あるきメデス

あちこちを歩いて、見たこと、聞いたこと、知ったこと、感じたことなどを…

第7次中山道ウオーク(松井田~軽井沢)

2006-05-22 22:12:44 | 中山道を歩く
 毎年、中山道を歩いているグループに、私は4年目から参加していますが、
今年は7回目です。
 
 4月9日に東京・日本橋をスタートし、前半のゴール長野県塩尻市の洗馬宿
を目指して11日間の予定で歩きました。 私は、7日目の5月15日から19日
まで参加しました。

06年5月15日(月) 松井田~軽井沢
 7日目の今日は、群馬県松井田町の西松井田から、碓氷(うすい)峠を越えて
長野県軽井沢町に向かう。私はこの日からの5日間の区間参加。無人のJR
信越線西松井田駅に降り、北側を抜ける中山道にて皆さんに合流し、8時33分
に出発した。
 
 信越線の線路際に進むと、左手に妙義山のごつごつした岩峰が近づく。山
ろくはやわらかな新緑に包まれ気持ちよい展望、間近にウグイスが鳴く。桐の
花も見ごろである。


 五料交差点で国道18号を横切り、上信越自動車道の下をくぐる。信越線の
踏切を北に抜けると、夜泣き地蔵が妙義山を背に立ち、そばに茶釜石がある。
ここを通った蜀山人が、石をたたいて珍しい音色がしたので、狂歌を造ったと
いう。

 通過した碓氷神社の先に、「百合若大臣の足跡石」というのがあった。百合
若大臣が足で踏みつぶしたので、石の上がへこんだという。たしかに石はへこ
んでいるが、本当だとしたらすごい怪力の持ち主だ。

 行く手の山間に、残雪とわずかに噴煙が認められる浅間山が見えた。


 峠の釜飯でおなじみの横川駅前で休憩。排水溝のふたに、昭和38年(1963)
で廃止した旧信越線アプト式鉄道に使われたラックレールが転用されていた。


 ここで、宮城県の和田さんが加わる。和田さんのゼッケンにはいつも感心
させられるメッセージが記されているが、今日はこんなメッセージだ(下部)。

 赤い糸でたんねんに縫ったメインのゼッケンは、今回の隊長・「ユキちゃん」
こと札幌の稲垣さんが、40人を超える参加者一人ひとりに、名入りでつくって
事前に送ってくれたもの。ユキちゃんありがとうございました。

 碓氷関所跡には、復元された関所の門がある。碓氷関所は、元和年間(1615
~23)に開かれ、「入り鉄砲に出女」の取締りをした中山道の要所。明治2年
(1869)に廃止されたという。

 近くに、明治18年(1885)から1年半で開通した碓氷アプト式鉄道の難工事
で犠牲になった、500名にのぼる犠牲者の鎮魂碑が立っていた。

 中山道は、碓氷川を渡って坂本宿に入るのだが、今回は旧信越線の廃線跡を
活用した遊歩道を行くことになった。

 複線のうちの上り線に、線路を残したまま透水性舗装が施され、歩きやすい。
架線もそのまま残っていた。


 上信越自動車道の下を過ぎると赤レンガ造りの旧丸山変電所がある。碓氷峠
の急勾配を上がる電気機関車に必要な電力を供給したところで、建物は国重文
になっている。


 2kmほどで遊歩道が終わり、左手に上がると新しい「碓氷峠の森公園」。
日帰り温泉施設や芝生広場、池などがある。池のそばのシャクナゲが真っ赤な
花を見せていた。


 中山道でもある国道18号が坂本宿を抜け、峠に向かってΩ形にカーブして
上がる地点に出て、いよいよ碓氷峠への山道の入口に着く。

 ここでまた3~4人待っていて合流、総勢40人となる。碓氷小屋と呼ぶ
東屋と、中部北陸自然歩道「上州路碓氷峠のみち」の案内板がある。

 杉木立の下を上り道が続く。ゆっくりと上って行くと次第に広葉樹が増え、
落ち葉がいっぱいの歩きやすい道となる。

 柱状節理の細長い岩が露出する場所を過ぎ、東南の展望が開かれた場所に
出た。眼下の、ほぼ直線に伸びる坂本宿の家並みや、妙義山がよく見える。


 刎石(はねいし)山の稜線上となり、弘法の井戸や羽根石立場跡を過ぎる。
淡い緑の新緑に覆われた稜線上の平坦地となり、歩みも軽くなる。


 天正18年(1590)、豊臣秀吉の小田原攻めで北陸・信州軍を防御しよう
とした松井田城主が稜線の両側をきら細く切ったという「掘り切り」で昼食を
する。


 この辺りは、やわらかな若葉の新緑に満ちあふれ、気持ちよい彩りである。


「座頭転がし」を過ぎた辺りに、古い自動車が放置されていた。碓氷峠の方から
来たものらしいが、狭い斜面をどのように運転してきたのだろうか。近くには
「熊出没注意」の標識が立っていた。

 午前中は青空だったが次第に雲が広がる。緩やかな上り道は、やがて車も通
れそうな幅広となった。

 皇女和宮が京から江戸へ降嫁したときに通過した和宮道を右に分け、子持山
にかかる。せせらぎの流れる笹沢人馬施行所跡を通過、芽吹き始めたばかりの
カラマツが増えてきた。

 14時21分、今日の最高点、碓氷峠の熊野神社に着く。神社は群馬県と長野
県との県境。標高1100mを越えるこの辺りは、まだ芽吹き始めたばかり。

 南側の見晴台に上がったが、曇って妙義山などの山々はちょっと霞んでいる。
休んでいると寒いので、来た人だけで記念撮影してそうそうに展望台を離れた。


軽井沢に向かっての下り道は、葉が出たばかりで明るい落ち葉道。しかし、
いきなり急斜面なので、滑らぬように慎重に木につかまりながら下る。その先
には倒木や崩壊か所もあり、距離は短いながら緊張して下る。

 峠から遊歩道との合流点近くで、西川さんが待っていた。バーナード・ショウ
の胸像付近には野猿が姿を見せる。

 旅館つるやの前で、帰宅する川島さんと渡部さんを見送る。軽井沢銀座の
ロータリーまでフリー歩行となり、15時45分前後に着く。そばの店でアイス
クリームを食べたりして、16時10分に来たマイクロバスで、中軽井沢のホテル
に向かった。

(距離 22km、歩行地 群馬県安中市(旧松井田町)、長野県軽井沢町)

  
コメント
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