中野さなえ活動日誌

花には太陽を こどもらには平和を

京都の研究会で印象深かったことを、少し・・

2006年03月27日 22時07分06秒 | 活動日誌
 (スプーンたて 漆器で、転ばぬように底が重くなっています。)


 25,26日の二日間、京都で開かれたの発達保障研究会(全障研)に参加してきました。
 「児童福祉法における子どもの権利」のテーマで、龍谷大学法科大学院の田村和之先生の講義、発達心理学で長野でもおなじみの白石先生、「アメリカにおける自閉症研究」では立命館大学の荒木穂積先生の講義で、頭は重く一杯になりました。 全国各地での、特別支援教育、障害者自立支援法の実施情況と実践の到達点などの交流もしてきました。

 特別支援教育で配置されたコーディネーターでは、どんな仕事をするのか、どこでも試行錯誤の状態、大変な労働強化の実態も明らかにされました。
 配置自体はわたしたちの望むところでありますが、人員を増やさないことは大問題。現場では大変です。

 学校だけでなく、病院、福祉関係、心理関係、地域、幼保、などと連携して子どもをつかんでゆこうとの仕事ですが、始まったら、親からの相談が山と増えて、従来の学級の子どもとの仕事は何も減っていない・・・と学級をもってコーディネーターになった先生の悲鳴がありました。

 長野県でも、県の話では各学校に配置はしたが、校長であったり、教頭であったり、また、障害児学級の先生であったりで、それ以上は具体的に進んでない様子でした。現場の声を聞かなくてはと思っています。

 講義で印象深かったことをひとつだけ報告します。

 立命館大学の荒木先生の「自閉症」の講義は、一日目の夜、自由参加の研究会でした。前半に続いて、夕食抜きで6時半からでしたから、お腹は「ぐうう・・」。でも、ぜひ聞きたかったので参加しました。
 
 アメリカのYale大学に半年留学された時の報告でした。Yale大学は、心理学者で有名なゲゼルが研究所を開いたところ。ブッシュ大統領、前のクリントン大統領夫妻もここを卒業しています。
 大学のある町ニューへブンは、人口10万、アメリカでもっとも障害児教育が進んでいるところなのだそうです。

 古い大学には何処にも、「チャイルド スタデイ センター」があって、それが、医学部に所属しているというから面白い。全国から研究者、院生、医者などが来るそうです。

 
 Yale大学の研究室では、1才半で自閉症(アスペルガーも)を診断できるとしています。日本では、そんなに早く診断する方法を持っていないと思います。すごいことだと思います。それが療育に生かされてゆけば、発達をどんなに促すことができることでしょう。
 この研究グループでは、1歳半まえの診断が課題とのこと。

 フォローして5歳で再検査で、90数パーセントがやはり自閉(アスペ)と診断されるといいます。
 10人ほどのティームを組んで、発達診断には丸二日かけるそうです。認知レベルではなく、知覚レベルでの検査がやられているそうです。
 
 発達検査料金は、なんと30万円。州によって扱いが違うので補助金を出してくれるところもあるようですが、自己負担の人もいるそうです。
 荒木先生がいる半年の間に、貧困層に追いやられがちになっている人種の人は全く来なかったとのこと。

 今、一番お金がつく研究は「発達障害と非行」のテーマだそうで、アメリカの実態を反映していると思いました。
 検査に使うおもちゃはトイザラス、使うだけでトイザラスから多くの研究費がくると言っていました。

 さて、京都はいま府知事選が行われていますが、街は静かでした。でも、「きぬがさようこをお願いしまーす!」と声をあげて歩いている青年たちに出会いました。
 
 京都の擁護学校の先生の報告では、京都では特別支援教育を一生懸命やる先生を評価して、頑張った学校には特別予算を付けるなんてひどいことをやっているようです。
文科省の考えている特別支援教育は障害児学校のリストラなんですよ。

 きぬがささんには、勝ってもらいたい。蜷川府政だったころの政治に戻したいですね。

 会が終わって、京都に勤めている娘と合流、北の天満宮の梅を見てきました。すばらしかった。ちょうど花盛り、一本一本の枝振りが、見事な剪定で、赤、白、ピンクの織り成す色合いがこれまた見事としかいいようがありませんでした。
コメント
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