まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

観戦記・ホークス対バファローズ@福岡(平野劇場による「ルーズベルトゲーム」博多座公演)

2023年05月05日 | プロ野球(バファローズ・NPB)

5月の連休期間。当初は5月4日~6日の予定にて、福岡でのホークス対バファローズの観戦、そしてそのまま大分に移動して九州八十八ヶ所百八霊場めぐりを行うことにしていた。しかし、仕事の都合でどうしても3日連続の日程を取ることができなくなり、とりあえずチケットを確保していた4日の福岡での試合は日帰り観戦ということになった。

朝の新幹線で広島を出発し、ドームに行く前段で博多近辺を回り、ちょうどこの日行われていた博多どんたくもちょっとのぞいたのだが、それはまた改めて書くことにして・・。

この3連戦、バファローズは第1戦を宮城の好投で1対0と勝利し、第2戦は22安打の猛攻で9対4と連勝した。そして私が観戦する第3戦だが、前日打ちすぎて打線がパッタリ止まってしまうのでは・・という不安もあり、また私が2回目の広島勤務となって以来、福岡では一昨年、昨年と計3回観戦しているがいずれもバファローズが敗戦。昨年夏の時は宇田川が周東にサヨナラ打を浴びたなあ・・。そんな不安と楽しみを抱えつつペイペイドームに到着する。

この試合は「ダブルアニバーサルデー」と銘打たれている。ホークス球団の創設85周年、ドーム開業30周年を記念してのイベントである。福岡に開閉式ドームが誕生した辺りから、パ・リーグの新たな盛り上がりが始まったように感じる。ちょうど買い物でコンコースに出ていたので見られなかったが、工藤公康-城島健司という往年のバッテリーによるメモリアルピッチも行われた。南海~ダイエー~ソフトバンクと、親会社の変遷、本拠地の移転もあったが、こうして1本の歴史になっているぶん、ホークスファンの方はいいなあ・・とうらやましくなる。

ホークスの選手はこの日特別ユニフォームを着用して試合に臨む。帽子には懐かしい鷹のマークがあしらわれている。

私が陣取ったのはネット裏のみずほプレミアムシート。当初は三塁側の他のシートを取っていたが、チケットのリセールサイトに出品されていたのでせっかくなので購入した(当初のシートは同じサイトで他の方に譲った)。最寄りのゲートは15番。2000年に病のため現役のまま亡くなった藤井将雄さんの背番号にちなんでのもの。この選手も活躍期間は短かったが、ホークスの歴史の1ページである。背番号15は永久欠番ではないが、藤井さん以来現在までつけた選手はいない。

早くからスタンドの客足も早く、レフト側上段のビジター応援席も遠征組で埋まっている。

さて試合。ホークスの先発はベテランの和田。以前からバファローズが苦手としている相手。その和田に対して、一死から宗がライトへの二塁打。続く中川がセンターへの三塁打を放ち1点先制。さらにホークスの守備の乱れで中川も生還し、一気に2対0とする。前日の当たりがまだ続いているようだ。

バファローズの先発は小野。タイガースでは先発で7勝を挙げた年もあったが、昨年で自由規約。そして育成契約を経て支配下に復帰。今季初登板である。しかし、一死から柳町、近藤に連続四球でピンチを招く。続く柳田は打ち取ったが、栗原がレフトへのタイムリーを放ち、2対2の同点となる。

さらにアストゥディーヨ、今宮にも連続四球で二死満塁となる。一気に逆転されてしまうのでは・・というところで、がルビスを何とか退けて2失点でしのぐ。それにしても、1イニング4四球といっても判定が微妙なボールというよりは、ワンバウンドしたり、大きく横に逸れたりという荒れっぷりだった。

続く2回表は先頭の若月がヒットで出塁するも、紅林が三振、そして盗塁失敗。それでも野口、山足が連打でチャンスを作るも、茶野が凡退。なかなか上手くいかない。

その中で迎えた3回表、中川がレフトスタンド最前列への本塁打を放ち、3対2と勝ち越し。

2回はヒット1本許したものの無失点だった小野だが、3回からは漆原が登板。小野もせっかくめぐってきたチャンスだし、先発として5回くらいまでは行きたかったところだが、やはり四球が・・。この日はブルペン総動員になりそうというのは最初からある程度予想できたとして、小野に次のチャンスはあるのだろうか。

その漆原に対し、ホークスはアストゥディーヨ、今宮の連打でチャンスを作り、続くがルビスもライトへのヒット。二塁からアストゥディーヨが本塁を狙うが、茶野の好返球でタッチアウト。同点とはならなかったが、序盤から動きの激しい試合だ。

4回表、先頭の若月が再びヒットで出塁。続く紅林は今度はバントしたが小フライ。そこに和田が飛び込んでキャッチ。若月も帰塁できず一塁に送球してダブルプレーとした。和田は送球の時に転倒した影響か一度ベンチに下がったが、しばらくして登場し、スタンドもベテランの年齢を感じさせない気迫のプレーに大きな拍手が起きる。

4回からはコットンが登板。序盤が序盤だけに、早い回からの登板となった。ホークスは一死から中村、柳町の連打でチャンスを作り、近藤。

嫌な相手が来たな・・と思ったその初球、詰まったように見えたがホームランテラスに飛び込む3ランとなった。京セラドームだったら平凡なライトフライだったかもしれないが、それを言っても仕方ない。5対3とホークスが逆転し、スタンドも大いに盛り上がる。和田のプレーが呼び込んだのかな。

これで5回を抑えれば和田に勝ち投手の権利が出るところだが、先ほどのプレーで大事を取ってか、5回からは同じ左腕の田浦が登板。二死から宗のヒット、中川死球、森も四球で満塁とする。ここで田浦から大津に交代となり、ゴンザレスとの勝負。同点、逆転を願ったが一塁ゴロで三者残塁・・。

5回裏はコットンが三者凡退。ようやく5回まで終わったが、このままホークスが逃げ切ってしまうのか。私のいつ以来になるだろうか、福岡観戦勝利はあるのか・・。

6回表、ホークスは4人目の松本が登板。3たび先頭打者となった若月がヒットで出塁。そして紅林は今度は打って出たが、レフトフライでどうすることもできない。しかし野口がヒットでつなぎ、代打・小田が登場。

ここで小田がセンターへのタイムリーを放ち、5対4と詰め寄る。さらに一・三塁の形となり、茶野がスクイズ。これが決まって5対5の同点に追いついた。

さらに宗がタイムリーを放ち、6対5と勝ち越し。今度はレフトスタンドが沸く番だ。

中盤でリードしてどのような継投になるかだが、6回もコットンが続投。近藤にヒットを許すも柳田を打ち取って無失点に抑える。これで3イニングをまかない、近藤の3ランはあったもののチームの逆転で勝ち投手の権利を得て次に託す。

そしてホークスのラッキー7で「いざゆけ若鷹軍団」が流れるが、ビジョンにはかつてのダイエーホークスの優勝、日本一での王監督の胴上げの映像が流れる。2000年には長嶋監督率いるジャイアンツと日本シリーズでの「ON対決」も実現し、オールドファンも盛り上がった。

先の7回表の津森に続き、7回裏は阿部が3人で無難に退ける。

8回表、ホークスは6人目の嘉弥真が登板、一死から野口が四球で出塁し、代走の佐野が盗塁を決める。追加点のチャンスに、茶野がレフトへのタイムリーを放つ。7対5、これでバファローズも逃げ切り、3連戦3連勝が見えてきた。

8回裏は山﨑颯が登板。ようやくここにつながり、9回は平野で締める筋書きはできた。

ただ、アニバーサリーデーというのは何かあるのか、そういえばかつて「閉店間際のダイエー野球」という言葉もあったような。途中出場の先頭・川瀬がヒットで出塁。一死で迎えるのは中村。

ここでライトスタンドへの一発が出て、7対7となる。スタンドからも大歓声だ。

どうも山﨑颯も万全ではない。さらに柳町が四球で出塁し、代走に周東が登場。スタンドからは「走れ」コールが響く。そして近藤を迎えマウンドに内野陣が集まる。結局近藤も四球で、柳田。いや~、ここで回って来るか。

再逆転もあるなと覚悟したが、山﨑颯が踏ん張って二塁ゴロからのダブルプレーに打ち取る。何とか同点で食い止めたが・・。

9回表、ホークスは同点ながら抑えのオスナが登板。ここはさすがにあっさりと三者凡退として、9回裏を迎える。

こちらは同点ということで平野は温存し、吉田が登板。点が入ればサヨナラだが、ここは三者凡退として延長戦に突入する。先日もマリーンズとの延長戦を観戦したばかりだが・・。

10回表、8人目でモイネロが登板。先頭はここまで無安打のゴンザレスだが、二塁打で出塁。そして若月がバントで一死三塁と勝ち越しのチャンスを作り、迎えるのは紅林。ここまでいいところがないが、最後に決めてくれるか。

しかし結果はショートへのゴロ。飛び出していたゴンザレスが三本間に挟まれ、タッチアウト。紅林はその間に二塁をうかがうこともできず、一塁止まり。シーズンの中にはこういう、何をやっても結果につながらない(むしろチャンスを潰している)日もあるだろうが・・・。代打のシュウィンデルも凡退して無得点。

10回裏も吉田が続投。二死から中村にヒットが出たが周東が凡退してこちらも無得点。

11回表、二死から宗がセーフティバント。一塁はセーフ。藤本監督から物言いがつくも、ビデオ判定でも軍配通り。ここからチャンスを広げたいが中川が倒れて無得点。

11回裏、ここで平野が登板した。近藤、柳田、栗原と主軸が続くだけにここでの出番となったのだろう。この回を抑えれば通算200ホールドとなり、プロ野球初の日米通算200セーブ&200ホールド達成となる。その場合、12回は小木田、本田で何とかしようというところか。

しかし先頭の近藤に四球を与え、柳田にもヒットが出ていきなり無死一・二塁となる。200ホールドどころか、「平野劇場の博多座公演」になってしまうかもしれない。

そして栗原のフラフラっと上がった打球が、前進守備を敷いていた中川の頭上を越えた。近藤が生還し、8対7とホークスがサヨナラ勝ち! 

いわゆる「ルーズベルトゲーム」となった試合は、ちょうど行われていた博多どんたくとも合わさってこれ以上のない盛り上がりとなった。最後まで二転三転して、観るほうもしびれたというか疲れたというか・・・ほんまに、博多座顔負けの大舞台となった。もっとも、ここで平野一人を責めるものではないだろう。先発の小野にしても早い回から崩れることも十分想定できただろうし、ここはホークスが地元の意地、勝利への執念を見せたということでよいではないか。

この日の試合時間は4時間14分。この日はアニバーサリーデーということで勝敗に関係なく花火も打ちあがる。さらにこの日は試合終了後のグラウンドに下りることができるイベントがあり、私も前売り券を購入していた。試合後はこれらのイベントを楽しんでから博多駅に戻り新幹線に乗る・・という予定だったが、さすがに延長戦で4時間超えになるとは思わなかった。結局、栗原のヒーローインタビューも聞くことなく、それほど混雑しないうちに駅に戻ることにして直通バス乗り場に並ぶ。

博多駅から新幹線に乗車。みどりの窓口、みどりの券売機にはバファローズのユニフォーム姿のファンもちらほら。福岡遠征お疲れ様・・・。

それにしても、福岡観戦で勝てないなあ・・・。

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