蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

インサイド・ルーウィン・ディヴィス 名もなき男の歌

2015年01月05日 | 映画の感想
インサイド・ルーウィン・ディヴィス 名もなき男の歌

ルーウィン・ディヴィスはフォーク歌手。時代は1960年代。
かつての歌のパートナーは自殺し、出したアルバムはあまり売れず、女友達の予期せぬ妊娠に動揺し、知人から預かった猫は部屋から逃げ出してしまう。
友人の部屋を経めぐる暮らしに嫌気がさして、シカゴのプロデューサー?に売込にいくがうまくいかず、元の職業である船乗りに戻ることにも失敗する・・・という話。

音楽に全く疎い私は、フォークソングって日本独自のものだと思っていた・・・というのはさて置き、アメリカの音楽というとロックかジャズばかり思い浮かんでしまう。例えばカントリーミュージックなんかも彼の国では大きなジャンルのはずだけど、日本ではめったに紹介されない(気がする)。テイラー・スウィフトなんて世界的なセールスをあげているのに、日本では知らない人が多いんじゃなかろうか?

コーエン兄弟の作品ということで、
「この後、何かとんでもないことが起きるのではないか」と思ってみていた。
しかし、映画の中で起きる事件といえば猫が逃げ出すくらいだし、上記のように全く冴えない状態の主人公を淡々と描くだけなのに、飽きないのが不思議。
その日暮らしで万事にだらしがないのに、音楽には妥協しようとしない主人公の矜持がうまく描かれているせいだろうか。

因果は巡る、みたいな結末のせいもあって、見終わった後、もう一度見てみたいという気持ちになった。

蛇足:妊娠した女友達(キャリー・マリガン)が主人公をののしる口調がとてもハキハキしていていっそ小気味よかった。
コメント
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