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日本の農業は

2008-03-18 21:07:44 | 社会・経済

荒川マラソンを走って、農業を考えた、、、

荒川フルマラソンを共に走った仲間が新潟の山間部で農業を営んでいるからです。

新潟の十日町と六日町にはさまれた山域の頂に、東枯木又と西枯木又という山村があり、以前から私は棚田のお手伝いをやっていました。いわば野良仕事ボランティアです。そこで獅子奮闘していたファーマーでありランナーである彼を知ったのです。彼の、ランニングをしていたから、きつくても百姓ができるんだと言っていた言葉が印象的でした。

ちなみに、新潟地震のときに激しく揺れたあたりで、ランニングクラブ南蛮連合のヨシコさんと泊り込みの救援ボランティアにも駆けつけました。

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その彼が、、「今年の減反政策は厳しいよー」とぼやいていた。

山間部で無農薬米を棚田で作っている彼のところにも、厳しい政府からのお達しが来たそうです。

彼の田んぼでは普通のコシヒカリではなく、最近、見かけるようになった黒い古代米を作っています。古代米といわれるだけ稲の原種に近く、普通の米に比べ収穫量が1/3しかありません。

棚田なのでどちらにしても手間がかかるので、無農薬で古代米を作るようになったのです。今年は3mの積雪があったといい、キレイな水はあるし、枯木又は魚沼郡の隣ですし、お米のふるさとです。ソコにも減反政策の手が、、、。

県の職員で農林水産部や農地部の人たちは、山間部の棚田などに職員でボランティアに来てくれるそうです。ですが政府、農林水産省の減反政策は日本全国津々浦々、満遍なく厳しく届いている。政策に沿い減反すると補助金が出るのは皆さんご存知のことと思います。

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先ほどの中国ギョーザの件、、、バイオエタノールの件、発展途上国が裕福になり自国の食料を消費するようになる事、、、全てを考えると、日本の食料自給率のアップは必然です。今現在日本の周りでは戦争はないが、経済戦争といえるか、食料争奪戦がこの先、いつ何時におきてもおかしくない。そもそも地球の生態系が狂いだしているのだから、今まで食料生産ができたところが、不可能になる可能性が充分に考えられる。というか、、、もはやアメリカの穀倉地帯だって、中国の広大な農地だって疲労困憊して砂漠化している。

そもそも、他国に自国の食料を任せる発想がが間違いのもとです。日本キライの国はいっぱいあるんだし、金の切れ目が縁の切れ目で、日本が経済的に没落したら、あっという間に輸入がなくなり、食べる物もなくなる。贅沢ができないとか、グルメがなんとかというレベルの話しじゃない。

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農業再生といっても、担う方たちがすでに高齢者で、なおかつ後継者不足。

実際の現場では何を考えているのか、模索しているのか。

農家、ムラ単位でやっていたことを、ムラ単位で株式会社化しようと言うのがひとつ。実際にムラ株式会社にして農地を借り受けてやり始めてはいるが、つぶさに見ると、、、、普通のサラリーマンと同じ問題が出てきている。つまり作業がサラリーマン化して雑になりやすい。

今までは、自作農だから手間暇かけて、手塩にかけて自分の作物を作っていたのが、会社の作物という意識で、ザーと荒い野良仕事をやるようになる、、、。むろん一部の人だけだろうし、一概には言えない事で個々の意識の問題ですが。

もうひとつは、残った農家がやめた農家の農地を借り大規模化すること。これは農地の区画整理と機械化が必然です。平地だからできる大規模化ですね。山間部などの棚田では限度がある。作物の分化なのかなー、機械化と減農薬は両立するのか?

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問題は、農協とソレの恩恵をこうむるはずの個々の農家の間に、利害関係のズレがある事。農家個々の切羽詰った問題が、農協の方々には他国の話しみたいに遠い。都市での銀行と預金者みたいな関係です。銀行や農協がのほほんと国に守られて、それの構成者である農家や国民の犠牲の上に成り立っているの??

農業を廃業するだけなら、、、後継者がいなくて、先が見えなくて、体がもたない、、、だけじゃなく、農家でも自殺者が多いそう!知り合いの、これは九州の農村の話しですが、故郷の村長を頼まれてつぶさにムラをみたら、なんで自殺者が農村に多いのだと愕然としたという。農家を、多くは農機具の、、借金漬けにして、さらに減反して補助金をだす、、、これが政策といえようか。

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つまり、国民の根本を担っている、食料生産がもっと、もっと実入りが良く、ステータスじゃないといけないのだと思う。金融業?トレーダーはうまみのある仕事?代理店業がいい仕事?その発想の転換がおそらく世界的にも必要になってくるんだと思う。安いだけで食料を買い求めるのは自分の首を締めるようなこと。安くて安全な食料がいつまでもという保証はない。安全は有料なんだという発想が必要です。水と空気と安全(食を含めて)の存在が近年にわかに大きくなってきた感があります。

20世紀はイデオロギー、、共産主義か資本主義かで争われたけど、21世紀はどうやら宗教や民族の争いになっている。そして何が争点になるかというと食料でしょう。食料を生産する水の争奪戦になるかもしれない。

3月17日の朝日新聞で書いていたが、農業を「成長産業」に変えよう、、、と。減反政策と生産調整でお金をばら撒いているのは、、、。この先、高齢化と人材不足でフルに生産さえできなくなるのに、まだそのような過去の悪しき政策がのさばっているのは、いったい誰のための政策なんだいと、、。

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とりとめもない事だけど、これから何が出来るか、人生の次のステップで何をするか考えさせられます。ランニング・ファーマーと話していて、いかに今の私の仕事は空気みたいな仕事なのか考えさせられた。次の仕事は社会に残せるものがいい。

コメント (6)
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