イレグイ号クロニクル Ⅱ

魚釣りの記録と読書の記録を綴ります。

加太沖釣行

2022年02月11日 | 2022釣り
場所:加太沖
条件:若潮 5:18満潮
潮流:7:18転流 9:56 下り1.3ノット最強
釣果:メジロ1匹 サバ2匹

今日は久しぶりに病院に行かなくてもよい日だ。数日前からの予報でも風は吹きそうだが釣りにならないというほどでもないということだったので久しぶりに時間を気にせず釣りができると思っていたが、昨日の予報でいきなり風速が8メートル以上の風が吹くと変わってきた。ただ、風向は北からというものであったのでとりあえず朝は起きてみようと思った。

午前4時半に起きて外に出てみると、風が吹いている感じはない。しかし、いつもの煙突の煙を見てみるとやっぱり吹いている。



海保のリアルタイム風速情報では友ヶ島灯台は9メートル前後の風が吹いている。僕の家の周りでは北風はあまり感じないのだ。ただ、西の風が混ざらないかぎり、北風の吹く日は早朝は陸風が混じるので少しは風向きが東に寄る。少しでも東寄りに風が吹けばとりあえず船を出すことができる。最悪でも田倉崎の陰で仕掛けを下すことができそうだ。そして、今日も金星がはっきり見える。



雲が飛んでいるという天気でもないので爆風というのでもないだろう。
暗いうちに出港するのは控え、ゆっくり家を出る。港に到着しても風を感じない。ここでもゆっくり準備をして明るくなってから出港。ゆっくり準備をしているというのは、あまりにも寒いから体が動かないからなのだ。毎年バレンタインデーの頃には雪が積もる日があったりするので、おそらく年中で一番寒いのがこの頃なのだろうと思っている。船のデッキの上を歩くと霜が分厚く降りているのでザクッザクッと音がする。シールドも凍り付いていて前が見えない。



バッテリーの電圧も上がらないのかセルモーターが一瞬息をつく。ついでにいつも目眩の原因のひとつではないかと思っている僕の心臓も一瞬息をつく・・。ロシアのフィギュアスケートの選手がドーピングに使った薬は心臓の動きを助ける薬らしい。ぼくもそういう薬を飲むと少しは目眩がしなくなるのだろうかと思ったりするのである。

一文字の切れ目を超えても波は穏やかだ。今日の潮では朝一はコイズキで潮が動き始めてから大和堆ポイントだと思っていたので、この感じではコイズキまでも行けそうだと思ったが、やはり加太は甘くない。田倉崎を超えた途端に思い切り北風が吹いてきた。これはあまり遠くまで行くのは危険だ。だれもがそう感じているのか、船団は田倉崎のすぐ前にできている。
とりあえず様子見で僕もここからスタート。



魚探にはわずかだが反応がある。今日はアジサバを狙いながら、あわよくばメジロ、ブリまで狙ってみようと考えている。

しかし、アタリはない。魚がいないのではなく、隣を流している漁師のおいやんはホイホイとアジらしき魚を釣り上げている。このひとはおそらく西脇の漁師だと思うが、この周辺でいつもアジサバを釣っている人だ。よく見ていると、ほぼ同じ場所を行ったり来たりしている。そんなにピンポイントの場所でないと釣れないのか、それとも仕掛けに何か違いがあるのか、今日も謎を含みながら時間だけが過ぎてゆく。



少しは潮が動き始めたかというとき、大和堆ポイントにも船団ができ始めた。ちょっと風は怖いがほかの人も行ってるのだから僕の船でも大丈夫だろうとドンブラコ状態でポイントに向かう。小山になっているポイント周辺に船が密集している。風が吹いていてもやっぱり祝日だ。平日とは密度が違う。
ど真ん中に入るのは控えて少し離れたところからスタートしたが、間もなく大きなアタリが出た。間違いなくメジロ以上のサイズだ。去年も何回となく糸を切られたが、今年はクッションゴムを装備している。少しは持ちこたえられるはずなので慌てず魚が走りたいときは走らせる作戦で弱らせていこうと腰を構えた。幸いにして船団からは少し離れている。周りを見る限り船の姿もない。リールを巻いては糸を出されを繰り返しながら道糸が20メートルを切りかけたころ、ふと後ろを見ると乗合の遊漁船が近づいてきていた。彼らが近づいているというよりもおそらくは僕が流されるままに近づいていったというところだろうが、魚を掛けているのは見ればわかることなのだからそれを避けてくれてもいいものをどんどん近づいてくる。そして案の定、そいつらの仕掛けと絡まってしまった。



僕の仕掛けは一番上の鉤を残して消えてしまっていて、相手の仕掛けが上がってきた。「すみません・・」というような声が聞こえるが、こっちは落胆の思いの方が強い。おそらく僕の仕掛けを切り刻むと相手の仕掛けは無傷で残るのだろうが、腹が立っているのではさみで切ってやった。錘も残っていたのでぶつけてやろうかと思ったがこれは僕が使うことにした。
結局、残った鉤にはサバが1匹くっ付いていたのでボウスはなくなった。しかし、5分以上振り回されていたのでサバはほぼ仮死状態だ。締めても血も出ない・・。これは鮮度に問題が出そうだ。

気を取り直して再度仕掛けを下すがアタリはない。ときおり真っ赤な反応が出るがまったくアタらない。



あれはいったい何の反応なのだろうか。シラスでも泳いでいるのだろうか・・。
次にアタリがあったのは同じくサバだ。これで2匹。叔父さんの家にも1匹持っていける。

その次はまた大きなアタリ。ブログ用に写真を撮っていた時だ。気がつくとスプールから道糸が引き出されている。これも大きい。しかし、これはあっけなくバレてしまった。仕掛けを引き上げると枝素のチモトの所が切れている。鉤のくくり方が悪かったようだ。残念。

その後にまたアタリ。今度も周りに船の居ないのを確かめながらやり取りをする。しかし、これは最初の獲物よりも小さそうだ。竿をためているとなんとか浮かび上がってきてくれる。クッションゴムをつかみ、ここからが慎重に行かねばならないが無事に取り込むことができた。ブリとまではいかないが十分メジロサイズといっていいだろう。
鉤を外して見てみると、ベントのところが大きく延びている。もう少し時間をかけていたらこれもバレてしまっていたかもしれない。危機一髪だった。



この時点で午前10時半を回っていた。あとひと流しして終了しようと最後は船団の中に突っ込んでいったがアタリもなく終了。

港に戻ってくると真冬とは思えないほどの温かさ。帰り支度は防寒着を全部脱ぎ捨てての作業になった。間違いなく春は近づいている。


魚がこれだけ大きいと内臓も食べることができる。肝と心臓と胃袋をきれいに取り出した。



胃袋を開いてみるとしわしわの柔毛突起?が見える。去年の年末、母親は大腸がんの摘出手術を受けたが、その時に見せられた大腸の患部とうりふたつだ。こんなのを見ていると、魚も人間もきっと同じ遺伝子でできているのだろうなと思えてくる。
家に帰ってからテレビを見ていると、コロナで低酸素状態になった人への対処策として、高酸素濃度の液体を浣腸して大腸から酸素を吸入させるという治療が治験にはいるという話をしていた。エクモが足りないので十分な治療を受けるまでの時間稼ぎに使えるのだということだが、これのヒントになったのがドジョウの呼吸法だったらしい。ドジョウは水中の酸素が少なくなると水面に口を出して空気を吸ってそれを腸までもっていき、腸から酸素を取り込むのだそうだが、人間にもそんな能力がのこっているらしいのである。えらいことを考える人もいるものだ。
そんな話を聞いていると、ますます人間の遺伝子も魚の遺伝子もそんなに変わりはないじゃないかと思えたのである。
コメント
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