一枚の葉

私の好きな画伯・小倉遊亀さんの言葉です。

「一枚の葉が手に入れば宇宙全体が手に入る」

長江哀歌(エレジー)

2013-10-15 17:23:26 | 芸術


     亡くなった山崎豊子さんの骨太い小説のこと
     を考えていたら、いつかみた中国の「長江
     哀歌」という映画を思い出した。

     2006年ベネチア国際映画祭でグランプリ
     を獲った作品。
     ダム建設により水没する古都の人々を描いた
     人間ドラマだ。

     長江・三峡。
     炭鉱夫の男は16年ぶりに故郷に帰ってきた。
     だが街は三峡ダムの水底に沈み、知った人は
     誰もいない。
     男は古い建物の解体作業をしながら、妻子を
     探しはじめる。

     一方、三峡を悲しみの目で眺める女性がいた。
     その名はシェン・ホン。彼女は三峡の工場に
     働きに出て2年間音信普通の夫を探しに山西省
     からやってきたのだ。

     いつくかのつてを頼りに探し訪ねると、夫は
     ある女性と親しくなっていた。
     シェン・ホンは好きな人ができたから離婚して
     欲しいと嘘をついて一人で帰る。

     さて、炭鉱夫の男は妻と再会できたが、妻は
     兄の借金3万元をかたに取られ、逃げように
     も逃げられないでいた。
     
     炭鉱夫はそのお金をつくるために炭鉱にもど
     ることを決意して港に向かう。
     そのシーンで映画は終わる。

     どこにでもあるようなドラマだが、長江とい
     う背景が壮大で、三峡で働く労働者は荒っぽ
     い反面、非常に情にもろく、人間的で面白い。

     このドラマティックでスケールの大きさは、
     山崎豊子さんの描く小説につながるとも
     思った。

     

     

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