蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

逃げるな新人外科医

2023年05月20日 | 本の感想

逃げるな新人外科医

逃げるな新人外科医(中山祐次郎 幻冬舎文庫)

「泣くな研修医」の続き。研修期間を終えた雨野隆治は、引き続き東京の下町の病院で外科医として勤務する。新しい研修医の世話係や2人の大腸がん患者(ヤクザっぽい雰囲気の男(ステージ4)と善良そうな小太りの男(ステージ2))の主治医を任されて悪戦苦闘する。故郷では父ががんに冒されたと聞くが帰郷もままならない。一方で合コンで知り合った恋人もできて・・・という話。

 

前作に引き続いて、主人公の雨野は、色々な医療行為で失敗を繰り返す。全てが実話ではないのだろうが、「やっぱり経験の少ない若い医者だとヤバいんじゃないか?」と思わせるには十分な内容。

でも、こちらも前作同様、素朴で真摯さを感じられる筆致のせいか、雨野に素直に共感できるので、逆に「ヘタクソでも彼のような医者に診てもらいたい(ただし、横には佐藤先生か岩井先生がついていてくれるという前提で)」とも思わせてくれるのであった。


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