一枚の葉

私の好きな画伯・小倉遊亀さんの言葉です。

「一枚の葉が手に入れば宇宙全体が手に入る」

球体関節人形

2014-06-21 18:37:13 | 芸術



       横浜そごう美術館で、かねがね気に
       なっていた四谷シモンの人形展を
       観てきた。

       四谷シモンは1944年生まれだか
       ら、ほとんど同世代である。
       この年代の人(男性)が人形に興味
       をもったのはなぜなのか、
       そのあたりを探りたかったこともあ
       るが、
       目下、私のテーマである渋谷龍彦が
       シモンの人形をこよなく愛していた
       からだ。

       資料によれば、
       シモンはタンゴの楽師である父と、
       ダンサーである母のもとに生まれ、
       仕事で留守がちな両親が寂しくない
       ように人形を与えたのが最初だと
       いう。

       一時、役者などもやったが、人形は
       12歳のときにすでに作っていたら  
       しい。
       その後、試行錯誤して球体関節人形
       にたどり着いた。

       球体関節人形とは、
       関節に球体を用いることによって、
       手足などを自由に動かせる人形。
       日本ではドイツの人形作家ハンス・
       ベルメールなどによって紹介され、
       四谷シモンらによって広められた。

       とはいっても、女の子が人形遊びを
       するような可愛らしいものではなく、
       どちらかというと、大人が愛玩する
       ような人形がほとんどだ。
       (写真のは最も愛らしい人形)

       しかし、渋澤龍彦だけでなく、
       演劇の唐十郎、画家の金子国義、
       写真家の篠山紀信らのファンが多く、
       何か惹きつけるものがあるのだろう。

       中には機械が(わざと)丸見えの
       グロテスクな人形がいくつかあって、
       私はいまいち、分からないのだが、
       下記のことばをみたとき、
       ふっとシモンという人形作家を少し
       理解できた感じがした。

    
       「もし僕に哲学的、宗教的なものが
       あるとしたら、人形を作ることでしか
       あらわせない」

       シモンにとって人形を作ることは
       生きることなのだ。
       
     

       
       

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