あるきメデス

あちこちを歩いて、見たこと、聞いたこと、知ったこと、感じたことなどを…

カタツムリ歩行同窓会散会後、三宝寺池の周辺を歩く(東京・練馬)

2018-09-25 11:03:44 | カタツムリ歩行
 2018年9月16日(日) 午後

 カタツムリ歩行同好会の散会後は、南側の「区立池渕(いけぶち)史跡公園」と「石神
井公園ふるさと文化館」に入り、さらに西側の二つの寺や三宝寺池(さんぽうじいけ)な
どを回り、石神井公園駅に向かうことにした。

 池渕史跡公園は、練馬区の登録史跡「池渕遺跡」を埋め戻して整備したもの。遺跡では
旧石器時代の石器ブロックや縄文・弥生時代の竪穴住居跡、炉跡などが発見され、旧石器
から縄文、弥生、古墳、中世にいたる複合遺跡であることが分かったとか。

 園内で目につくのは、移築復元されたかやぶき屋根で区の指定文化財の「旧内田家住宅」。

 旧内田家は練馬区中村にあった民家で、明治20年代(1887~)初めの建築と推定
され、一部には江戸時代の古材も使われているという。





 園路沿いには、縄文時代の竪穴住居跡↑、区内にあった庚申塔や馬頭観音、力石(ちか
らいし)など江戸時代の石造物が配置されていた。
     
      庚申塔(元禄16(1703)年)

              
         馬頭観音(享和3(1803)年)と庚申塔(享保5(1720)年)          

 階段を下り、隣接する区立「石神井公園ふるさと文化館」に入る。

 練馬区の歴史や伝統文化、自然などを体験しながら学ぶことができ、観光情報も得られ
る博物館である。


 最初に常設展示室に入り、古代の出土品から現代に至る区内の歴史的な資料や産業など
の展示を一巡して観覧した。










    
     東映動画スタジオの第1号カメラ

 その後、2階の企画展示室で、開催中の特別展「鳥瞰図ー空から見る大正昭和の旅ー」
を見る(一般 300円、高・大学生 200円、65~74歳 150円、中学生以下
と75歳以上 無料)。


 会場では、吉田初三郎や金子常光など大正から昭和期の代表的作家の、おなじみの作品、
約120点が展示されていた。

 ここは撮影禁止なので、リーフレット掲載の鳥瞰図の一部を紹介する。









 14時25分頃、ふるさと文化館を出た。

 西側の都道444号・井草道を南進し、区立図書館そばの交差点を右折して所沢道に入
り、すぐ先の道場寺(どうじょうじ)へ。

 道場寺は曹洞宗の寺で、文中元(1372)年に当時の石神井城主・豊島景村の養子輝
時が建立し、豊島氏の菩提寺としたようだ。

     
 クロマツやモミジなど豊富な緑陰を見せ、山門を入ると左手樹間に三重塔が望まれる。


 その先右手には鐘楼があり、正面の奈良・唐招提寺を模した大本堂前にたくさんの白ハ
ギが花開く。




 西側すぐ先には、やはり豊富な樹木に覆われて広い境内の三宝寺がある。手前にある長
屋門は、勝海舟の屋敷門を移築したという。



 御成門を入ると右手に鐘楼が、左手に大黒天堂があり、そばに「ねりまの名木」のサル
スベリとアカマツが目に入る。




     

                      
   
 入母屋総欅造り(いちもやそうけやきづくり)銅板葺きの本堂は、大正3(1914)
年の再建計画以来、関東大震災や太平洋戦争などによるたびたびの中断を経て、昭和28
(1953)年に再建されたとか。


        
 本堂前に白いヒガンバナがたくさん咲き出した。
            

     
 西側の大きな宝篋印塔(ほうきょういんとう)は、天明元(1781)年の建立。大正
12(1923)年の関東大震災で倒壊後、御成門近くから現在地に移築したという。

     
 その西側には大きな根本大塔が立ち、背後の樹間には四国八十八ヶ所お砂踏霊場が設け
られていて、最奥には奥の院の大師堂がある。


 大師堂


     
 境内を一巡後、御成門を出て少し戻り、道場寺の三重塔横の細道を北に下り、三宝寺池
の東端付近に出た。

 三宝寺池は、石神井川有数の水源地。豊富な湧水のもとに氷河期から生息してきた湿性
植物群が、昭和10(1935)年に「三宝寺池沼沢(しょうたく)植物群落」として国
の天然記念物に指定されている。

 しかし戦後、周辺地域の急速な都市化で湧水が減り、湿性植物の種類や数が激減したの
で、東京都は平成5(1993)年から水質改善や希少植物の保護増殖に取り組んでいる
という。

 南岸沿いの周遊路を西に進むと、「石神井城址」碑と「石神井城跡」の説明板がある。
    
 石神井城は、中世武士の豊島氏の居城の一つ。築城は鎌倉末期と考えられ、文明9
(1477)年に太田道灌に攻められて落城し、廃城になったとか。

 城は、三宝寺池の谷と石神井川の低地に挟まれた台地に築かれ、全体で約9㏊の規模だ
ったと推定されているらしい。一帯ははうっそうとした木立に覆われ、周遊路があるが今
日は巡るのは省いた。


 池を見ながら南岸沿いの遊歩道をを進むと、中の島に2羽のアオサギがじっと立つ。




     

 さらに進んで、池の西南端近くの弁天島に祭られた厳島神社に参拝する。


     
 厳島神社などを眺めながら西岸を北西端まで進む。



 紅白のヒガンバナ咲く林間を上がり、北側の「練馬区立石神井松の風文化公園」に南西
門から入った。旧日本銀行石神井グランドを練馬区が取得して、4年前に開園したもの。

 園内には花と木立の広場、芝生の広がる多目的広場、松林の広場や、庭球場と管理棟な
どがある。

     
 花と木立の広場の西北端には、気象庁の「アメダス練馬観測所」の設備があり、気温、
風向、風速、降水量と日照時間を観測している。
  


 多目的広場の南側を進んで管理棟に入る。


 中に、先ほど観覧したふるさと文化館の分室があり、練馬区ゆかりの「絵本作家・さと
うわきこ展」を開催中。
     

 ほかに常設の「練馬区ゆかりの文化人」展示室、五味康介ゆかりの資料室、檀一雄の部
屋などがあり、ひととおり回って観覧した(撮影禁止)。

 庭球場横の正門から公園を出て、北側を真っ直ぐ走る都道8号・富士街道を石神井公園
駅の方向へ。

 この通りの駅近くには、私が半世紀以上も前に5年余り勤めた最初の職場があったのだ
が、通るのは何10年ぶりだろうか。当時とは全く様変わりした沿道である。

 その頃、今日のスタート地の練馬高野台駅などは無く、駅周辺や午前中に歩いた南田中
団地など、石神井川沿いは田んぼだった。

 西武池袋線も確か4両編成くらいで、石神井公園駅発上り電車の発車時刻は、毎時 0,
15,30,45分発の4本だけだったことを覚えている。

 職場では窓口に来る来客応対もしていて、わずかな収入の中で釣り銭がなくなると、通
りを挟んで北側にあったお茶屋さんでよく両替をしてもらったので、残っているかと探し
ながら進む。職場のあったところは、どうやらマンションになっている場所のよう。

 その前に、建物はビルに変わったが「創業明治40年」の茶店があり、今日は閉店して
いたが店名から間違いなさそう。当時を思い出し、懐かしく通過した。


 そばの練馬区役所石神井支所前には、「ロバと少年」像と「環境都市練馬区宣言」パネ
ルがあった。


 ゴールの、西武池袋線石神井公園駅には16時5分に入り、下り電車で帰途につく。

【午前午後通算】(天気 曇後晴、距離 8.4㎞、地図(1/2.5万) 吉祥寺、
 歩行地 練馬区、歩数 18,400)





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2 コメント

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沢山歩かれましたね (こんちょ)
2018-09-25 18:49:06
午後の部もたくさん歩かれましたね。
道場寺や三宝寺もいいお寺のようです。

花と木立の広場にアメダスの観測所があるのですね。ここが練馬区のデータの元ということでしょうか。
石神井公園近辺はsaikoroat さんの職場だったとのこと。昔の風景の様子、詳しく覚えていらっしゃって参考になりました。
私も今回の歩きで行けなかった所を、またゆっくり回りたいと思います
返信する
いつ歩いても楽しみ (saikoroat)
2018-09-25 21:17:09
石神井公園周辺は見どころが多く、歩くたびに新しい発見もあり、
いつ歩いても飽きることがありません。

都内の中では、練馬区の気温は高温の日が多いですが、数年前にアメダス観測所が別の場所から
あの公園に移動したのですが、相変わらず高いので、やはり区内の位置的関係で高温になるようです。
返信する

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