殿は今夜もご乱心

不倫が趣味の夫と暮らす
みりこんでスリリングな毎日をどうぞ!

不倫の意味・2

2010年05月03日 13時29分09秒 | 前向き論
なぜ不倫が悪いか。

道徳上、人を泣かせてはいけないのは、皆知っている。

これは天災などの不可抗力ではない。

意思で制御可能なところを

結果がわかっていながら、あえて実行するから悪なのだ。


では、バレさえしなければ、泣く者がいないからいいのか。

違う。

バレるバレないに関わらず、家族にももちろん

社会に対する重大な背徳行為をしっかり行っている。


不倫には、経済的発展性が無い。

家庭では、離婚、完全別居、家庭内別居で収入が二分され

将来への不安も手伝って、消費の拡大が望み薄となる。


不倫中の者は、家族との外出を減らし、代わりに浮気相手と出かける。

外食ひとつとっても、家族で行けば数人分の消費のはずが、2人分になる。


その店が感じが良くて、味も良かったとする。

しかし、それを誰かにしゃべれない。

噂が広まったり、知り合いが出入りするようになると困るからだ。


中にはしゃべりたがる者もいようが

そんな者の言うことに、心から耳を傾け、その上実際に行く人は少ない。

よって、口コミの効果も望めない。

こんなわずかなことでも、多くの人がやると影響が出る。


まともな人は、無意識でありながら

畜生と自分との間に、きちんと線引きをしている。

防衛本能の一種である。


だから畜生は、じわじわと孤独になってゆくのだ。

親しいようでも、どこか遠巻きにされているような

表向きでははっきりしない、もどかしい孤独が

さらなる焦りと飢餓を生むことに、気づく者は少ない。


不倫をしていると、精神が安定しないので、仕事のミスも増える。

常に相手のことをもやもやと考え、ぼんやりする。

相手以外は皆、かすんでつまらなく見え、どうでもよくなる。


その時期が過ぎると、今度は

自分の現在の状況が、それほど満足のいくものではないことに気づく。

なんとなく不安で、落ち着かない。

どっちにしても、魂がお留守になるのだ。


手放しで恋だけしていればよい、独身同士の「さらっぴん」とは

明らかにペースが違う。

不倫だと、仕事に加え、家庭の雑事も同時にこなす必要があるし

双方の都合を合わせる必要があるわ、相手の家庭が気になるわ

オープンじゃ興ざめだから、一応秘密にしなきゃならんわ

それでもちょっとは周囲に勘づいてもらいたいわ…何かとせわしい。


ぼんやりしているのに、せわしいとなれば

そこに様々なアクシデントが生じやすくなる。

仕事の能率を下げ、そこにいるだけで反経済活動を促進する。


不倫が増えると、離婚も増える。

児童扶養手当や生活保護が、公の財政を圧迫していることは、周知の事実であるが

最も深刻なのは、親の縁が変わり、翻弄される子供が増えることだ。


新しい父親、母親に虐待される子供の何と多いことか。

殺されたり、病院送りにならなくても

人知れず戸惑い、悩み、苦しむ子供はいる。

これで天真爛漫、素直で良い子に育て…というのは、あまりにもむごい。


だからせめて、母親だけでもしっかりしてもらいたい。

浮気部門は、借金部門や暴力部門と違い

母親の裁量だけで、コントロールが可能である。

子供は実際問題、痛くもかゆくもないからだ。


もうけっこう、さいなら…とすぐに言える心境と条件が

揃っていればいいが、そうでないほうが多い。

母親は、再出発するなら少しでも若いうちに…という焦りと

なかなかつかない決心の間で揺れ動く。

これが苦しい。


生命に関わるひっ迫した状況でなければ

進退の決心がつかないうちは、動かないほうがいい。

心境や事情で動けないというのは、今のままの自分では

やり直しでなく、繰り返しになるよ…というサインだ。


あらゆる手立てを講じ、勇敢に戦った戦士に悔いは無い。

その境地で下した決断こそが、正しいのである。

悔いのない判断には、新しい運命がそっと手をさしのべてくれる。

子供を絶望の淵に追い込むことは避けられよう。


ここで断っておくが

昔から、ごく少数の選ばれた者には、不倫をする資格みたいなものがあった。

家庭と仕事の往復だけでは生まれない世界を表現する

芸能人、芸術家などだ。


それから、政治や経済で国を動かすような大きな役割りを担う者。

有り余る体力に加え、スケベ心から生まれる柔軟な発想

人たらしの才能を持つ人材も必要なのだ。

皆が皆、生真面目な四角四面では、事がうまく運ばない。


ただし、そのような人間は、快楽の後始末も出来た。

妻子にも、愛人にも、経済的に充分なことがしてやれたし

本人に魅力があって、人から好かれた。

たとえ非業の死を遂げようとも、その覚悟は常にあった。


そんな人々が、要所要所にポツポツと配置され

多くの清い人間の勤勉とまごころとが合わさって

日本国家は運営されていた。

だからこそ、資源の少ない小さな島国、しかも敗戦国でありながら

他国の植民地となる憂き目にも遭わず

独自の伝統と文化を守って、先進国の道を歩んで来られたのだ。


ところが、我も我もと、一般コモノがこの真似をするようになって

このバランスが崩れた。

コモノには、小さな快楽を大きな知恵に変換する能力が無い。

後始末が出来ないので、泣く人間を増やす。


好き勝手をしているのだから、機嫌良く遊んでいればいいものを

コモノ自身も、なぜか面白くない。

思い通りにいかないのを周囲のせいにし、いら立ち

おこがましくも、あらぬ方向を恨む。


それら憎悪の念は、社会に渦巻く。

これがあなどれない。

憎悪の念が、各所で発信地となり、無関係の人にも影響をおよぼす。

人心をすさませ、やる気をそぎ、不機嫌を招き、いさかいを誘発する。


不況だ、大変だと騒いでいるが

不倫人口の増加と、まんざら無関係ではないと私は考える。

生きながら地獄に堕ちた畜生が、活力ある豊かな日本を作れるはずがない。

不倫とは、まさに亡国の大罪であるといえよう。


                 完
コメント (30)
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