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久留米旅行の楽しみ

2023-12-02 04:09:21 | 日帰り温泉


 石垣島にいるときにはサウナに入る事ができない。石垣島には安いサウナが無いからである。小田原の家にはサウナがあるのに、残念ながら、石垣の家にはサウナが無い。何故石垣島の家にはサウナを作らなかったかと言えば、家サウナでは十分ではなかったからだ。

 やはりサウナは大きな空間が必要である。大きいほど良い。狭いサウナでは入った気がしない。それで小田原の家のサウナも使わなくなってしまった。実にもったいないことをした。石垣島の旧グランビューホテルにはサウナがあり、宿泊者以外も利用できたのだが、今は無くなった。

 石垣島では比較的安くて、宿泊者で無くても入れるのが、アートホテルの大浴場が2000円である。他にもあるが、5000円とか、2万円とか言われても入ることが出来ない。こんな値段では気軽にサウナに入る満足感が損なわれてしまう。サウナはせいぜい千円までである。アートホテルも値上がりしたので行かない。

 つまり、石垣島には私が入れるようなサウナは無くなったのである。しかし、不思議なことに石垣島にいるときにサウナに入りたいと思うことすら無いのだ。12月になったが、タオルケット一枚で寝ていて、汗をかいている。夜の気温がなかなか20度より下がらないからだ。今朝今年最低温度の18.5度。

 汗ばかりかいているせいか、サウナに入りたいと思わないから不思議だ。サウナは北欧フィンランド発祥のものだ。寒い場所で入るところが良いのだと思う。小田原に行った時には、必ずサウナに行く。小田原で無くともどこに行くときでもサウナだけは探しておく。

 出来ればサウナで泊まれるところが一番である。松任でも、奈良でも、山梨でも、日帰り温泉で泊まれる場所を探してとまる。今度、久留米に行くのだが、久留米の日帰り温泉サウナも確認してある。そのそばに泊まるのだ。日帰り温泉は満室だった。

 サウナに泊まれば良かった。目的の石橋文化館のすぐそばに、久留米湯ノ坂温泉という宿泊出来る日帰り温泉がある。ところが、2ヶ月前にもう予約できなかったのだ。仕方がなく他に泊まって時間を見て行く計画である。全国のサウナに入れてもらうのが、楽しみなのだ。大きなサウナがあれば良いのだが。

 石垣島にいるときにサウナに入りたく成らないのは、まったくストレスが無いと言うこともあるのだろう。身体が満足しきっている時にサウナに入りたいとあまり思わない。家の風呂に入るぐらいで十分なのだ。ストレスが溜まった時。疲れが溜まったとき。絵が描けないとき。サウナには行ってすっきりしたいと言う気持ちになる。

 久留米には一度行きたかったのだ。青木繁や坂本繁二郎や古賀春江を生んだ地だ。坂本繁二郎の文章に、子供の頃の久留米の武士の家では、2軒に1軒は精神を病んだ人がいたと書かれていた。明治政府からにらまれた久留米のまちから、芸術家が現われたことに興味があった。

 生前はまったく知られることが無かった髙島野十郎 と言う変った画家も久留米の人だ。高島野十郎。東京大学農学部水産学科を首席で卒業するも、恩賜の時計を辞退し、絵画の道に没頭する生き方を選ぶ。終生世間から評価されること無く、ひたすらに創作活動を続けた。その堅牢な油彩画の技法は確かに卓越している。謎の久留米の画家。 この人の絵があると良いのだが。

 幕末の久留米藩は複雑な経過を経る。幕府軍に従って戊辰戦争に参加するが、その後明治政府への反乱事件を起す。久留米は画家を生む不思議な街。人を狂気に駆り立てる街だったのかも知れない。狂気が向かう先が芸術というところが何か思わせるところがある。

 その芸術の街から、精神を病むことと藝術を生み出すことには微妙な関係がありそうだ。石橋美術館が出来る。ブリジストンの創設者石橋正二郎は久留米の出身である。芸術に向かう精神の世界を残そうと考えて、美術館を作ったのでは無いだろうか。

 久留米出身の画家の絵は、沈潜した気分がある。坂本繁二郎の絵を最初に評価したのは夏目漱石である。牛の絵を見て、この牛は哲学をしていると新聞で画評を書いた。何とも文化のある時代では無いか。今の新聞には美術評など全くない。思い出すと、最初に好きになった日本の絵描きは坂本繁二郎だったのだ。

 明治期の天才画家青木繁も、若い時代に天才的な絵を描いた。あの「わだつみのいろこの宮 」「海の幸」は忘れられない絵だと思う。何故あのような絵を描くことが出来たのかが不思議だ。神話の世界観を絵画に表すという発想がそもそも不思議だ。しかし、数年後には急激に衰えて死んでしまう。

 海の幸を描いたときに、画材を提供して、裸になってモデルになったというのが坂本繁二郎である。親友だったのだ。激しく燃え尽きたように死んだ天才の友人。そして長生きして、日本人らしい深い精神の絵画を残した坂本繁二郎。

 不思議な世界を生み出す街である、久留米を一度は歩いてみたいと思っていた。サウナの話がそれてしまった。それたついでにもう一つある。久留米に行ったならば「ダルム」を食べてみたいと考えている。久留米では鶏だけではなく、豚や牛、馬など幅広い食材を串焼きで提供している店があるそうだ。

 ダルムと呼ばれる豚・牛・馬の白モツの人気が高く、ダルムを自慢にする店舗も多数あり、久留米焼きとりには欠かせない存在。ちなみに串の名称にはドイツ語が使われており、ダルムは腸のことで白モツ、ヘルツはハツのことで心臓を指す。 

 石垣島で残念なことの一つは、白モツの焼き鳥が無いことだ。お店の人に田津寝てみたのだが、焼き鳥なのだから、鶏で良いだろうと言われた。しかし、豚・牛・馬白モツは是非食べてみたい。昔から本場で一度は食べてみたいものだと考えていた。白モツはB級グルメの王道である。

 A級嫌いとしては、一度は本場でと考えていた。自分で高級レストランとか、料亭とか言うところは入りたいとも思わない。自分に合わないので落ち着いて食べる気がしない。もちろんケチと言うこともあるのだろう。食べ物で1万円超えなど考えたくも無い。

 サウナに入り、ダルムを食べる。これは間違いなく天国気分だろう。この天国旅行はピーチの格安航空券の御陰なのだ。今度の小田原行きは石垣島から福岡に行き西鉄で久留米に行く。そして福岡から成田に行き、成田から石垣に戻る。この航空運賃が何と2万6千円だから驚いてしまう。月に一回の楽しみである。

 街歩きが楽しみである。坂本繁二郎生家。青木繁生家。石橋文化センター。寺町界隈。筑後川と久留米城趾。精神の藝術を生んだ街久留米を歩いてみたい。考えてみれば、良く九州に絵を描きに行ったのに、何故行かなかったのかと思う街である。こうして調べているとますます興味が湧いてきた。

 筑後川を絵が描けたら描いてみたい。久留米城趾からの筑後川は頭の中では絵になりそうなのだが、そんな場所では無いのかも知れない。今回小田原には不足した絵の具を運ぶので、材料はあるので、丁度良いかも知れない。水彩はこうしたときにも便利だ。


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