蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

氷菓

2015年01月12日 | 本の感想
氷菓(米澤穂信 角川文庫)

高校に入学した主人公は、(今は海外にいる)姉に勧められて古典部にはいる。現在の古典部の部員はゼロで、主人公と同学年の入部者数人と活動することになる。文化祭に向けて恒例の文集を作るため、過去の文集を参考にするが、そこにはある部員の係累に関する謎が隠されていた・・・という話。

重大な犯罪が発生するわけではなく、日常的な謎を主人公が解いていくものなのですが、古典部部員のキャラクター設定がうまくて、それだけで人気が出そうな感じでした。(現実にはとてもいそうもない、世慣れ過ぎの高校生たちですが)

謎解きは、「すごい」と思えるほどでもないのですが、謎自体が魅力的というのか、不思議な雰囲気がありました。

タイトルも謎めいた感じですが、種明かしはラストで披露されます。人によって好き嫌いがありそうなものでしたが、私は、余韻をより強く響かせる効果があって「いいな」と思えました。

やはり、人気が出る人には、なんとも言えないセンスみたいなものがあるのでしょう。
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