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大人のチラシ知育・1

2020年10月31日 08時15分29秒 | みりこんぐらし
先日、5年前の記事のコメント欄に、モモさんからのご要望があった。

それは2015年4月13日にアップした『チラシ知育』の記事。

新聞にはさまっているチラシ広告で子供に教育をするのが

話題になっているというが、うちでは前からやっとる…という内容で

ちょうどその頃、市内に怪文書が拡散されていたので

それについて家族で話し合い、添削したことを書いたものだ。

古い記事を読み返してくださるのは、とてもありがたい。


「良ければ、ご家族で実践されている大人版チラシ知育があれば

記事にして下さい」

モモさんがおっしゃるので、ホイホイと承知。

チラシ知育と呼ぶには毒があり

知育を受ける子供は、すでに子供でなくオジさんだが

うちはほぼ毎朝、新聞にはさまっているチラシについて話すからだ。


息子たちは、朝起きるとチラシをチェックするのが習慣。

まず、通販のチラシが入っていないかを見る。

そして通販好きの義母ヨシコが買わないように

彼女が好む健康食品や化粧品のチラシを捨てる。


それは意地悪や、祖母のためを思ってではない。

通販を利用すると、家の電話が頻繁に鳴るようになる。

買った会社からの電話だけでなく、全く別の通販会社や保険会社からだ。

息子たちが夜間の出勤を控え、仮眠を取っているところへ

たびたび電話がかかると安眠妨害になるのだ。

個人情報を守るだの何だのと言っているが

タチの悪い所は裏で繋がっていて

財布の緩い人間の情報を共有しているからだと思う。


それだけでなく、ヨシコは通販会社からの電話で

家の中のことをしゃべりまくる。

息子たちの年齢や独身というのをしゃべっていて

これはいけませんわ、と思っていたら

数日後にかかってきた電話は結婚相談所からだった。

出会いをプロデュースするのだそう。


ヨシコに通販をやめろと言って素直に聞くような女なら

とっくにあの世へ行って

「いいおばあちゃんだった」

そう懐かしがられていることだろう。

通販のチラシを捨てたところで

テレビ通販もあるんだから止めようは無いが

息子たちにとってはささやかな抵抗なのだ。


通販のチラシを捨てる前には、送料と代引き手数料に着目する。

「今なら半額」「20パーセント割引」など

商品の安さを強調しているものは、たいてい送料と代引き手数料が高い。


昔、事務の仕事をしていた頃の話だが

包装ができるのと、手違いの際のお詫びが得意な私は

シーズンになるとギフト関係の事務を担当していた。

その時に知ったが、宅配の送料は宅配会社との契約次第でどうにでも変わる。

大量発送が見込める法人、つまり会社は

一般の人がたまに送る荷物の値段と全く違う価格設定になるのだ。


あくまでその当時の認識だが、それで考えると

小さい瓶1本や、手のひらサイズの箱1個で860円の送料は高すぎる。

本当は宅配会社との契約が200円くらいで

残りは通販会社の儲けではないのかと怪しむ。

商品と送料のダブルで利益を得るなら、そりゃ笑いが止まらんわ。


宅配会社の方は、送料を値切られて泣いた分を

代引き手数料で取り戻すのでは、と怪しむ。

そして買う方は、商品の価格だけに目が行き

送料と代引き手数料は別物と思い込んでいるからノーマーク。


通販は、怪しむくらいでちょうどいいのだ。

消費者の方も、通販とは商品と送料

そして買う人によっては代引き手数料をプラスした値段だということを

頭に入れて買い物に臨んでもらいたい。



こうして通販のチラシが排除され、残った数枚のチラシは

朝ごはんのお供として我々の餌食となる。

求人広告では、毎回出している会社の悪口。

「掲載料を出してまで求人をする所は、辞める人が多いブラック企業」

と決めつける。

つまり、どの仕事もブラックということになる。


そして掲載されているどの仕事も大変そうで、そのわりには賃金が低い。

田舎は人口が少ないので会社の所在地もわかるし

会社によっては勤めている人や、勤めていた人を知っていることもある。

おしなべて評判は良くない。

しかし、チラシに載るような所へ勤める人は

転職を繰り返す人が多く

転職を繰り返す人が、会社を良く言わないのも事実である…

そのようなことを話し合う。


現在のブームは、車のリースのチラシ。

20年ほど前だろうか

「月々1万円で新車の軽に乗れる!」をうたい文句に

一般向けの軽自動車のリースが出たことがあるが

それ以外は車のリースといえば、会社法人が対象だった。


なぜ法人が対象だったかというと、月々支払う金額が高いからだ。

車種によって異なるが、一般的な普通車でアパートの家賃程度は必要になる。

これをサラリーマンが、月々の給料から支払うのはきつい。

リース料を自分の財布でなく、会社の経費で払える法人でなければ

取り組みにくいシステムである。


それが近年、各自動車メーカーから

頻繁にリースのチラシが入るようになった。

新聞にはさまっているからには、れっきとした個人向けだ。

長引く不況で車が売れなくなり、メーカーはとうとう

若い経済オンチにまで顧客の幅を拡大したようだ。

我々はこれを憂慮して、朝っぱらからあれこれと話し合うのだった。

《続く》
コメント (4)
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