日本語学校からこんにちは ~水野外語学院~

千葉県市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

つきが回ってきた

2008-06-27 19:18:03 | 学生から
 昨日は久しぶりの清涼日でした。本来なら残っていた仕事をゆっくり丹精をかけて片付けたかったのですが、裁判所に出かけなければなりませんでした。例の労働紛争に決着をつけるためでした。

 今からちょうど2年ほど前、北京のある法律事務所を辞めるときに散々難癖を付けられ、労働関係を切ろうとしても切れなくなったため、やむを得ず労働仲裁を提起しました。法定の60日の審理期間が明けた後、案の定こちらの完勝を認める裁決が出ました。

 だが、流石に法律事務所というもので、このような激しい市場競争の中におかれているだけ、ただでさえ血眼になって獲物を追い求めているのに、逆に目にもとまらぬ雑魚に噛み付かれてしまっては、なかなかこれを許すわけには行きますまい。仲裁判断の定める執行期間が疾うに来ましたが、それでも履行しない。法定の提訴期間も過ぎてしまいましたが、やはり何の反応も見せない。

 しぶといなと歯を食いしばって裁判所に強制執行を申し立てました。受理した裁判官は、一通り申立書に目を通した後、事務的に受理証憑を発行してくれ、「よし、待っていればいい」と机越しに一言をよこすと、又今までやってきた習字の練習に取り掛かった。すっきりした気分で帰宅した私ですが、3日後思いもかけずに裁判所から「強制執行棄却の裁定が出たので取りに来なさい」という電話通知をもらいました。理由は、負けた法律事務所が既に提訴したというのです。

 「ちきしょう!それならば、なぜ法定期間内に被告の俺に通知しないのか。」

 裁判所に罰則がないからといって、こんな不法行為を勝手気ままにしていいというわけではないだろう。あんまりに憤慨した私が、もう裁判所に出かけるのが嫌になった。それ以後、当該裁判所からの電話に一切出ないことにしました。文書による送達はやつらの法定義務だからです。

 裁判所による一審は、北京市東城区基礎人民法院で行うことになっていた。

 まあ、いいでしょう。どうせ無責任なやつらですから、法定の手続だけ踏んでいけばいいと思いました。

 あれから約2週間後、電話による連絡に失敗した裁判官は、書留で訴状及び法的根拠のない「談話」手続に出頭しろという呼出状を送ってきました。本当は、それをも無視したかったのですが、周りの関心者から行ってみたほうがいいという助言を受けて少々躊躇った。

 結局、仕事が忙しいため、法律がある程度分かっている気性の優しい弟を代理人に立てて答弁書を持って行かせました。委託書にはわざと和解する権利を留保したから、これで大丈夫だろうと考えていました。

だが、それはとんでもない大失敗でした。

 夜、仕事が終わった後、電話で弟に裁判所の様子を聞いてみた。
 
 「和解した...」

 その話を聞いたとたん、私は気が動転し、怒りを抑え切れなかった。

 「貴様!…」

 和解とは、例の法律事務所との労働関係の維持を認めたということです。あれ以来、弟に対して私は二度といい気で受け入れたことはなく、ずっとにらみ続けてきました。

 勝つべき訴訟は、こうした中途半端の形で挫折してしまったのです。裁判官は、授権もないのに和解を促した上、更に正式な調停書をもくれませんでした。弟のやつは実に頭が悪い。けど、それより、裁判所のやつらは一体何をしたがっているのだろう。やくざかそれともボン引きか。結局、発効した調停書が見れないため、執行申立もできなければ、再審申立手続も処理できなかったのです。散々知人に頼んで、案件に関する裁判所内の保存ファイルを閲覧・コピーしてもらったものの、ないないという不埒の結果ばかりでした。これまでにずっと支えてきてくれた友人たちの顔にも、あきれた色が現れた…

 あれから1年4ヶ月ほど過ぎた今年4月1日、中国では新しい改定民事訴訟法が施行されました。

 お陰様で、民事再審手続について詳しく訴因を定め、具体的な審査期間を設けるなど制度化しました。

 エープリルフールの悪夢から目を覚めるやいなや、私は例の労働訴訟の再審申立手続の処理に動き出した。つきもまわってきたというか、今度自ら例の裁判所に行ったら、もらうべきもののもらえなかったあの和解に関する調停書を含め、案件に関する裁判所内の保存ファイルを全て見れたうえ、コピーも取れました。再審申立書を提出したら、すぐ受理されました。

 それから待てと暮らせど更に3ヶ月近く経った一昨日の午後、ようやく例のボン引き裁判所の上級裁判所にあたる北京第二中級人民法院から再審受理意思確認の通知電話が来ました。

 しめた!今度こそ慎重に処理しましょう。馬鹿であっても、それに公正なる裁判を出してもらうように努力するほかありません。長引いてきたあのくだらない紛争に終止符を打つために…

 天山来客 
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「中学生」 | トップ | 「元気がもどった中学生」 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

学生から」カテゴリの最新記事