まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

伊豆半島縦断の旅・天城越え

2007年04月08日 | 旅行記D・東海北陸

P4071497天城峠を越える前に、湯ヶ島で下車。ここにある天城温泉会館に立ち寄る。「天城路フリーパス」を提示しての下車だ。入浴料1000円はやや高めだが、「天空瞑想の湯」というのに入る。円形の大浴槽に寝転がると、天井には星座や天の川をイメージした照明。一定時間おきにそれらが点灯したり消えたりする。他に客もおらず、広い浴槽を独り占めだ。やはり温泉は気持ちいいやね。パンフレットによればもう一つ「わさび田の湯」(週ごとに男女入れ替え)、水着着用の「しろばんば出合いの湯」などというのがあり、結構大規模だ。

次のバスで、昭和の森会館で下車。こちらは天城峠を前にした道の駅になっており、大勢の観光客が立ち寄っている。ちょうど昼時ということで食堂に入り、郷土料理の猪丼で昼食。

P4071503_1この昭和の森会館には、天城の森や林業について紹介する「森の情報館」に、「伊豆近代文学館」がある。いずれも中身の濃い展示だ。伊豆・近代文学といえばまず思い浮かべるのが川端康成の「伊豆の踊り子」であり、この作品のおかげで観光地としての伊豆のムードが作られているのだが、もう一人、伊豆ゆかりの作家がいる。それが、湯ヶ島出身の井上靖。まだ読んだことがないのだが、「しろばんば」は、湯ヶ島で育った井上靖の自叙伝的作品という。そして、今年が井上靖の生誕100周年ということで、4月22日以降、さまざまなイベントが行われるそうだ。ちょうどこの文学館に併設して、井上靖の旧邸が移築保存されている。

P4071505P4071507そしてもう一つ、わさび生産者の直営店があり、ここでわさびソフトを食べる。普通のバニラソフトに、目の前ですりおろしたナマのわさびをトッピングしたのが出てきた。これを少しずつバニラにつけてなめると、バニラの甘さとわさびの辛さの両方が入れ替わり立ち替わり口の中に広がる。分量が変えられるので普通に「わさび味のクリーム」をつけるより面白い。裏手には展示用のわさび田があり、ちょうどわさびが白い花を咲かせていた。わさびの花を見るのは初めてだ。これがあの辛さになるとは、ちょっとイメージしにくい。

P4071510再びバスの人となり、今度は水生池下で下車。ここから、旧道を歩き、旧天城トンネルまで行こうというのである。いよいよ天城越えだ。旧天城トンネル自体は、次の天城峠バス停で下車するのが近いのだが、この旧道は「伊豆の踊り子」の冒頭、学生と踊り子が出会う場面に出てくる。今は「踊子歩道」というウォーキングコースになっている。国道の喧騒からはずれ、杉木立の中を歩く。途中、川端康成の文学碑を見る。「伊豆の踊り子」の一節にもあるように道がつづら折りになっており、少しずつ高度を上げる。先ほどバスで通った国道がいつしか小さく見えた。

P4071513P4071515登ること30分で、石造りのトンネルの入口に出る。これが旧天城トンネルであり、天城越えのシンボルである。「天城山隧道」のプレートが掲げられており、なるほど、「トンネル」よりは、「隧道」と書きたくなるような風情だ。これも近代化遺産ということになるのかな。もちろん、中は歩けるようになっており、クルマも通れるのだが、ここでクルマを降りて歩いて通る人が多い。中は当時のままの石造りで、ヒンヤリしている。

まっすぐに伸びたトンネルを抜けると、ここを境として伊豆の南北が分かれる。石川さゆりの「天城越え」のサビの部分が頭に浮かぶ。

もう一度トンネルをくぐって戻るという手もあるが、このまま道を下って先に進むほうがよいだろう。この先のバス停までも30分ほどの歩き、今度は下り坂だ。

P4071517 途中、水の流れる音。ここが二階滝という。二段で水が落ちているからこの名が付いたという。ちなみに「にかいたき」ではなく「にかいだる」と読む。この先にある「河津七滝」も、「かわづななだる」だ。「だる」というのはダルビッシュ有のこと・・・ではなく、やはり水が「垂れる」ということからそう呼んでいるのだろうか。

次に目指すは河津七滝。今日の旅も中盤から後半にさしかかる・・・・。(続く)

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2 コメント

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2月の24.25の2日間で同じくそこへ云ってきま... (岳遊)
2007-04-09 23:34:28
でもそのワサビソフトは食べなかったな
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岳遊さん、コメントありがとうございます。 (まつなる)
2007-04-10 23:39:40
石川さゆりさんのあの歌で、天城峠もより世に知られるようになったのではないでしょうか。
・・・にしても、「四角いおしり」なんでしたっけ・・・?


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