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殿は今夜もご乱心

不倫が趣味の夫と暮らす
みりこんでスリリングな毎日をどうぞ!

あっちもこっちも・1

2025年04月24日 14時56分34秒 | みりこんぐらし
先日まで、同級生テルちゃんの話をしていた。

お兄さんが亡くなったのを機に

母親の介護を任せていた兄嫁サエちゃんが介護の返上を宣言したため

娘のテルちゃんがお母さんの介護をすることになった悲劇である。


あれからも彼女とは電話やLINEで話したが、かなり落ち着いた様子。

そうなってみてわかったが、テルちゃんは

“自分たち母子はサエちゃんに見捨てられた”

という気持ちが強かったようだ。

いわばこれは彼女のプライドの問題で

“見捨てられた”という受動的な状況が、許せなかったのだと思う。

だから、面倒くさくなった私が破れかぶれで言った

“解放してあげんさい”の言葉が響いたのだ。


“解放してあげる”なら、球を投げたのはテルちゃんになる。

ついでに“亡きお兄さんもそれを望んでいる”と言われたら

テルちゃんの心は安まらざるを得ない、というところだろう。

たまたまとはいえ、ラッキーだった。


思えばテルちゃんは長男の嫁だけど

認知症で徘徊するようになった義父母の面倒は一切見ていない。

公務員の仕事が忙しかったのもあるが

義父母との折り合いが良くなかったのもあり

老人ホームに入っている彼らの面倒は、義母の姪が見ている。


その姪というのが、うちの数軒先の住人で、以前から色々聞いてはいた。

その人の言う「逃げ回ってばっかりで何もしない長男の嫁」が

まさかまさか、あのテルちゃんのことだったなんて

去年まで全然知らんかったもんね。


つまりテルちゃんは、義理親の介護からうまく逃亡していたのに

ここに来て母親の介護が回ってきたということである。

やはり悲劇には違いない。


が、一方でサエちゃんの動向も気になるところ。

テルちゃんが言うには、もう介護はしないと宣言しておきながら

サエちゃんは今も毎日、入院中のお母さんのお見舞いに訪れるのだそう。

退院後も引き続き通ってくれるのか、それとも退院したら終了なのか

テルちゃんはサエちゃんの心を計りかねている。


「退院後も通ってくれるようなら、今度はちゃんと

月々の礼金を渡してあげたら?」

そう言いはしたものの、これから始まるデイサービスの利用料金に加え

わずかでもサエちゃんに礼金を出すとなると

お母さんの年金では厳しそうなので、現実的ではなかった。


が、人のことばっかり気にしちゃいられないのよ。

実家の母サチコの認知症も、絶賛進行中。

デイサービスの送り出しが週3から週1に減って

ずいぶん楽になったけど、今の彼女のブームは腕時計。

「デイサービスに行ったら、時計をすり替えられた」

行くたびにそう言って騒ぐので、施設のスタッフが困っていると連絡が来た。


施設では、貴重品やお金の持ち込みは禁止だ。

しかし鬱病のサチコは

昔からの習慣を止めたら落ち着きが無くなるため

特別に腕時計の着用を黙認してもらっている。

ヤツは、それだけ厄介な利用者なのだ。


「紛れもなく、あんたの時計じゃ。

前のが壊れた言うけん、私が買いに連れて行ったが」

「違う!私のはこんな安物じゃない!

デイサービスは高い時計を安いのとすり替えて、儲けようるんじゃ!」

「あんたの時計も、たいがい安物ですけど?」

「違う!私の時計は文字盤が黄色で丸い!」

「それは去年壊れた、前の時計じゃ。

それも茶の子のカタログで交換した安物じゃ」

「ほうじゃったかいの?」

「ほうよ」

ここしばらくは、この繰り返しである。


が、うちよりもっと大変なおかたが…

それは夫の姉、カンジワ・ルイーゼ。

昨年9月から入院していたルイーゼの亭主キクオが、先日退院したのだ。


彼が入院した理由は、ちょっと複雑。

まず、自宅の車庫に車をぶつけたキクオがショックで倒れた。

救急車が事故の扱いで病院に搬送したら、コロナが判明。

隔離中に体力が衰え、持病のパーキンソン病が悪化。

食事が摂れなくなり、生死の境を彷徨ったというものだ。


当時は胃ろうを勧められるほど衰弱し、体重も激減したキクオだが

生真面目な性分なのでリハビリを頑張り、体重も戻って見事生還。

この度、晴れて退院となった。


昨年の入院当初、キクオは初めての介護認定を受け

要介護4と認定された。

4といえば、寝たきり一歩手前の高ランクである。


入院から半年を経て退院が決まると、自宅療養に備えて様々な工事や

ベッド、歩行器、おまるなど備品の借入れが進められた。

要介護4だと介護保険の限度額が大きいので

工事も備品も手厚い物になるようだ。


しかし今は本人がかなり回復したため

近々、介護認定をやり直す予定になっている。

今度は要介護度が下がるだろう。

それはめでたいことかもしれないが、困るのは備品。

特にベッドは要介護4ならではの高級品で

上下動や起き上がりが自動なのはもちろんのこと

マットレスも裏と表で固い面と柔らかい面を使い分けられる豪華版だ。


もしも要介護度が大きく下がったら、その立派なベッドは回収され

チープな物に取り替えられてしまうそうな。

残酷な借金取りの所業を“病人の布団を剥がすような”と言うけど

何だかそれを思い浮かべてしまった。


ルイーゼの話によれば、キクオの叔父さんは

「認定では頑張って、最低でも要介護2で止めんさいよ」

本気でそうアドバイスしたという。

頑張り方が変だけど、それが介護業界。

何とも世知辛い世の中である。

《続く》

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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (田舎爺S)
2025-04-24 16:52:53
今年11月で、グーブログが無くなるそうですが、
どこかに引っ越して下さい。
そして引っ越し先を記事にして下されば、また、訪問できると思います。
アメーバブログへ引っ越していただくと嬉しいです。
返信する
Unknown (みりこん〜田舎爺Sさんへ)
2025-04-24 21:13:58
ありがとうございます。
引越し先はまだ全然決めていないんですが
アメーバは田舎爺Sさんがブログを
やっていらっしゃる所だよな〜と
チラッと考えました。
使い勝手はどうですか?

アメーバを含め、goo仲間のモモさんと
検討しようと思っています。
返信する
Unknown (さら)
2025-04-25 15:07:11
みりこんさん、ご無沙汰しております。
私も勝手なお願いですが、引っ越しして続けて頂けたら、嬉しいです☺️👏
うちの義母は食欲が極端に落ち、施設は退所、現在は入院中で、胃ろうを勧められているところで、義姉の判断で今日別の病院へ転院をしたところです。年齢を重ねると、皆さんそれぞれに大変なんだと知れて、我が家もぼちぼち頑張らないと気持ちを入れ直したところです。
冷たいようですが、みりこんさんのおかげで同居を免れた事をいつも感謝しております。余計な親族間の軋轢を生まず、なんとか過ごせています。我が家は自閉症の不登校の娘を抱えて、心身共に手一杯です。これからも何とか踏ん張りたいと思います!終了でも、最後まで一読者として、応援しています🩷
返信する
Unknown (田舎爺S)
2025-04-25 16:02:07
>みりこん〜田舎爺Sさんへ さんへ
>ありがとうございます。... への返信
私は、ブログ下級者で、使い勝手がどうだというようなことを、
感じることも出来ないレベルです。
でも、そんな私でも続いていますので、まあまあなのではないでしょうか。
返信する
Unknown (みりこん〜さらさんへ)
2025-04-25 16:38:01
はい!どこかへ引っ越して続けます!

お姑さん、弱ってこられたんですね。
何かと落ち着かないし、ご心配でしょう。
胃ろうにすると長引くんですよね。
私は病院時代に胃ろうに流し込むユルユルのゼリーも
作っていましたけど、自分は胃ろうを
したくないな〜と思いながら仕事してました。

何だかんだ言っても、他人の嫁より実の娘が一番です。
お義姉さんが判断してくれる環境で良かったです。
嫁は逃げ切り一択でいいです。
進んで地獄に落ちるようなアホは
私だけで十分ですよ。

お嬢さんのこともご心配だと思いますが
学校へ行かなくても、ちゃんと大人になります。
むしろ学校…夫が長男の副担任と不倫した経歴?を持ち
保身に走る管理職や教育委員会を敵に回し
一方で手のかかる母親を他人に任せっぱなしで
連絡もしない教師を妹に持つ私は
学校教育というビジネスを懐疑的な目で眺めています。

先で「あの時は心配したわ〜」
と笑って話せる時が必ず来ますから
まずお母さんが頑張り過ぎずに安心して
日々を楽しく過ごしていただきたいと思います。

温かい応援、ありがとうございます。
とっても嬉しいです。
返信する
Unknown (みりこん〜田舎爺Sさんへ)
2025-04-25 16:52:14
お返事ありがとうございます。

ブログ下級者って、とっても面白いんですけど?!
私も長いだけで、バリバリの下級者笑

写真を掲載する作業が簡単だといいな
と思っているのですが田舎爺Sさんの親切な表現で
簡単だということがよくわかりました。
ありがとうございます。
返信する
Unknown (さら)
2025-04-25 18:12:54
ありがとうございます😭
涙が出てしまいました。
返信する
Unknown (みりこん〜さらさんへ)
2025-04-26 08:56:49
子供の心配って、親にとって一番きついですからね。
でも大丈夫。
将来を心配してしんどいのは今だけ。
大人になったら、みんな新しいスタートラインに
立つんです。

YouTuber、プロゲーマー、地下アイドル…
今は昔じゃ考えられなかった新しい職業が
どんどん生まれていて、一方では昔からある職業が
どんどん消えて無くなる時代です。
お嬢さんが大人になる頃には、この現象がもっと
進んでいることでしょう。
地道路線がお好みなら、親子でカフェとか
始める夢を持つのも素敵だし、可能性は無限大。
飲食店だと家族の食費も、ある程度は
経費で落とせますしね。

せっかくおうちにいらっしゃるんですから
学校では教えてくれない礼儀作法を教えたり
音楽、外国語、スポーツ、ダンス、プログラミング
大小の旅など、親子で楽しめる事柄も
たくさんある時代ですから、親子で色んな体験を
楽しむのもいいですね。
忙しくて姑どころじゃないわよ笑

いつも応援しています。
返信する

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