まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

神仏霊場巡拝の道~相生にて一泊

2023年02月05日 | 神仏霊場巡拝の道

1月27日、播州赤穂から宿泊地である相生で下車する。新幹線の駅があるくらいだから町には違いないのだが、駅周辺は実にシンプルである。新幹線の「こだま」や「ひかり」に乗った時、相生では列車の通過待ちで数分停車することが多いので駅歩ホームから外を見ることがあるが、住宅地はそれなりに広がっているものの、少なくとも駅周辺には大型店舗や人が集まるスポットはほとんどないように見える。

駅前にコンビニがないというのも・・。もっとも、コンコースには駅売店代わりのセブンイレブンがあるし、駅前にはデイリーヤマザキが1件あったが、大手3社の通常タイプの店舗は見当たらない。夜の部屋飲みの食料品はどうするか・・ということだが、駅前にあったのはディスカウントスーパーのラムー。まあここで飲み物やおつまみ系は安く購入できたのだが・・(弁当も税込み200円そこそこで売られている)。

その相生は山陽新幹線開業当時からの駅である。赤穂線の分岐駅だったり、お膝元のIHIの造船所も活況だったとはいえ、姫路から20キロほどしか離れていないところに新幹線の駅ができたのはなぜか。その理由として地元選出の国会議員で自民党の派閥の領袖だった河本敏夫の存在があったともいわれているが、紹介されている記事によると河本敏夫のゴリ押しではなく、当時の国鉄に「夜行新幹線」という構想があり、そのために相生に新幹線駅が設けられたという。

私は初めて知ったのだが、「夜行新幹線」とは、山陽新幹線の博多までの開業にあたり、東京~博多間で新幹線にとる夜行列車を運行する構想である。東京~博多間で計24本の運行、寝台も設けた車両の導入が検討されたという。ただ、本来線路の保守点検に充てる夜間の時間帯にかかるということで、新大阪~岡山間で単線での運転が想定され、そのための行き違い、夜間長時間停車ができる場所が必要だった。それがちょうど東京と博多の真ん中あたりに位置する兵庫県内で、当初は姫路がその予定地だったが、さらに複数の場所が必要ということで、相生、そして西明石にも駅が設けられたという。

しかし、当時国鉄内部でのストライキや運賃値上げによる客離れも進んでおり、新幹線の沿線住民の騒音被害が社会問題にもなっていた。結局、新幹線の運行は6時~24時までという環境基準が示され、「夜行新幹線」が走ることはなかった。仮にこれが実現していたら全国の鉄道網はどのようになっていたか想像するのも面白いが・・。

「夜行新幹線」はならずとも、姫路~岡山間は距離も長く、その途中の退避ポイントとして相生に駅を設けたことで、現在「のぞみ」、「みずほ」、「さくら」も多くの本数を走らせることができていると言える。

その相生、新幹線の利用客はどのくらいだろう。山陽新幹線の駅ごとの利用者数だが、在来線との接続駅は在来線の利用者との合算なので単純に比較はできない。ただ、相生はやはり下から数えたほうが早いのではないかと思う。もっとも、山陽新幹線には後から新岩国、新尾道、東広島、厚狭といったローカル駅もできるのだが・・。

さてその相生だが、宿泊するのは駅の正面にある東横インである。翌日に姫路の札所を回るのなら姫路に泊まるのが自然だと思うし、別に姫路のホテルがどこも満室だったわけでもなかったのだが、この時の気分として静かなところでゆっくりと・・というのがあった。なお、この日(1月27日)は全国旅行支援が適用されており、年中一定価格の東横インながら宿泊料金の2割引、そして兵庫県版の地域クーポン2000円分がついてきた。

さて、夜の一献である。同じく駅正面に何店舗かの居酒屋が入ったビルがある。地元の人だけでなく、出張で相生に来た人が帰りにちょっと立ち寄って・・という使い方もできそうだ。そのうちの一つ「江戸屋」という店に入る。1階のカウンター、テーブルだけでなく、地下、そして2階にもテーブル、座席があるようで、思ったより大きな店である。

さておすすめメニュー。相生も牡蠣のスポットということで、焼き牡蠣、牡蠣フライもある。地元産の文字も見える。焼き牡蠣を注文すると思ったより早く出てきた。カウンターなので厨房の様子もちらりと見えるのだが、焼き牡蠣といっても殻つきを網で焼くというのではなく、むき身をバーナーであぶって、それを殻に載せていた(ように見えた)。店の人気メニューのようで、後から来た客もほとんどが注文するくらいのものだから、いちいち殻から焼いていたのでは追いつかないだろう。

他にはひねぽん。年老いて卵を産まなくなった雌鶏(ひね鶏)をあぶった播州の郷土料理。肉質が硬いのだが、歯ごたえという点で悪くないメニューである。

たこの天ぷら、焼き鳥もいただく。

締めということでおでんと熱燗をいただく。おでんは生姜醤油で食べる姫路流。地域の中心地ということで姫路の名がついているが、加古川~相生あたりまでがエリアだという。

あ、少し離れたカウンターにいた人が牡蠣鍋を注文していたな。正直おでんと迷ったのだが・・。

一通り飲み食いし、全国旅行支援の地域クーポンのうち1000円をこちらで使う。残り1000円は翌日、姫路のどこかで使うつもりだ。

来た時はそれほどでもなかったが、店を出ると外は冷たい風が吹いていた。翌日にかけてまた冷えるようである。この後は、先ほどラムーで買った酒魚にて部屋でゆったりと二次会・・・。

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