きょう、横綱日馬富士が引退届を出し、午後に記者会見をした様子を見ました。ちょうどワイドショーの時間帯だったこともあり、テレビではその生中継が延々と続き、それが終わった後、スタジオではこぞって日馬富士の引退を惜しみ、「いい横綱でしたのにね~」というトーンが主流を占めていました。会見での日馬富士は貴ノ岩に対する直接の謝罪はなく、自分の行為を正当化するような言葉が目立ちましたが、それまでは「暴力はいけない」と言っていた司会者やコメンテーターが、コロッと口調を変えて日馬富士のこれまでの功績をたたえ、「残念ですね~」なんて言っていたのを見ると、シラケてしまう。そりゃ相撲ファンとして残念に思う人は多いだろうと思うけど、それまでさんざん日馬富士を非難してきたテレビが急にこれです。しかも警察で捜査中の事件の張本人でもあります。なぜ引退しなければならなかったのか、ということを、きちんと押さえておかなければ。
僕は今月14日と18日のブログで、日馬富士は引退するしかないだろ、ということを書きました。きょう、テレビでは「急転直下の引退」なんて報道されていましたが、どこが「急転直下」やねん、と思いました。
この件に関する報道はおかしいことだらけだった。日馬富士が暴力をふるい、貴ノ岩にけがをさせたことは明白です。日馬富士本人も認めているんですからね。なのに「いろんな憶測が飛んでわけがわからないですよね」とテレビのコメンテーターは口をそろえて言う。いろんな憶測を飛ばしているのはマスコミそのもので、もっと言えばコメンテーターのお前たちだろ、と言いたくなります。
それと、あの池坊保子とかというおばはん。元々程度の低いコメンテーターの中でも、もっともっと程度が低い。それがあちこちの番組によく出てくるんですね~。感情だけでしかモノを言っていない。それもスパッと言えばいいが、モコモコと何を言っているのかわからない論調で、とにかくむやみに相撲協会の正当性を主張し、貴乃花親方を非難する。その言い方は「もちろん暴力はいけませんよ」とまずそれだけは言ってから、そのあと「だけどね」と、あとは延々と被害者側を責め続ける口調で、なんだか加害者より被害者側の方が悪いような話を続けるのだからねぇ、変だと言わざるを得ません。
それやこれやで、日馬富士が引退届を出したからと言って「潔い」とか、また日馬富士の親方が会見の冒頭で涙を流したからと言って「気の毒」とか、事の本質と離れたコメントを流すメディアのいい加減さが、今回また出たかという感じです。
それと、日馬富士の暴力行為は「横綱の品格」に反する、ということをどこの放送でも言っていたけれど、人に暴力をふるい怪我をさせるのは、横綱の品格なんてものじゃないでしょ。十両の力士であっても一般の人であっても、人を怪我させると刑事事件になるのは誰でも一緒で、「横綱の品格を汚す」というレベル以前の問題のはず。もし「横綱の品格」を言うのだったら、相撲で負けたのに判定に抗議したり、優勝インタビューで「ウミを出したい」と言ったり、「万歳」をしたりした白鵬のほうがよほど「横綱の品格」を問われなければならないのではないかと思います。
おまけに白鵬は事件当日、日馬富士の暴力をしばらく眺めていたわけで、なぜすぐに止めに入らなかったのか。それと当初「日馬富士はビール瓶では殴っていない。ビール瓶は持ったが、ツルっとすべって落ちた」と目撃談を語っていたが、今はビール瓶を持ったことすら言っていない。じゃあ、あの証言はウソだった?
それと、日馬富士の暴力があったあと、白鵬と日馬富士は外に出て、道を歩いていた若い女性に白鵬が「お姉さん、一緒に飲みに行きませんか」と手を握りに行ったという女性の証言も出ています。これこそ「横綱の品格」の問題だと思います。日馬富士が引退を表明したこの際、「品格」を言うのなら、白鵬も謹慎処分にしなければ話が合わないと思うんですけどね~。やはり、自分は天下の横綱だという驕りが白鵬にあるとしか思えません。「誇り」はあっても「驕り」はあってはならないと思います。白鵬はたしかに相撲は見事ですが、言動を見ていると「日本をなめている」ようにも思える。そもそも日本の力士たちが弱すぎるのもダメなんですけど。
まあ、今日はそんなことで。
ぶつぶつ。ぶつぶつ…。