殿は今夜もご乱心

不倫が趣味の夫と暮らす
みりこんでスリリングな毎日をどうぞ!

どっちもどっち

2009年10月13日 11時05分09秒 | みりこんぐらし


時期はまだ先だが、我が市の市長選が予定されている。

昔から、市長には金持ちのボンボンがなることに決まっていた。

そこに群がる魑魅魍魎が、身内や知り合いを優遇した市政を展開する。


誰が市長になろうと関係ない。

なりたい人がなる。

我々一般市民は、それが当たり前だと思っていた。

世の中も、それでつつがなく回っていた。


ところがここに来て平成の大不況。

市は順調に衰退の一途をたどり

トップにもリーダーシップや経営能力が問われる時代となった。


どこも似たようなものであろうが

人口も税収も減り、雇用先もほとんど無く

上向きなのは老人比率だけ…

我が市の状況を考えると、名誉だけ欲しがるお人形を

おおらかな心で据えておくのは難しくなってきたかもしれない。


最近、連続当選中の市長に異議を唱える者が出て来て

この分だと次の市長選は、市を二分しての一騎打ちになりそうだ。

無能だが身辺の清い市長と、やり手だが女癖の悪い対立候補。

どっちがいいだろうか。

どっちもどっちか。


「このさい女癖には目をつぶったらどうだろうか…」

こういうことには甘い夫。

「家庭ひとつ平和を保てない者が市どころの話では…」

奥さんも現愛人も知り合いの私。


結論が出ないので、取り巻きの顔ぶれを見る。

「あっ!市長の方はオレの大嫌いなHがいる!」

前の選挙を手伝ったことで出世し

勘違いしている横柄な嫌われ者だ。


「あっ!対立側にはもっと嫌いなSが!」

自分ちの商売がさっぱりなので、この機会に起死回生を狙う

これまた嫌われ者。

どっちもどっちだ。


夫と政治談義をするのは、なかなか面白い。

なにしろヒマなので、若い時から選挙カーの運転経験が豊富。

田舎では、自営業の2代目は選挙活動に駆り出されるのが常識なのだ。

よって候補や陣営の人となりには、私より詳しい。

政策すなわち人であり、人すなわち取り巻きであるという面では

意見が一致している。


夫のみならず、私もうぐいすとして

それぞれ選挙活動に深く関わる機会が

人様より少し多い。

しかし、それによって得をしたことが一度も無いのが

かすかな誇りである。

いやむしろ、選挙で得をする人間にだけはなりたくないと

強く思っている。


昔のようにはいかないが

非日常的な興奮状態の中、おいしい話のひとつやふたつ

転がっているのが選挙だ。

それを目当てに集まって来る者も多い。


日当をもらっておきながら、この上

商売や就職などで世話になろうという根性が嫌なのだ。

男でも女でも、必ずいる。

候補にはもちろん、そこで知り合った誰かに取り入るヤツが。


だから選挙は、終わった後が面白い。

のこのこ転職して、何年か後に風向きが変わると冷や飯…

なんてのを見るのも楽しい。

誰かの世話になったら、楽しめないじゃないか。


話が来ても断る。

そして自分で探した病院なんかに就職してエライ目に遭う…

我ながらバカだ。


夫なんて、日当ももらわないことが多い。

義父は、支援する候補に息子を差し出すのが喜びらしい。

もちろん、それで仕事上良かったことは何ひとつ無い。

あったら経営はもっとマシであろう。


差し出される夫のほうも、選挙が好きなのか運転手が向いているのか

声がかかると喜んで行く。

やっぱりバカだ。

夫と私…どっちもどっちである。



さて、文末で恐縮ですが

私のお粗末なブログも、今日でちょうど1周年となります。

コメントしてくださる皆様、読んでくださる皆様

いつも本当にありがとうございます。

感謝しています…ぺこり。
コメント (22)
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