僕のほそ道   ~ のん日記 ~

  
これと言ったテーマはなく、話はバラバラです。 つい昔の思い出話が多くなるのは年のせい? 

 ソフト 殊勲の金

2008年08月22日 | ニュース・時事

某月某日(木)
仕事中に広報課の戸井クンから電話がかかってきた。
「のんさんは、サッカーのジョホールバールのビデオ、持ってはりますよね」
「持っているよ。なんで…?」
「あれ、貸してもらえませんか?」
「ああ、ええよ。明日持って来るわ」
サッカーのジョホールバールといえば、97年に、マレーシアのジョールバールで行われたフランスW杯のアジア最終予選の3位決定戦で、日本とイランが戦った試合である。日本はこれに勝つと、史上初めてサッカーのW杯に出場できるという大一番。延長戦の死闘を繰り広げ、最後は岡野が走りこんでシュートを決め、フランスW杯の切符を獲得した。この試合を180分のビデオテープに取って、そのあと、何度これを繰り返し見続けてきたであろうか…。
戸井クンは、そのことを僕から聞いて知っており、何を思ったのか急にそんな電話をかけてきて、そのビデオを貸してくれというのである。

ところで、このごろ仕事の周辺があわただしい。
今日は午後から市民病院に関する議会の特別委員会が開催された。
市民病院は、今、施設の老化や医師不足で、入院・外来とも患者が激減し、毎日膨大な赤字を垂れ流しており、病院の存続自体があやうくなっている。市長は今日、委員会で、公立病院の果たす役割は大切だから、病院を残していく道をさぐる、と発言したが、なかなか苦しい方向性である。このまま残して行っても赤字がさらに増えていくだけで、市全体の財政に及ぼす影響は甚大だ。委員会終了後も、関係者が集まり、今後この問題にどう対処していくのかで喧々諤々の議論。

バタバタしているうちに終業時間が来る。
あっというまに1日が終わったという感じだ。

夜、自宅で戸井クンに頼まれたビデオを探す。
クローゼットの中に積み上げているビデオの大群の中から「アジア最終予選3位決定戦」を見つけ出し、明日持って行けるようにいったんバッグに入れたけれど、
「ん…。待てよ…?」と、中身を確かめておこう、と思って、テレビにビデオをセットして再生した。すると…

ななななな、なんと。サッカーのはずが、そのビデオに入っていたのは…
「NHK大河ドラマ総集編・新撰組」であった。
香取クンの近藤勇が映っている。
ありゃ…? サッカーの上からこんなものを録画していたのか…? 
不思議だ。大事なビデオなのに、そんなことするはずないのに…。
たぶん、たぶんだけど…、何年か前の「新撰組」の総集編が始まるときに、酔っていたかなにかして、そのへんにあったビデオテープをセットした、それがこの大事なビデオだったということだったのだろう。がっかり。戸井クンにメール。
「ビデオはあったけど中身は大河ドラマ総集編でした。なんでやろ…? ごめん」
戸井クンからすぐに「了解です。忙しいのに無理言ってすみませんでした」と返事が来た。う~ん。それにしても、昨日、改めてビデオの山を眺めると、もう見そうにないビデオが大半だ。なのに、大事なビデオに上書きをしてしまった。あほくさ。よ~し、来週の休みの日にビデオは全部捨てるぞぉ、と心に決める。

午後7時から女子サッカーが、勝てば男子サッカーが銅メダルを取ったメキシコ五輪以来40年ぶりの銅という栄誉をかけてドイツとの3位決定戦が始まった。
午後7時半から、ソフトボールが、勝てば初めての優勝という栄光をかけてアメリカとの決戦が始まった。
ともに、相手の力が一枚上である。どちらかひとつでいいから、勝ってほしい!

7時半からは、サッカーを見ながら、時々チャンネルをソフトボールに変える。
ソフトボールを見ているときに、チャンネルをサッカーに戻したら、1点を獲られていた。前半、日本に惜しいチャンスが何回か訪れたが、得点につながらなかったのがすべてだった。ドイツの壁は厚く、2対0で敗れ、4位となった。

ソフトボールは上野投手が、淡々とマウンドに立ち、投げ続ける。
昨日の300球を越える投球数もどこ吹く風、不屈の魂、とはこのことであろうか。
しかし相手投手のほうが迫力があり、日本は初回から三振の山を築き、手も足も出ない。一方の上野は、いきなり満塁のピンチを迎えるなど、両者の投手力の違いを感じさせた。しかし、勝負というものはわからないものだ。日本選手が外野越えの二塁打を放つと相手投手の様子が変わる。まさかの先制点をもぎ取った。

「日本先制!」と、今夜は仕事中の長男に、メールを送る。
「今、ラジオを聞いています」と返事が来る。
日本リードで迎えた4回、雨のため試合が中断する。
「これくらいの雨で中断はないでしょう」と日本の解説の宇津木さんが嘆いた。
めったにないリードを奪ったのに、試合が中止となったら目も当てられない。
「雨が止まなかったらどうなるのですか?」と長男からメール。
「試合成立は5回終了後ですから、このままだと中止です」と返事。

しかし、試合は無事再開し、ちょうど僕が女子サッカーの終盤を見ているときに、日本選手がホームランを打ったらしく、スコアは2対0になっていた。ソフトを見て、また、サッカーにチャンネルを変え、2対0で負けたのを見届けて再びソフトを見たら(めまぐるしいなぁ)、今度はアメリカが1点を返していた。あの相撲取りのようなアメリカの4番バッターが本塁打を打ったという。あの選手はすごい。あのデカイ身体だからねぇ。

日本はリードしていても、いつアメリカにひっくり返されるかわからない。
このまま試合終了して優勝する…とは、ちょっと考えにくい。

アメリカは必ず反撃してくるぞ、と気を引き締めて見ていると、案の定、6回に一死満塁のピンチを迎える。しかしここは上野が2人連続内野フライに討ち取って切り抜けた。この試合のすべてはここに集約されていたように思う。これで勝利の女神は日本に微笑んだ。最終回に日本が1点を追加し、2点のリードを奪ったとき、初めて「ひょっとしたら…」と気持がワクワクしてきた。

アメリカの最後の必死の攻撃も、無死でランナーは出したものの、三塁手の攻守もあって後続を断ち、日本は見事に優勝した。今回で「最後」と言われるソフトボールで、これまですべての五輪を制覇していた王者アメリカを破っての金メダルに輝いたのである。ぱちぱちぱちぱち。

寝る前にこのパソコンを開けてみたら、のこたんさんが「バンザーイ」と、コメント欄に書き込んでくださっていた。

   ………………………………………………………………

昨日のソフトボールもサッカーも、NHKで見ていたのでよかったが、五輪放送と言えば、民放テレビにはなぜあんなにタレントたちがワイワイ出てくるのだろう。

NHKのように、アナウンサーと解説者だけでいいじゃないか。

競技と何の関係もないタレントをこれでもかと並べる民放TV局は、アホか。
そして、競技そっちのけの、スタジオ内での彼らのバカ騒ぎが目障り過ぎる。
例によって自分たちだけで盛り上がり、はしゃぎまわっている。
視聴者の思いなど、まったく眼中にない。

TBSは中居クンがメインキャスターで、開会式当日は「いいですねぇ、中国。かっこいいですねぇ」と、アホらしくなるほど中国をホメまくっていた。聞いていて恥ずかしくなり、思わずうつむいてしまったほどだ。

テレビ朝日は松岡修造がメインで、何でもかんでも熱くなったり、やたら精神論をふりまわすところが、ちょっと浮いて見えたりするけれど、まあまあ、TBSもテレビ朝日も、まだ可愛い方である。

ひどいのはフジテレビだ。元プロ野球の古田と相武ナントカという女性タレントのパッとしないコンビはまあ仕方ないにしても、ダウンタウン・浜田のあの態度はなんなのだ。ただ、ギャアギャア叫んでいるだけではないか。誰か黙らせてくれ。

スタジオにいた柔道の井上康生に「康生、おまえ、なんでそんなとこ座っとんねん」と言うなど、スポーツ選手をおまえ呼ばわりし、ここまでスポーツの品を落としてもいいのかと思うほど、オリンピックをバラエティ番組の酒のサカナのように扱って、つまらない突込みを繰り返し、雰囲気に水を差す。たとえば柔道でも、日本選手が勝っても惨敗しても、それなりの感慨をかみしめて見ている視聴者は沢山いるはずである。そこへ急にギャアギャアと、自分ひとりで感激しているようなデカイ態度が割って入ると、見ているほうの気持が萎えてしまう。 
TV局はそんなことすらわからずに、とにかくワイワイガヤガヤと番組を進行させたらいい、と考えているのだろう。

それと、「とくダネ!」のキャスターの小倉智昭も鼻に付く。
スポーツ中継となると必ず現地へ飛ぶのだが、選手を呼び捨てにしたり、苗字でなく名前で呼んで、その選手とさも親しいのだということをアピールする。スポーツに関しては自分は大物なのだという高慢な意識も口調に現れている。どんな競技も、昔から知っていたように言うし、どんな選手とも友達同然に付き合っているかのように言う。あちらこちらの会場を目一杯に巡りまくるのだが、試合中にグーグー眠りこけている小倉の写真が、ある週刊誌に載っていた。とにかく、朝からテレビでこの小倉の自慢げな話しぶりを聞くと、一日中気分が悪い。

オリンピックの度に繰り返されるタレントたちのバカ騒ぎ。
いいかげんにしてほしい。

 

 

 

 

コメント (6)
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