日本語学校からこんにちは ~水野外語学院~

千葉県市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

「『ロジックのない(?)』秋のお天気」と「課外活動」

2008-10-25 14:36:45 | 行事活動
 昨日は、一日中雨でした。風も生暖かく、まるで梅雨時の雨のよう。歩いているうちに、「紫陽花の姿を求めている」自分に気づいて、びっくりしてしまいます。

 駅で学生達と待ち合わせたのが、午前9時。「午後のクラス」の学生達も、ちゃんと来ていましたが、なぜか「(学校の)寮組」が遅い(駅から二分くらいの所にいるのに)。男子学生の一人など、ご飯を食べてしまうまで、電話を取らないというちゃっかりぶりでした。食べている時に叱られれば、「のども詰まるし、おいしくもない」と考えるのは判りますけれど、決してそれだけでは終わりませんからね。取らなかったら、それからが(駅に来てからが)怖い。目先のこと(食べている今)しか考えないという根性では、生きていけません、この世の中でも、学校でも。

 駅で、早めに来た学生(「10月生」「7月生」)が、トンチンカンとも思えるようなことを聞きます。お天気のことについてです。「先生、今は冬ですか」、「いつが、寒いですか」。私だって困ります。日本人だって、「最近のお天気」は判らない。まして、今回が「初めての秋」になる彼らにしてみれば、そうでしょう。まず、服に困ってしまう。

 それでなくとも、わずかずつ箍が外れていくような、何かがずれていくような、そんな日本の「季節の移ろい」は、捉えにくいものです。冬だとて、「きっぱりと」来はしないのです。しかも、冬でも「美しい花」が咲くのですから。

 そう言うと、南から来た学生は、驚きの声を上げます。「紋切り型に『夏はこう。冬はこんな』ものだ」。で、『春』と『秋』は想像する術もないわけですから、『夏でも冬でもない時』」なのです。ただの「季節の狭間」という捉え方では捉えきれない「春」と「秋」の違いなど、わからないのも無理からぬことです。「一歩進んで、二歩さがる」ような日本の季節の遅々とした歩みは、どこかしら「まがい物」のように見えてしまうのでしょう。

 その上、「春」を代表するはずの「サクラの花」の上に、「冬」にしか降らないはずの「雪(春の忘れ雪)」が積もることだってあるのですから。それこそ、彼らお得意の、「ロジックのない『日本』」になってしまうのです。

 そんなことを考えている間に、電車は茅場町へ着き、そこで、半蔵門線で事故があったというアナウンスを聞きました。急遽、日本橋で銀座線に乗り換えます。40人以上の学生達がいるというのに、若い先生たちが、スイスイと動いて連絡していきます。みんな無事に乗り換えも出来、渋谷に着いて、さて、これからどうするか。雨の中を歩いていくか、それとも、味気ないけれども、バスにするか。学生達が「渋谷のハチ公の銅像」前で写真を撮ったりしている間に、考えます。結局、それほどの雨ではないということで「歩き」になり、みんなで渋谷の街をゆっくりと歩いていきます。

 これまで気づかなかったのですが、学生達は、「自分たちでも知っている大きな会社が(ここには)たくさんある」と言います。日本人の目では、渋谷は「若者の街、飲食店やデパートなどが乱立する街」としか見えていなかったのに、彼らの目には、大企業が集中している街に見えていたようなのです。面白いものですね。これも、先入観によるものなのでしょうか。

 もうすぐ、NHKのテーマパークです。信号で止まっている間に、姿が見えなくなった学生がいます。慌てて探すと、雨が降っているというのに、ある会社のドアの前のプールで遊んでいます。パシャ、パシャと水を跳ねながら、そこでもパチリ、パチリ。着いてから、外の入り口で団体写真を撮ってもらいました(午後に学校に戻った時には、もうこの時の写真が届いていましたから、すごいものですね)。入り口には、150インチもの大画面があり、皆の顔が映し出されています。カメラが向けられる度に、皆の顔が拡大されて、映し出されるものですから、皆も大忙しです。あっちでもこっちでも、歓声を上げながらポーズを取ろうとしています。

 それからエスカレータに乗って下の階に降りていきます。地下に着いてからスムーズに進んでいるかと思うと、すぐに止まってしまいました。不審に思い、前を覗いてみると、大きくて真っ白い「ななみ」人形と一緒に、「私もパチリ、あなたもパチリ」を続けているではありませんか。「さあ、ドンドン前へ進んで行って。もっといろいろなことが出来るから」と急かしていき、やっと「アフレコスタジオ」と「時代劇スタジオ」、「デザインランド」などがある辺りへ着きました。

 残念なことに、小学生の団体さんと鉢合わせになってしまいました。雨が降ったので、彼らもこちらへ移動してきたのでしょう。「アフレコスタジオ」は彼らに占拠されてしまった状態で、今年の学生達はちょっとかわいそうでした。中国人の学生が、これを楽しみにしていたのです。「アフレコ」をあきらめた一団が、次の「時代劇スタジオ」へ進みます。また、ここでも写真をパチリ、パチリ。今回は着物を着せてもらえなかったので(以前は、「僧兵」の格好やら「着物」やらを着させてもらいました。手間も時間もかかったけれども、みんないい記念になったと言います)、かわいそうだなと見ていると、みんなはなぜか「打ち掛け」と一緒に写真を撮らずに、その脇役のサクラの下でポーズをとっているではありませんか。なるほど確かにその方が美しい。

 また別の一組は「デザインランド」へ先に廻り、バーチャルな映像と共に、登場人物になりきって飛び跳ねています。これは随分楽しめたようです。それに、「アフレコ」で遊べなかった憂さを晴らすかのように、画面に合わせて、蹄の音を立てたり、雨の音を出したりしている組もいました。そうしている家に「体験スタジオ」に呼ばれ、代表の学生が一人、アナウンサー体験をさせてもらいました。「3Dハイビジョンシアター」も何人かの学生は入ったようでした。

 (今日一日は雨だと聞いていたので)帰りも、「バスにするか、歩きか」と考えながら外へ出てみると、さっきまで重い雨が降っていたのに、小降りになっているではありませんか。これなら歩けるとばかりに、皆で原宿までブラブラと歩き始めました。

 国立競技場を突き抜けて、明治神宮の鳥居まで出ます。鳥居の前にはたくさんの提灯に企業や個人の名前が書き込まれて、何段にもわたり、飾り付けられています。外国人にとって樽酒とか、(紙の)提灯というのは面白いもののようです。また、パチリ、パチリと行列が止まってしまいます。

 途中、中国のモンゴル族の女子学生が、子供を連れたモンゴル国の女性と話しているのに気がつきました。彼女といつも一緒にいる女子学生が、こっそりと寄ってきて、「モンゴル語を忘れてしまっているから、今勉強しています」と笑いながら教えてくれました。そういうこともありますね。そういっている女子学生にしてからが、中国の朝鮮族で、韓国の大学を出た男子学生とは、韓国語で会話を楽しんでいます。

 さて、原宿に着きました。お疲れ様というわけで、そこで解散。お腹もすいたことだし、食事かたがた、「原宿ぶらり」をしたい学生は、これから別行動をとります。帰りたい学生は私たちと共に、電車に乗り、一路行徳へ。

 少々疲れましたが、みんな好奇心と興味を持って参加してくれました。それが何よりです。また、一緒に行きましょう。今度は、都内へ「『紅(黄)葉』狩り」に行く予定です。

日々是好日
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