羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

一歩ずつ・・・一歩ずつ

2018年04月24日 19時46分39秒 | Weblog
 昨年9月から始めた母のための種々の手続きが、3月には終わった。
 そして本日、変更した手続きが、全て順調に回っていることが確かめられた。
 具体的なことは書けないが、一つ一つをクリアして、完全に終了するまでに8ヶ月かかったことになる。

 本日も午後になって母の施設を訪ねた。
 まだ、私のことをしっかり覚えていてくれる。
「髪を切ってもらったのね」
「そうね、最近だと思う」
「短くカットすると、若く見えるわね」
「子供っぽくなるでしょ」
「そんなことないわ!」
 そんな会話をしていると、母に入浴の番が回ってきた。

 ロビーで待つ時間は、穏やかに過ぎていく。
 窓から見える樹々は、すでに新緑から深い緑に移りつつある。
 施設の真向かいにある早稲田大学の校舎の周りには、何種類ものツツジがびっしりと植えられ、今が盛りの満開である。
 
「スープの冷めない距離、という言葉が流行ったことがあるなぁ〜」
 それよりは少し遠いようだが、自宅から施設まで徒歩で15分以内で到着する。
 心理的にもちょうど良い距離感である。

「先取りの悲嘆」はない。
 むしろ日常の暮らしの安心感が、母と穏やかに過ごせる最後の時間をもたらしてくれた。
 今度は、一歩、また一歩と、自分のことに取りかかることができそうだ。

 これは69年間生きてきて、はじめて得られた「ゆとり」だと言える。
 言葉にしにくいこの感じは、若いときに感じたことはなかった。
 ゆったりと満たされている。
 一方で、できることを一つずつ、丁寧に行っていけばよい、というさっぱり感もある。

 これからは周りの景色をゆったりと眺めながら、山道を下ることができそうである。

 誰のためでもない、自分を生きる時間が、ようやく得られたのだと思う。
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