月にも君がおもかげにたつ

 ほどなく、掛川のやどりにつきぬ、このところよりは、あづまのほうに
 便あれば、

  みせばやと思ふ心をおしこめてみじかき筆にかきぞのこせし

 八日
 掛川のむまや立ちいでしに、夜べの空猶晴れて、けふはよき日和と
 はなりぬ、一里ばかりもゆきて、原川てふところは、川の流も清けれ
 ば、志ばし、このところにやすらひて、

  すむ人之こゝろもさぞとくみて知る清きながれのはら川の水

 袋井見附のむまやもうちすぎて、天龍川といふをわたりて、猶行く
 に、濱松のむまやちかくになりぬ、とおもふところに、馬籠橋てふあり、
 こゝは江戸と東との中なるよし、人びとのいひけるを聞きて

  東路のなかばと聞けばこしかたも都のそらもほどぞはるけき

 濱松のむまやに、日のかたぶくころつきぬ。

 九日
 濱松を立いでしに、明方雨ふりぬれど、志ばしにてやみぬ、二里ばか
 りもゆきて、舞阪のむまやより、いまぎれの船に乗りぬ、ふねのうち
 にて、そらよくはれて、丑寅の方に、ふじのみえければ、

  空晴れてけふこぐふねに思ひきやふじの高根の雪をみむとは

 けふは波風おだやかにて、あら井につきぬ、ふねよりあがりて、関を
 も通りすぎ、このむまやにやすらひけるうちに関守の何がしも訪
 ひきたりぬ、濱名の橋はいづこにかありけん、こゝなむ橋本とて、あ
 らはなる志づの家ゐのみありける。

  むかしべをとへども今はあとかたもなくただ橋本の名のみ残れり

 志ほみ坂をこえて、志らすがのむまやに、志ばしやすらひて、二川吉
 田御油のむまや/\もうちすぎて、暮過るころ、赤坂のやとりにつ
 きぬ。

 十日
 夜明方に、赤坂のとまり立出しに、そらくもりぬ、富士川のむまやをす
 ぎて、岡ざきのむまやにきたり、矢矧の橋本に、志ばしやすらひぬ、こ
 のはしは海道第一の橋なり

  武士の矢矧のはしの名にめでゝをさまる御代にわたるたび人

 二里ばかりゆきしに、雨ふり出ぬ、池鯉鮒のむまやにやすらひ、鳴海
 のむまやにて、思ひつゞけける。

  東路のひことも遠くなるみがたなほ志たはるゝ君がことのは

 雨もいよ/\ふるて、申すぐるころに、熱田のやどりにつきぬ。

 十一日
 けふもまた、きのふにおなじく雨ふりて、風もおだやかならざれば、
 桑名のわたりのふねはいでざれば、さやへ廻るべしとて、夜あけて、
 あつたのやどり立出ぬ、こゝの御社に詣でんこゝろざしはありな
 がら、何くれと、こゝろまかせねば、よそながらふしおがみて

  あつたなる神のめぐみを仰ぎつゝ心のうちにいのりてぞ行く

 夜べよりの雨にて、道もあしければ、からうじて、岩塚といふところ
 にきたりしに、風つよく吹き、雨も志きりにふりて、いとさむきおぼ
 えぬ、志ばし、この所にやすらひて、

  春過ぎて日かづへぬれど風さえて夏ともたれかいは塚のさと

 神守のむまやにきたりければ、雨もやみ風もなぎて、そら晴れぬ、さ
 やより川ふねに乗りて、申のはじめごろ、桑名のやどりにつきぬ、よ
 ひは空はれて、月隈なかりければ、

  このごろの旅の衣のものうさもわすれてめづる月のさやけき

 志ばしながめてふしぬ、猶夜半に目覺せしに、をりふし、千鳥のなき
 ければ、

  草枕さびしきとこに夢さめてなほあはれそふ千とり鳴くこゑ
 
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