殿は今夜もご乱心

不倫が趣味の夫と暮らす
みりこんでスリリングな毎日をどうぞ!

チラシ知育

2015年04月13日 22時20分07秒 | みりこんぐらし
『写真はイメージです』



朝のワイドショーで「チラシ知育」というのをやっていた。

新聞と一緒に届くチラシを利用して、小さい子供の教育をするそうだ。

この教育を勧める人によれば、チラシは教育の宝庫で

そのメリットは安い所らしい。


例えばスーパーのチラシ。

買い物ごっこで、値段を足したり引いたりの算数

表示してある産地を日本地図と照らし合わせて社会

旬の野菜を探して理科…。

チラシ1枚で、いくらでも教育できるというわけだ。


チラシを使った教育なら、うちでもやってきた。

「今日は全品ポイント5倍の日。

派手に広告してるけど、全体的に見て品物はあんまり安くしてない。

ポイントが多く付く日は、裏があるのじゃ」

「ズルい~」

「それが商売というものじゃ。

ポイントで釣ってたくさん買うように仕向ける店と

ポイントを貯めて金券が出るのを喜ぶ客

売る方も買う方も笑顔になるのが商売じゃ」

わたしゃ、こんなことばっかり言ってきた。

そうか…同じチラシを使うなら、算数や社会をやればよかったんだ。

すでに手遅れ。


数日前にもやった。

毎週土曜日は、いつも利用する生協ストアのチラシが出る。

会社の帰り道にあるのと、客が少ないのでレジで並ぶことが無いため

買い物が早いところがお気に入りの理由だ。

子供達は、このチラシを私が楽しみにしているのを知っているので

ハイ、と渡してくれる。


「どうして生協ストアの広告が好きなの?

字だけで写真が無いのに」

彼らが問う。

「写真が無いから好きなんじゃ」

私は2人の前に、別のスーパーの華やかなチラシを広げる。


「この写真を見てごらん。

すみっこに小さく書いてあるじゃろ?

“写真はイメージです”って」

「ほんとだ!あっ!こっちにも…てか、全部に書いてあるじゃん」

「だから嫌なんじゃ。

イメージばっかりじゃあ、見ても仕方がない。

大事な想像力は、別のことに使いたい」

「それで生協ストアが好きなんだね」

「生協ストアは客も品数も少ないけど、真実がある」

「愛してるんだね、生協ストアを」

「うん」



チラシといえば最近、我が町を騒がせている怪文書がある。

表向きは市役所勤務の一職員が

上司の悪行を見るに見かねて暴露した告発文ということになっているが

噂では厄介な団体が作成して、ばらまいているという話だ。


厄介な団体さんも法律の改定で、近頃は活動しにくくなったようで

取り締まりが緩やかな思想的団体へと住み替えを始めた。

個人攻撃のチラシ配布は、寄付集めの一端である。


ターゲットになるのは、スネにちょこっと傷のある人。

その傷は、膨らましたり尾ひれをつけやすい種類のものが望ましい。

最も肝心なのは、ターゲットが金を持っていることである。


先日、そのコピーを入手した。

A4用紙の裏と表に、細かい字でびっしり書かれた長文だ。

私は家族一同に読み聞かせ、知育。


「市政に影響力のある皆様へ」

が、最初の一行でキレる。

「けしからん!

字が小さ過ぎる!

市政に影響力のある人なんて、年寄りばっかりなのに

老眼対策ゼロ!」


気を取り直して、再び読み進める。

内容は、市役所勤務のとあるえらいさんが

とっても悪いと言いたいらしい。


「けしからん!」

私は再びキレる。

「私服を肥やし…じゃなくて私腹だろう。

告発文と明言するからには、凡ミスは許されない!」


告発文は、職権を乱用して私服、いや私腹を肥やしているというえらいさんの

女性関係も糾弾している。

『女癖の悪い害虫』

『身近な女性に魔の手を伸ばし、毒牙にかけてきた』

『多くの女性を食い物にした不倫の常習犯』

このくだりで、私はまたもや「けしからん!」と叫ぶ。

「このキャッチコピーは、パパの専売特許だ!」


えらいさんも実名だが、毒牙にかかったという相手の名前も

実名で3人書いてあった。

そのうちの1人は、仕事の関係で知っている。

毒牙をポキンと折りそうなおばちゃんだ。


この実名がミソ。

真偽はどうでもいいのだ。

大変な迷惑がかかるのは明らかなので

ターゲットから“寄付”の集金がしやすい。


「けしからん!」

私は四たび叫ぶ。

「3人ぐらいで何が常習犯だ!パパを見ろ!」

家族一同、夫を見てうなづく。


「うちでは普通のことが、よその人だと脅迫になるんだね」

子供達は感慨深げに言う。

「その差は、金、地位、名誉など

失う物を持つ人間と持たない人間の差だ」

うつむく夫を尻目に、句読点の打ち方や改行の仕方を校正し

その日のチラシ知育は終了した。

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20 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
とばっちり (すみこはん)
2015-04-14 14:13:49
ヒロシさん、えらいとばっちりや~。
反論は出来ないけど、なんでいきなり俺が飛びでるんや~。
それにあっちは権力しか使いようがあれへんが、
俺は純粋な俺の魅力でものにした、純潔なる恋愛じゃ~、一緒くたにすな~!って内心地団駄ふんではる。
読ませていただいてるこちらは無茶苦茶面白いんだけど。

チラシで思い出すのは
昔、母が農作物を送ってくれる時に、チラシの裏に簡単な近況報告を書いて来たこと。
昔は片面印刷が多かったように覚えています。

前回記事の『縁』について、自分の縁を考えていたら
脳みそがグチャグチャしてきてコメント出来ませんでした。
 この人に引きつけられて今、自分はここにいるんだ、という出逢いは2回程。
 今も激しく後悔している再婚した相方との腐れ縁。
こう言うハッキリしたものでなくとも、
 以前自分がした事の答えらしいものがふっと目前に現れたり
 始めてみたものが、あの時のあの人に感化されていたのではないかと思えたり。
 危機一髪や、あの時の恥をさらさずに済んできたのは誰かに守られていたとしか思えないようなこと。
沢山あります。

でも
まだまだ高齢初心者のつもりだけど、ここまで生きて来ると
すべての『縁』がただの偶然、それでええじゃないと思えたりする。
偶然と割り切ってしまうのと、感謝する気持ちと、矛盾しているけれど
両方が同居している、現時点での私です。
返信する
片面広告 (みりこん~すみこはんへ)
2015-04-14 23:29:10
そういえば、昔は片面が多かったですよね!
チラシの裏に書かれた近況…素敵です。
母親から荷物が送られてくるのは、憧れでした。
もっとも、市内に嫁いだ私の場合
母親が生きていたとしても、あり得なかったと思います(笑)

縁と偶然、その時その時のフィーリングでいいと思いますよ。
死後の世界と同じで、死んだら全て終わると考える人と
意識だけが残ってあの世へ行くと考える人がいるように
人それぞれだもんね。
はっきり目に見えるわけじゃないしさ。

私のとりとめのない思い出話ですが、夫との縁を肯定できないうちは
全て偶然と思いたい気持ちが強かったです。
夫婦は縁と言うけど、これは絶対縁じゃない!
こんなに苦しくて辛いのは事故だからだ!
と一人で憤慨していました。
赤い糸を結び間違えられた気分で、リコール申請したかったわ。

今は縁だったと思っています。
良縁、悪縁と決められるものではなく、ひっくるめて縁。
長い間、周りの人達を見ているうちに、結婚って
そもそも苦しくて辛いものなんだとわかったのもあるし
夫婦の縁を事故だと否定したら
子供との縁も当然否定しなけりゃならない。
結び間違いで生まれた偶然の産物だったらフビンじゃん。
で、考えるのが面倒くさくなったので
どっちも縁で折れて手を打った感じ。

折れたからといって、いいことなんかありゃしない。
今まで通り、イバラの道さ。
だから考え方は人それぞれでいいと思うの。
もうね、足の裏、強くなっちゃって、少々のトゲじゃあ
痛くないね。

嫌な男は一生嫌な男のままですよ。
それでいいんです。
いつか、いつかと思わなくていいです。
亡くなると、どこの奥さんもなぜか
いいことばっかり思い出すらしいので
あんまりいいことが無いと、クヨクヨしなくていいから楽ですよ。

すみこはんは暴言や気ままによく辛抱していらっしゃいます。
周りに迷惑や心配をかけまいと精一杯明るくふるまう気持ちが
伝わってきます。
何もできませんが、応援しています。
返信する
専売特許(爆) (ユウキ)
2015-04-15 10:13:07
こんな笑い話にできるまでには
みりこんさんも息子さんたちも随分苦労されたでしょうに…
明るい家庭なのはみりこんさんのユーモアが多分に影響しているんでしょうね。
そして息子さんたちの絶妙な合いの手(笑)
私も見習って明るい家庭にしていきたいです!!
返信する
恋は命と同じ (婆姫)
2015-04-15 17:28:16
昔、恋は命と同じ なんちゃらという歌があったが
ヒロシ様にとってはそういうことなのかしら・・・・
生きているあかしなのかも・・・・

そのような物が証では配偶者はたまったものではないが!

そういう人は確かにいるよ・・・・

どこかの奥さんは良いことばかり思い出すそうだけど私は悪いこと嫌なことを思い出すよ。

ただ、他の人が聞いて、良い気持ちがすることではないので他人には話さない。
他人にはうまくよさげに脚色するのよ。
そして、そんなことまでして話したくないから、話さない。
そして、何も思わなくなる。かな

今は遺族年金ありがとう です

その後の男どもも大したやつとは縁がなかった。
どうも、あの程度の男につりあうのが私らしいと悟りました。

まーいっか の世界です。
返信する
とんでもない (すみこはん)
2015-04-15 20:24:28
そんな男『銭(じぇにこ)』だと思っとけば良いのよ、って教えて貰ったことは
凄くスッキリしましたし
よく頑張っていますよって言って貰えることには凄く救われています。
ホントに有り難う御座います、です。

先日、車の盗難にあいましてね。ビックリです。
市内でハイブリッド車が狙わて、多発しているようです。
運転する男は次の新車を選ぶだけで、あとの諸手続は私が走っていますよ。

そんな程度の男の横にいる私も所詮その程度かぁ。
婆姫さんに激しく同意、です。
返信する
明るい家庭 (みりこん~ユウキさんへ)
2015-04-15 22:46:27
母親次第だと思いますね。
ユウキさんのおうちも明るくて楽しそうよ!

これでも若い頃は、何でも深刻に受け止めて
カッコつけてたのよ~。
自分がシリアスに向いてないとわかったのは、中年以降ね。

絶望するのはわりと簡単だけど、絶望しないで笑い話にするには
初動にちょっとだけ技術がいる。
「これを喜劇にするにはどうリアクションするか」
これ覚えてからは、人生が面白くてね~。
どうにもなりそうにないことでも、必ずどうにかなるから。
家族の我慢に甘えて、自分だけ楽しんでいる気もするけど(笑)
返信する
懐かしのメロディ (みりこん~婆姫さんへ)
2015-04-15 23:13:09
U+2669恋は~命と同じ~ただひ~とつの~も~の~U+2669
「禁じられた遊び」
子供の頃、よく歌いましたっけ。
そそ、命だから取り上げたら死ぬの。
ただ一つのものじゃなく、たくさんあるようだけどいいの。

故人を思い出して、人をつかまえては長々と話す
夫を亡くした奥さん…
うちにも隣にもいらっしゃいます。
生前は恨んで憎んで忙しそうだったけど、死後は二階級特進。
いい話も悪い話も、同じ話はもう勘弁してくれ…
頼むから一人で偲んでくれ…(笑)
多分あれは高齢による暇と孤独から来るものだと思います。

で、私は考えた。
2人を直接話し合わせて、自分は抜けようと。
が、ダメだった。
お互いに言いたいばっかりで、聞くのは嫌。
しかも年が近いとライバル心が出て格好つけるから
話したい気持ちが満たされない。
失敗。

添う相手って、やっぱり同じような相手になるようですね。
私は誰と結婚しても同じだと確信持ってます。
返信する
じぇにこ(爆) (みりこん~すみこはんへ)
2015-04-15 23:21:15
そうよ、じぇにこが第一よ。
父ちゃんの年金を愛して恋して、それでいいのよ。

車の盗難!
そりゃ大変でしたね~!
ハイブリットは狙われるのか~!
やっぱ燃料費が少なくて人気があるからかしら。
新車選ぶだけの人も一緒に盗んでくれれば良かったのに。
すみこはんが無事で良かったです。
返信する
チラシ知育 (おかよ)
2015-04-16 22:09:24
お久しぶりでございますう~o(^o^)o私細々と生息しておりました。知育ね~。今、たくさん知育玩具とかあるじゃない?で、うちもついつい買ってしまったりしたのよお~(* ̄ー ̄)でも、な~んの役にも立たないわあ~。子供の手にかかると、え~これ何ですか?と言わんばかりに手に取りとりゃ~と投げております。悲しい(T-T)まだまだこれからじゃな。出し惜しみするタイプらしくなかなかお喋りせんのよ~。気がむかんのじゃな~o(^o^)o
返信する
知育玩具 (みりこん~おかよさんへ)
2015-04-17 10:26:28
あったね~!
うちも同じ反応だった(笑)
色々買い与えたけど見向きもせず
兄はヒーローものの人形一筋。
しまいにゃ塗装がはげて白くて小さいマネキンとなり
これ、誰ですか~?状態。
弟は車関係一筋だったわ。

言葉、まだ出ませんか~。
男の子は遅い子いるからね。
うちの次男もかなり遅かった。
出産と同時に同居が始まって、夫や親のことで泣き暮らしながら
朝から晩まで家事労働。
それでも「働かない、動かない」と言われちゃ落ち込んで
死なずに生きるので精一杯、子供のおしゃべりまで
気が回らなかったね。

3歳児検診で言葉の遅れを指摘されて、初めて知ったよ。
そういや静かだな、この子…と。
「耳や脳に異常は無いようなので、2人でいる時間を取って
できるだけ話しかけてあげて下さい。
ハサミを使わせたり絵を描かせたり、手先の訓練もしてください」
25年くらい前だから、今はどうかしらないけど
その時はそう言われた。

でもその時間が取れなかった。
労働もだけど、泣いたりクヨクヨするのに忙しくてさ(バカか)。
この上、子供の言葉のことでも悩まなきゃならんのか…
そのことでまた親にゴチャゴチャ言われなきゃならんのか…
と目の前が真っ暗だったわ。

しゃべったのは、それからさらに後。
4才に近かった。
車で買い物に行く途中にかけていた
ユーミンの「春よ来い」を聞いて「この歌が好きじゃ…」
とつぶやいた。
以後、突如としておしゃべり坊や誕生。

今は仕事しながら配車と営業もやってる。
スマホ3つ持って、口で仕事してんの。
松木氏よりよっぽど仕事取って来る。
それを松木氏が何とか自分の手柄にしようと画策する。
工場長だけじゃダメらしいわ。
その見苦しい手口に、我が家のおしゃべりはさらに盛り上がる。

うちの妹は幼稚園の先生だから、子供の脳をめっちゃ刺激してたね。
お天気がいいと、弁当作って公園で遊ぶ…
子供が何かたずねたら、家事の手をその場で止めて
しゃがんで熱心に質問を聞く…
ハサミもお絵かきも早くからバッチリ。
字も算数も教え込んで、優秀な幼児だった。

が、小学校に上がるまでおしめが取れんかった。
妹は子供を扱い慣れているので気長に待ってたけど
こういうことで悩むお母さんもいるだろうと思うわ。
色んな子供がいるものよ。

その子は今、ナースマン。
学業成績も優秀で、妹は「天才を生んだみたい!」
と豪語してたわりにはノーマルだったわね。
よく考えりゃうちの家系だもん…
博士や大臣ってわけにはいかんわね。

人間は大人になってから、ありがとうとごめんなさいが
言えりゃいいのよ。
おかよさんらしく、大らかに子育てしたらいいと思うね。

ただ、言葉の遅かったうちの次男はおっとりさんで
リズム感があまり無いかな?と思います。
最も困難だったのは学芸会や運動会の踊り。
私が幼稚園の役員してたので、わりと目立つことを
させてくれるんだけど、かえって気の毒な結果に(笑)
で、小学校に上がってからは劇がある。
どうなることやらと案じていたら、芝居はうまいんだ、これが。
病気の娘のためにアズキを盗んで人柱にされる父親役に
みんな泣いたね。
得意分野って、それぞれあるみたいよ。

以上は前にも似たようなこと話したけど
子供の言葉に反応して、ついまた長々としゃべっちゃった。
ごめんちゃいね!
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