へんてこな生き物(川端裕人 中公新書ラクレ)
取材等により実際に著者が見たことがある珍獣の生態を描いたエッセイ。
タイトルからは、怪獣のようなキテレツな外見の生物が登場するのかと思っていたのだが、見たことがあるという縛りがあるせいか、割と聞いたり見たりしたことがある生物が多かった。
花の蜜を主食にする親指大のネズミのようなハニーポッサムがなんとも可愛らしかった。
オオサンショウウオの前肢(手のひら 4本指)もカワイイ(人によってはゲゲッかもしれない)。
一方、体長15センチもある巨大バッタ?ジャイアントウェタとか沖縄のオオゲジには決して会いたくない。著者によるとオオゲジは「つやつやしていて、顔つきがキリッとしていた素晴らしい造形」だそうだが・・・
沖縄のススキ原にいる、日本一小さいセミ:イワサキクサゼミは、昔は子供のおやつになっていたという。取材に行った沖縄のスーパーで捕虫網などを買ってセミ料理を再現して食べてみる、というのもナチュラリストならでは。コオロギの粉末が給食に入っていただけで大騒ぎする人が聞いたら失神しそう。