蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

ピエタ

2015年01月07日 | 本の感想
ピエタ(大島真寿美 ポプラ社)

主人公のエミーリアは、18世紀のヴェネチアのピエタという慈善院に捨てられ、そこで育てられた。
中年となった今でも院で暮らし、院の運営のかなめとなっていた。
院は事業でもある音楽活動をしており、その指導者はヴィヴァルディだったが、ウィーンで客死してしまう。
院の有力な支援者でエミーリアの友人でもあるヴェロニカは、昔自分が裏面に詩を書きつけた楽譜をヴィヴァルディの遺品から見つけ出してくれたら巨額の寄付をすると申し出る。エミーリアは楽譜をさがすうち、高級娼婦(コルティジャーナ)クラウディアと知り合う・・・という話。

評価の高い作品で、そのつもりで読んだせいか、ちょっと期待外れかな・・・という感じ。
私の読み方が悪いせいか、テーマがはっきりしないように思えた。
音楽、ヴィヴァルディの肖像、恋愛、親子関係、ヴェネツィアの風俗とか興亡といったところが、描きたいモノなのだと思うけど、どうも絞り切れていない感じ。
ドラマチックな展開もなく、楽譜の謎解きも「うーん」って感じだった。

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リゴンドー

2015年01月07日 | Weblog
リゴンドー

ボクシングに詳しくなくて知らなかったのですが、昨年末に来日したリゴンドーはすごいボクサーらしいですね。
キューバ代表としてオリンピックを連覇するものの亡命に失敗、厳しい監視をかいくぐって2回目は成功し、プロに転じても無敗で統一王者に。
あまりに強いのと手堅い試合運びが嫌われてアメリカでは対戦相手がいないそうです。

そういったプロファイルを日経紙上で興味をひかれ、12月31日のタイトルマッチをテレビで見ました。素人目に見てもパンチの速さは段違いで、リアルに「目にもとまらない」という感じでした。それでいてパンチ力もすごくて何度か挑戦者(天笠尚)の両手のガードの真ん中をぶち破って顔にヒットさせているシーンがありました。

ところが、勝負は水物。7ラウンドに(多分)ラッキーパンチをアゴにくらってダウン。さらに(スリップくさかったのですが)同ラウンドに再度ダウン。
あっと驚く大番狂わせかと思わせたのですが、挑戦者がカサにかかって攻めたてるみたいな感じでもなかったので立ち直ってしまい、結局天笠選手は文字通り顔の形が変わるまで殴られて11回終了でTKOとなりました。

年末にやたらとたくさん開催されたタイトルマッチの中でも(全部見たわけではありませんが)この試合が一番面白かったのでは?と思える内容でした。

これもどこかで読んだ話なのですが、今回のファイトマネーは米国内でマッチメイクした場合の3~4倍はあったらしく(米国ではマッチメイク自体が難しくなってお金もあまりつかないらしい)、リゴンドーは日本で再度防衛線を望んでいるのではないか、とのこと(想定の相手が長谷川さんというのは、うがちすぎだと思うケド)。

もしかして、年末の試合は、多少、日本のボクシングファンへのサービスもあったのだろうか?(いや、7回のダウン後と8回前半は明らかに表情が変わっていたので、それはないでしょう)

蛇足:キューバから亡命したのに試合前にはキューバ国歌を演奏するものなのですね・・・
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