このごろ「〇〇のドン」と呼ばれる人物がニュースを賑わせている。
まず、日大のドン。
昨日、日大悪質タックル問題で、日大が設置した第三者委員会の記者会見が行われ、最終報告が発表された。問題の背景には、アメフト部の指導体制に対するガバナンス(統治)の欠如があった。そして田中理事長がこの件を他人事のようにして、適切な対応を行わなかったことから、「反省と謝罪を含めた自らの説明責任を果たすべき」と指摘したようだ。しかし、田中理事長の進退は本人が考えることであり、処分は大学側が決めること、という結論だったわけで、つまり田中理事長の進退・処分については言及しなかった。田中理事長は一貫して「会見はしない」と言っており、報酬の一部を自主返納したという。それで責任を果たしたと考えているんでしょうかね、この人は。
第三者委員会も日大が設置したもので、純粋な「第三者」と言えるかどうか怪しいものだけど、世間の非難を浴びないように、いちおう田中理事長を批判するだけはして、しかし進退や処分には触れない、という苦しい結論だったのだろうと推測する。
田中理事長は見るからに「ドン」という感じで絶対権力者そのもののコワい感じだ。暴力団の組長との2ショット写真もあるが、理事長の風貌や体格、態度を見ていると、本物の暴力団よりこっちの方が暴力団みたいだ。さっさと理事長の職を辞めたらいいと思うんだけど、「オレはアメフトと関係ないもんね」というスタンスを崩さず、辞める気は毛頭ないようだ。
そんなとき、今度は日本ボクシング連盟の山根という会長が批判を浴びている。この山根会長も「ボクシング連盟のドン」と呼ばれているそうだが、オリンピック強化選手に支給される助成金を不適切に使っていたというのが主な理由だ。2年前のリオ五輪のボクシングの代表選手の口座に240万円が振り込まれたが、会長から五輪とは関係のない別の2選手と分けろと命じられ、代表選手はイヤとは言えず、それぞれの口座に80万円ずつ振り込んだそうだ。
また会長は奈良県出身で、ボクシングの試合で奈良の選手が出ると、その判定を奈良の選手が有利になるように審判に圧力をかけていたという。実際、テレビで紹介されたある試合では、奈良の選手がずっと劣勢で最終ラウンドには2度もダウンをしたにもかかわらず、判定の結果、その奈良の選手が勝っていた。
その他にもボクシングのグローブを独占販売をしているという情報もある。
そんなボクシング連盟のドンのことが、今日は各ワイドショーのトップとして取り上げられていたが、今朝のテレビでビックリするような映像が流れた。
日大の相撲部の何かのイベントの場に、田中理事長の隣にこのボクシング連盟の山根会長が映っていたのだ。いま渦中の2人の「ドン」が、並んで映っていたのにビックリしたのでした。
類は友を呼ぶ、というけれど、ホント、こういう似た者同士はなぜか面識や親交があったりするんですよね。それに、2人とも雰囲気がよく似ていますわ。
それにしても、いまだにどの世界にもドンと呼ばれる人物がいるのだろうかと、こういうニュースを見ていると思わざるを得ないですね。まだまだ日本の社会も、あらゆる組織に昔ながらの絶対権力者がいて、やりたい放題をしている、ということでしょうか。
さて…
このようにテレビで「ドン」「ドン」と言っているのをモミィが見て、
「ねぇねぇ、ドンて何のこと?」という質問を僕に向けた。
「えっ? ドンってか? それはなぁ…」と僕。
映画「ゴッドファーザー」にドン・コルレオーネと呼ばれるマフィアの首領が出てきたが、そんなことを説明してもわからないだろう。どう説明したらいいかと迷いながら、「親分とかボスとかいう意味や」と言おうと思ったら、モミィが先に口を開いた。
「あ、わかった」
「へぇ、わかったの?」と僕。
「うん。あれや、あれ。ほら、あれ」
まるで物忘れの激しい高齢者みたいに「あれ」を連発したあげく、
「おったやろ。あの、紀州のドンファンという人が」
「あ、おったなぁ」と僕が頷くと、
「つまりドンというのは、大金持ちで女の人が好きな人やろ」
なんでやねん。
そのドンとは、意味が違うやろ。
でもこれも確かにドンがつくことには違いなく、ひょっとして、今年の流行語大賞の候補に「ドン」が上がるかも知れませんね。ドンな結果になるか知りませんけど(すみません)。
いま思えば、モミィに「この家のドンは僕やで」と言ってやればよかったかも。
「これからはのんちゃんではなく、ドンちゃんと呼んでくれ」みたいにね。
でも、「それはドンくさい、のドンか?」と言われそうですけどね~