蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

あなたに不利な証拠として

2007年01月16日 | 本の感想
あなたに不利な証拠として (ローリー・リン・ドラモンド ハヤカワミステリ)

アメリカ南部のルイジアナ州の警察に勤める女性警官の話。複数の警官の話が少しずつの関連性をもって語られるが、基本的には独立した短編集。

「このミス」の海外部門一位だが、ミステリというよりドキュメンタリータッチの小説で、事件そのものより、警官特有の苦悩を繊細かつ執拗に心理描写しているので、文学っぽい作品になっていると思う。

著者は警官であった経歴を持っているそうで、リアリティは抜群に感じられるが、少々くどい感じがした。

アメリカの警官・巡査って(特に南部では)いいかげんで怠慢なのかと思っていたけれど、この小説に書かれていることがある程度事実に即しているとすれば、モラルやモチベーションがかなり高くて、テクニカル面から見てもかなり高いレベルにあるということになる。

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