いま渋谷で「ボッティチェリ展」をやって
いる。
とても時間をとって観る余裕はないのだ
が、先日出かけた折に渋谷を通ったの
で、 あえて途中下車して寄ってみた。
15世紀、花の都フィレンツェでは銀行
家であったメディチ家の支援をうけ、
芸術家たちが数々の名作を生み出した。
ルネサンス期の芸術の誕生には、地中海
貿易と金融業によって財をなしたフィレ
ンツェおよび、メディチ家の資金力が不
可欠だったのである。
メディチ家の寵愛をうけたボッテチェリ
(1445-1510)
に代表されるフィレンツェ・ルネサンス
はフィレンツェ金融業の繁栄が生み出し
た代表的な文化遺産といえよう。
解説を読みながら名画をみて、思った。
巨大な財閥がスポンサーとなって芸術の
ルネサンス期をつくったのだとしたら、
現代のような時代は、後世に残る芸術
など生み出すことはないのだろうか。
ちなみにボッティチェリとは「小さな
樽(たる)」を意味するのだそうだ。
お兄さんが太っていたため、弟につい
たあだ名だったとか。
※ 写真は「聖母子と二人の天使」
「ボッティチェリとルネサンス展」は
渋谷Bunkamuraザ・ミュージ
アムにて6月28日まで