
「のぼたん」はもうすぐ2歳
一月23日から、台湾の自然農法農家を訪問した。秀明自然農法の農家である。淡水の幸福農荘のレイさんと陳さん。それと南澳の黄世聡氏 - 南澳阿聰自然田 「アコン自然フィールド 」である。長い間どうすれば、台湾の農家を訪ねる事ができるか、調べていた。どうやって可能になったかをまとめておきたい。
石垣島で農業を始めて見て、石垣島の農業が、日本の農政から見放されていることが分かった。亜熱帯の石垣島に適合する、作物の作出がまったく行われて居ないのだ。奨励品種という意味では、お米は東北系のものであるし、大豆も、小麦も、適合する品種はない。
地方創生、自給率の向上と言いながら、完全に石垣島はこぼれ落ちている。稲も、大豆も、小麦も、十分には出来ない。どうすれば良いのだろうと考えているうちに、台湾の農業をみたいと思うようになった。ほぼ同じな気候環境なのだから、品種はどのように選ばれているのかと考えるように成った。
台湾は石垣島から見れば、沖縄本島よりも近い場所にある。以前直行便があった頃は、飛び立った途端に30分で着くと言われた。美しい西表島の上空を低く飛んで行くのが、実に見応えがあった。乗客の大半が台湾の方だった。早く再開して貰いたいものだ。
話は離れてしまうが、何故再開できないかと言えば、石垣島での受け入れの空港業務の人員が足りないのだそうだ。本来であれば、今年の三月から再開の予定だったのだ。それが石垣島の人手不足で運行できないという。これは観光が主たる産業の石垣島として、どういう手抜かりなことだろう。
まず、台湾の農家を教えて貰うために、最初は新橋にある、台湾観光局に行ってみた。台湾のグリンツーリズムのパンフレットの案内があったので、貰ってきて、メールで出ている農家に連絡をしてみた。全く返信が無い。どういうことかと思い、また台湾観光局に行ってきいてみた。
何故行きたいのかと聞かれたので、台湾の農業を勉強したいこと、石垣島でやっていることを説明した。するとそれは、グリーンツーリズムとは違う。観光局では案内が出来ないと言う事になった。ではどこで聞けば良いのかと言えば、台湾の大使館だという。つまり通商局と言うことらしい。
それでそちらに回って聞いてみると。ここは商売上の話以外は分からないと言われてしまった。何か農産物を輸入したいというのであれば、農協を紹介できるが、台湾の農業を勉強したいというのでは、ここでは案内が出来ないと言う事だった。けんもほろろとはこのことだ。
これで行き詰まってしまった。そこで石垣島で台湾と貿易をしている会社が石垣島にあるので訪ねてみた。そこで台北の王さんという方を紹介して貰えた。早速王さんを台北に訪ねて、農家の方を紹介して貰えないかと聞いたのだが、これは無理だった。それでも王さんは台北の種苗店を案内してくれて、とても親切にしてくれたのだが、農家のことは分からなかった。
そこで、石垣島でどうしたら良いかと作戦会議をすると、石垣島にワーキングホリデーで外国人が来ている農場がある。台湾にもあるかも知れない。と言うことで調べて見た。石垣島で受け入れている方に聞いてみると、それはWOOFとい組織と言うことが分かった。
ネットで調べると確かにWOOF TAIWAN と言う組織があった。とも悪そこに入会しなければならない。年会費が4000円くらいだった。これを払うことが国際送金をしなければならない、と言うこともあり、結構ハードルは高かったのだが、何とか出来た。
すると50件くらいの台湾の加盟の有機農家のリストが送られてきた。いよいよ、農家の住所や作目などが分かったのだ。意気揚々と、稲作で見ていくと10軒ぐらいはある。しかも日本語を話せる方も居る。メールを送ってみた。所がまた返事がない。翻訳ツールで中国語で送っているのだが、返事がない。
そこで、WOOFの事務局の方に、返事がないのだがと相談のメールを入れてみた。するとメールはやられない農家が多いので、電話をしろと言うのだ。中国語は分からないのだから、電話は出来ない。ここでまた行き詰まる。何とか事務局で確認して貰えないかと泣きついた。事務局のかたが親切に、希望農家の方に電話を入れてくれた。
すると、南澳の黄さんという方が受け入れてくれると言うことが分かった。それから南澳の黄さんを調べると、フェースブックのページがあり、民宿をやられていることが分かった。早速民宿の宿泊を申し込んだ。所がこれにも返事がない。
また、事務局に農作業を手伝うのではなく、話を聞きに行くのが目的なので、もちろん農作業をさせて貰うのは良いのだが、話を聞く事はできるか、民宿は泊まれるかを確認していただいた。すると、大丈夫だと言うことが分かり、そして黄さんからラインが送られてきた。
そこで、こちらの希望などを詳しく伝えると、淡水の幸福農荘に行くと良い。そちらの方は日本語が堪能だと言う紹介があった。それで、そのラインに幸福農荘の陳さんに加わっていただき、こちらの状況と、希望をお伝えした。
すると親切に幸福農荘で受け入れてくれると言うことになった。日本語を自由に話される方だったのだ。是非お願いしたいと言うことで、出来ればお米を試食させて貰えないかとも、無理にお願いした。そして食べさせていただいたお米はそれはそれは美味しいものだった。
台湾の銘柄が分かるお米を食べると言うことが実は難しかったのだ。幸福農荘訪問に期待が高まった。出来れば、南澳の阿聰自然田も見せて貰いたいのでお願いすると、黄さんから来て貰って良いと言うことになった。この時点で、実は黄さんのことは台湾の大愛テレビの番組のユーチューブで見て分かっていた。
台湾で一番大きな有機農業農家と言うことで、とても興味が湧いていたのだ。ビデオでは黄さんはまだ研修生で、その先生のビデオだったのだ。この時点では黄さんの農場とこの先生の農場とを混同していたのだ。どういう関係かは分からないまま訪ねることになった。
台湾で素晴らしい出会いがあった。生涯の農業の友達が出来たのだ。黄さんも、陳さんも、玲さんも素晴らしい方であった。のぼたん農園が見て頂いて、恥ずかしくないものにしなくてはならないと改めて思うところだった。