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 僕のほそ道   ~ のん日記 ~

  
これと言ったテーマはなく、話はバラバラです。 つい昔の思い出話が多くなるのは年のせい? 

 耳鳴りの経過報告

2008年08月01日 | 心と体と健康と

今日から8月。日のたつのが早い。定年退職まで、あと8ヶ月を切ってしまった。
それにしても…毎日、暑い。暑すぎる。
ジージージーとうるさいセミの鳴き声が、体感温度をますます強めていく。

しかしそれ以上困ったことに、僕の耳の奥で鳴くセミには季節がない。耳鳴りが発症した昨年9月以来、秋が通り過ぎ、寒い冬が訪れ、年が移り変わり、やがてさわやかな春風が吹き抜けるようになり、新緑が広がり、梅雨が過ぎ去り、灼熱の太陽が大地をジリジリ焼き焦がすようになっても、ず~っとず~っと僕の耳の奥にはセミが棲みついていて、キンキンジージーと絶えず騒ぎ立てている。夜寝る前のシーンとした静かさの中では、その音がさらに大きく感じられて、つくづく辛いものを感じる。

そこで一句…

   静かさや 耳にしみ入る 蝉の声

そんな「耳キンキンジーンジーン現象」に悩まされながら、はや10ヶ月がたった。

30日はTRT療法のため、大手前病院の予約日だったので、今回は休暇を取って、Tシャツ姿の気楽な格好で病院の検査に出向いた。6月4日以来約2ヶ月ぶりである。午前9時半の予約だったので、9時過ぎにいつもの言語聴覚室の前のソファに座り、阿刀田高の文庫本を読みながら名前を呼ばれるのを待った。しばらくすると、僕の前に検査を受けていた女性が部屋から出てきた。yukariさんである。

「あ、こんにちは~」
「暑くなりましたね~」

離れたところで待っておられたyukariさんのお母さんも来られて、例のごとく、待合で3人でおしゃべりをした。僕が以前に蔵書を処分したことに話題が及び、お母さんもyukariさんも、大の本好きだとおっしゃった。同じ本でも若い頃に読むのと後年に読むのとでは、感じ方が違い、その都度、新たな感動を味わえますよ、とお母さん。水上勉の「越前竹人形」を、これまで何度も何度も読み返されたそうだ。

話に花が咲いている途中、(変な言い方だけど)話の腰を折るように、部屋のドアが開き、僕の名前が呼ばれた。いつも思うのだが、耳鳴りのように科学的に明確に解明できない症状を持っていると、医師や検査技師さんよりも、同じ症状を持つ者同士の体験談を交わすほうがよほど参考になり、説得力がある。呼ばれて言語聴覚室に入り、検査技師さんと向かい合ったとたん、僕のテンションは急に落ちた。

「yukariさんと、お知り合いなのですか?」と技師さんが切り出した。
僕らが親しそうに話していたのを目にすれば、誰でもそういう疑問が生じるだろ。
「えぇ。よく知っていますよ」と僕。
「そうですか」と技師さんは、どこでどう知り合ったのか聞きたそうな顔をした。
「ネットです。『耳鳴り治したい』という掲示板的なサイトがあったので、そこでyukariさんと知り合いました。大手前病院のTRTは、そこでは有名ですよ」
と、僕は少~しだけ種明かしをした。
「耳鳴りのホームページを、持たれているのですか?」と僕に尋ねる。
「いえ。他の方のホームページです。僕は持っていません。でも、そのホームページでは、大手前病院のTRTは、なかなか評判がいいみたいですね」
と付け加えることも僕は忘れなかったが、
「まあ、やっているところが少ないですから」
と、実直そうな技師さんは、関心が薄い様子で感想を述べた。

僕の現在の耳鳴りの症状としては、まだまだ「慣れる」までにはなっておらず、未だに心の不安が募ると、音も大きく感じ、不覚にもそれにおびえることさえある。耳につけるTCIも、1日中ほとんどつけており、外すと耳鳴りが辛く感じることが多い。何かに集中したり楽しみを見つたり、リズミカルな生活を送ったら耳鳴りは改善すると思う。思うのだけれど、気分や体がなかなかその方向へ向いてくれない。まあ、今後もそういう努力は続けていきたいと考えている…。そんなことを僕は言った。技師さんはうなずきながら手元のパソコンに何かを打ち込んでいるが、その指も、以前のようにはめまぐるしい動きは示していなかった。お互いが持つ情報は、もう出し尽くした…という感じも、しないではなかった。

「今日はお休みですか?」と、技師さんは僕の軽い服装を見て、話題を転じた。
「仕事にゆとりができたので、夏休みをもらいました」
「へぇ~、羨ましいですね。病院はお盆休みとかもありませんしねぇ」
(お盆休みは、役所にもありませんけどね…と、僕は心の中でつぶやく)

そんなやりとりもすぐに途切れ、話は早くも、今後はどうするかという最終段階に突入した。入室して15分ぐらいしかたっていなかった。

「もう、あなたの場合は耳鳴りについてもよく知っておられるし、自己管理でも十分いけるのかなあ、と思うのですが…。どうします? 次も予約をしますか?」
「そんな、ツレないことを…。ここへ来させてもらうのが、安心の源ですから」
「そうですか(と笑う)。じゃぁ、いつごろがいいですか…?」
「いつごろ…ねぇ…。ふ~む」僕は腕組みをして壁のカレンダーをにらんだ。
しくじったなぁ。その日は仕事を休んだので、手帳を持って来なかったのだ。
仕事の予定がわからないので、いつにしたらいいのか迷っていると、技師さんが、
「あのぉ…。yukariさんは10月×日の9時から予約されています。その日の9時半は空いていますけど。そこにしますか?」と言ってくれたので驚いた。見かけによらず、粋な計らいをしてくれる人なのだね。

「へぇ、そうなんですか。じゃぁ、その日に予約をお願いします」
そう答えたら「では取っておきます」と技師さんは表情をやわらげ、
「その直前に、耳鳴りの学会がありますので、何かいい情報をお伝えすることができるかも知れませんし」と言い添えてくれた。根は親切な人なんだなあ。

たぶん、10月×日も、今日とさして状況は変わっていないものと予想される。
技師さんとは、また軽い会話だけで終わると思うけれど、それも悪くないだろ。
数ヶ月に一度顔を出すことで気分が安らぐし、yukariさんたちとも会えるからね。

廊下に出て、さっそく僕の職場の庶務担当者にメールを送った。
「10月×日は何もなかったですか?」
すぐに返事が来た。
「何もありません」
あぁ、よかった~。


  …………………………………………………………………………


*最近、役所で親しくしている2人の人が耳に異常を訴えて休んでいる。
 ひとりは、突発的難聴と診断され、自宅療養を続けている。
 もうひとりは「ひどい耳鳴り」に襲われ、本人の希望で入院中だ。
 現在、病室でステロイドの点滴を受けているとのことである。
 ステロイドで耳鳴りが治る確率はきわめて低いと言われているが、
 その結果どうなるか、強い関心がある。推移を見守っていきたい。
 

*アナザービートルさんの奥さんが広告で耳鳴りを治す「ナリピタン」
 という薬のことを知って、僕に教えてくださった。いつも気にかけて  
 いただき、ありがたいことです。ただ、「ナリピタン」は試しましたが、
 全然効きませんでした。yukariさんも効かなかったと言っています。
 「ナリピタン」という名前も、「ナリヤマン」に変えたらどうかと、
 僕は小林製薬の宣伝部に提言するため、手紙を書いているところです。

 

 

 

 



 

コメント (12)
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