「I子は、結婚結婚言ってましたけど
父は六十過ぎですから、やはり後のことも考えるでしょう。
それに…I子の死んだ旦那さんは一人息子で
一家が死に絶えたので
本人や、前の奥さんのを始め
東京から位牌をたくさん持って帰っているんです。
父は若作りしていても年寄りですから、ややこしいことは嫌うんです」
その位牌たっぷりのおうちへ
今度は夫がお招きいただいてるのね…
「死んだ旦那さんのことは
前の奥さんから奪ったと自慢げに話していました。
離婚話が進んでいる最中に
奥さんと子供三人が交通事故でいっぺんに亡くなったんです。
それですぐに結婚したけど
二年後、旦那さんがジョギング中に頓死したのは
その命日だったそうです…」
「いわく付きの女ですわよ!」
奥さんが合いの手を入れます。
この二人の息のぴったり合っていること!
娘を持たない奥さんと、母親のいない娘さん…
双方がお互いを肉親のように思っているのが伝わってきます。
それはけっこうなことですが
この人たちの親子ごっこや探偵ごっこにつきあわされる我が身の因果…。
娘さんはなおもしゃべり続けます。
「遺産とかヘアメイクとか、すぐ言いますけど
不動産関係なので財産より負債がすごくて
相続は放棄したんです。
一文無しですよ。
東京だの芸能界だの、でまかせを言っては人の気を引いて
会社を持ってる結婚相手を探すんです。
田舎の人はそういう話題、喜びますからね」
はい…大変喜んだ父子が…
「父が別れたのも、自分が後妻だと自己紹介したり
通帳や実印を管理したがったりで、手に負えなくなってきたからです」
「そうなんですか…。
お父様が怒って電話をかけてこられたことがあったので
取り合いしているのかと…」
「あぁ…それは、顔見知りなので一応止めたと言っていました。
でも、ご主人にとぼけられたので、少しこじれたようです。
父も頑固ですから…」
奥さんがハンカチをもみながら言いました。
「トランプの…ババみたいな女ですわ。
あちこちの事業主を狙って、どこかに収まるつもりなんですのよ」
そのババが今、うちの番でござんすね…
送金を指定した大阪の住所は、I子の妹の嫁ぎ先ということもわかりました。
「母親も、妹も一家でグルなんですのよっ!
そういう人たちなんですっ!」
二人は話すだけ話すと満足したのか
「あら、もうこんな時間…ランチの予約が…」
と写真のことは忘れて帰って行きました。
ほっ…
うれしげに写真持って回られた日にゃ
また巡り巡ってこっちが嫌な思いをすることになるのです。
何年も経って、ひょっこり子供たちの耳に入るかもしれません。
興味本位の暇潰しに探偵ごっこをされたんじゃあ困るんです。
それにしても…みんなとりあえず水際で食い止めてるじゃん…
しっかり罠にかかったのはうちだけかぃ…
魔性だろうがババだろうが、どうでもいいのです。
この上は、しっかりくっついてもらって
死ぬなり呪われるなりご自由に…。
しかし、親はそうはいきません。
娘と出かけていた義母が帰宅したので
義父は二人で長い間、相談していました。
なんとかして連れ戻したいようでしたが
私には何も言わないので、知らん顔をしていました。
父は六十過ぎですから、やはり後のことも考えるでしょう。
それに…I子の死んだ旦那さんは一人息子で
一家が死に絶えたので
本人や、前の奥さんのを始め
東京から位牌をたくさん持って帰っているんです。
父は若作りしていても年寄りですから、ややこしいことは嫌うんです」
その位牌たっぷりのおうちへ
今度は夫がお招きいただいてるのね…
「死んだ旦那さんのことは
前の奥さんから奪ったと自慢げに話していました。
離婚話が進んでいる最中に
奥さんと子供三人が交通事故でいっぺんに亡くなったんです。
それですぐに結婚したけど
二年後、旦那さんがジョギング中に頓死したのは
その命日だったそうです…」
「いわく付きの女ですわよ!」
奥さんが合いの手を入れます。
この二人の息のぴったり合っていること!
娘を持たない奥さんと、母親のいない娘さん…
双方がお互いを肉親のように思っているのが伝わってきます。
それはけっこうなことですが
この人たちの親子ごっこや探偵ごっこにつきあわされる我が身の因果…。
娘さんはなおもしゃべり続けます。
「遺産とかヘアメイクとか、すぐ言いますけど
不動産関係なので財産より負債がすごくて
相続は放棄したんです。
一文無しですよ。
東京だの芸能界だの、でまかせを言っては人の気を引いて
会社を持ってる結婚相手を探すんです。
田舎の人はそういう話題、喜びますからね」
はい…大変喜んだ父子が…
「父が別れたのも、自分が後妻だと自己紹介したり
通帳や実印を管理したがったりで、手に負えなくなってきたからです」
「そうなんですか…。
お父様が怒って電話をかけてこられたことがあったので
取り合いしているのかと…」
「あぁ…それは、顔見知りなので一応止めたと言っていました。
でも、ご主人にとぼけられたので、少しこじれたようです。
父も頑固ですから…」
奥さんがハンカチをもみながら言いました。
「トランプの…ババみたいな女ですわ。
あちこちの事業主を狙って、どこかに収まるつもりなんですのよ」
そのババが今、うちの番でござんすね…
送金を指定した大阪の住所は、I子の妹の嫁ぎ先ということもわかりました。
「母親も、妹も一家でグルなんですのよっ!
そういう人たちなんですっ!」
二人は話すだけ話すと満足したのか
「あら、もうこんな時間…ランチの予約が…」
と写真のことは忘れて帰って行きました。
ほっ…
うれしげに写真持って回られた日にゃ
また巡り巡ってこっちが嫌な思いをすることになるのです。
何年も経って、ひょっこり子供たちの耳に入るかもしれません。
興味本位の暇潰しに探偵ごっこをされたんじゃあ困るんです。
それにしても…みんなとりあえず水際で食い止めてるじゃん…
しっかり罠にかかったのはうちだけかぃ…
魔性だろうがババだろうが、どうでもいいのです。
この上は、しっかりくっついてもらって
死ぬなり呪われるなりご自由に…。
しかし、親はそうはいきません。
娘と出かけていた義母が帰宅したので
義父は二人で長い間、相談していました。
なんとかして連れ戻したいようでしたが
私には何も言わないので、知らん顔をしていました。