日本語学校からこんにちは ~水野外語学院~

千葉県市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

夕方の公園めぐり

2008-07-08 13:52:18 | 学生から
 東京にいた時、休みの日は、運動兼観光のためにしょっちゅう自転車に乗ってあちこちの公園を回っていました。景色が綺麗な上、殆ど無料なので、本当に楽しくてなりませんでした。

 北京に帰った後、暇のときに偶には公園等へも出かけますが、大体汚れているし、自転車で行けそうな所でもないので、本当に偶にしか行かないのです。

 昨日、旧友を訪ねる帰りに久しぶりに北京市内の玉淵潭公園を一回りしてまいりました。夏の夕方という時間帯のためでもあるのでしょうか、園内の人は意外に多かったのです。

 曇った茜色の西日にかざすようにCCTVのテレビタワーが緩やかに湖面の漣に灰色のシルエットを差し伸べ、湖の真ん中を曲がりくねる柳通りには、人々は三々五々座って話したり、団扇やカメラ等を手にして散歩したりしています。

 家内と雑談しながら、人の流れについてゆっくり行きますと、湖心の望月橋という古めかしそうな石造りのアーチ橋に来ました。岸辺に手足を和らげる水着姿の男達が目に映ったかと思うと、何とブルーの水着の小太りの婆さんらしい方も中に混じっていたことに気づきました。危ないな等の話を交わしながら、階段を伝って橋の上を上り、欄干越しに下のほうをのぞいたら、橋脚を抱えて浮いている人や、浮き輪の下を潜りながらおっかけごっこをする人等でたいそう賑わっていることが分かりました。

 市内最大の湖なので、夏には水泳好きの人々は必ずここに来るのです。そのため、溺死者も毎年のように出ています。公園管理側は疾うに水泳禁止令を出しているということですが、人々はやはり構わずに泳いでいます。やはり他人事ですからね。

 橋の上でカメラのシャッターを押していると、「それ、みてみて」と家内は興奮しそうな声を発しました。それについて目をそらすと、さっきの小太りの婆さんは、仰向けに静かに水面に浮いています。

 「ああ、浮き泳ぎだよ」と説明すると、家内は羨ましそうに訊いて来ました。
 「すごいわ。あなた、できないでしょ」。
 「いや、子供のごろはよくやっていたものだよ」と返すと、彼女は不服そうに言い始めました。
 「ふふん、嘘でしょう。だって、すごい技じゃない…ほら、上手に泳ぎ始めたよ。」

 こういうときは、譲る他ないのです。今朝工商局の帰りにブライダルフォトスタジオを通ったときに、家内から「中に入って一目見てこよう」と勧められました。いつものように拒んだら、彼女は、黙り込んでしまいました。又来たかと思って、昼食後家を出かける際にあれこれをして無理矢理に彼女を連れ出しました。友人の所にお邪魔する間、彼女を一人で近くの商店街に行かせ、夕方になって二人で公園で合流したのです。機嫌は大分よくなってきたようです。

 アーチ橋を過ぎると、築山の麓の広そうな所に差し掛かりました。こちらの湖の方にも人が泳いでいます。一番近い所は、どうも親子のようで、浮き輪を体にする子供の方を母親がゆっくり手を放しています。面白いことにその近くには、鴨かガチョウかのような二匹も湖心に向かって泳いでいます。このような風景を見るのは、本当に久しぶりです。

 道端の大きい石畳の上に婆ちゃん二人が風呂敷を敷いて座っています。湖面の微風に向かって胡坐をかくように静かに座っている所から見れば、どうも座禅(?)しているようです。

 築山を越えて、もう公園の南正門が見えてきます。散歩する人がどんどん出たり入ったりしています。こちらの方に、若者5、6人がチームをなしてダンスをしているかと思ったら、そちらの方に3、40代と見られる人々が、輪をなして「毽子」(羽子みたいのもの。ただし、足、太腿などで蹴って遊ぶ)を蹴っています。更にその間を子供さんがローラースケートを走らせながら潜り抜け、行ったりきたりしています。どれを見ても上手そのものです。

 一日中、誰も彼も勉強や、仕事、家庭などの雑事で疲れているものの、このひと時に限って皆楽しそうに過ごしているらしいです。

 天山来客 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「いろは」からの学生 | トップ | 『残された者』に福(?)あり »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

学生から」カテゴリの最新記事