まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

「ミラクル近鉄」の復刻・2

2011年08月16日 | プロ野球(バファローズ・NPB)

試合から2日を経過しての観戦記ということになる。ネタとしての鮮度は落ちるが、やはり「近鉄復刻」のメモリアル試合なれば自分の視点で書き残しておいたほうがよい。

それにしても、せめて昨日に書けばよかったのだが、先の記事の通り、居酒屋で意気投合した2グループと2次会まで行って終電で帰るというザマで(もし翌日が休日だったら遠しで行っていたかもしれません)、その上彼らの連絡先だの何だのというのは聞いていないのだから、本当に何をしているのやらという感じである。このブログの先のコメントにも酒飲みに関するご意見を頂戴したばかりというのに、あきませんなあ。

Dscn0001さて試合に戻る。近鉄のユニフォームに袖を通して1塁側指定席へ。ここかしこに近鉄ユニ姿の人が目立つ。今年行われた阪急、近鉄の復刻試合。まあ対戦相手の違いやお盆時期というのもあるのだろうが、阪急復刻試合で阪急のグッズに身を固めた人と比べて、ファンの盛り上がりとしては近鉄のほうが多いような雰囲気。やはり「大阪」での試合、そして消滅した球団の復刻ということもあるのだろうが、これはそれぞれのファンの思い入れ、言い分のあること。ただ元近鉄ファンの私からすれば、そりゃ、今日の試合のほうが身が入るというものだ(阪急復刻の時は相手がカープだったこともあり・・・)。

Dscn0003グラウンドに目をやると西武の打撃練習中。そこには往年の近鉄の4番・土井正博コーチの姿もある。かつての秋山、清原、そして現在の中島、中村らに代表される西武の強打者を育てた名コーチ。この人の「背番号3」、それなりにバファローズの歴史に受け継がれていっている。

Dscn0063先の記事で鈴木啓示氏のメモリアルピッチのことを書いたが、その時「バッター後藤」としたのは誤り。正しくはキャッチャー後藤、バッターは坂口。

Dscn0068その後、当時の懐かしい映像が流れる。70年代、阪急は常勝軍団としての栄光に包まれた歴史の映像が中心だったが、近鉄の場合は弱小球団から力をつけて這い上がっていく時期。若手選手が西本監督の熱血指導の元で成長していくのを振り返る映像である。

Dscn0067当時の捕手であった日本ハムの梨田監督が、現在の日本ハムのユニフォーム姿でコメントを寄せたのはなかなか粋な対応だった。かつて在籍した球団とはいえ、ペナントレースを戦っている最中に敵チームのイベントに登場するなんてなかなかないこと。そのあたりも梨田監督の人間性なのかな。

Dscn0075バファローズ先発は一度先発を回避した寺原。復調具合はどうかというところだが、ひげをはやしたふてぶてしい顔、このユニフォームも結構似合っている。

Dscn0083ただ初回、打ち取った当たりもあったが原、中島、中村の3連打で一死満塁のピンチ。ここでフェルナンデスに犠牲フライが出て1点先制。ただここをこの1点だけでしのいだのが後に大きかった。

Dscn0036一方の打線。この日はかつての近鉄選手の応援歌も復活。前半は藤井寺時代、中盤は現在のバファローズ各選手の応援歌、そして後半は大正ドーム時代の応援歌が続く。ただ個人的には藤井寺球場でのアカペラ応援が懐かしく思う。外野スタンドには岡本太郎デザインの猛牛マーク、そして近鉄特急「ビスタカー」の「V」の字をかたどったデザインの旗も翻り、「まだあったんや」と感心する。

Dscn01032回裏、バルディリスが西武先発・石井一から四球で出塁し、続く荒金。フルカウントからのボールをハーフスイングで見送り、球審はボールと判定して一塁に行く仕草を見せた。ところが西武側が一塁塁審に判定を求めたところ、スイングの判定。結局荒金は三振。バルディリスもスタートを切っていたものの四球と判断して二塁直前でスピードを緩めていた。西武の野手が一応タッチしていたのが、判定が四球ではなく三振となったためにタッチアウトが認められ、結局「三振ゲッツー」となってしまった。これには岡田監督も抗議。応援席からもきびしいヤジが飛ぶ。先の試合でもボークの判定をめぐる抗議もあったとかで、正直「またか!」というところだろう。

Dscn0112これで打線も奮起したか、次の3回に二死満塁と攻め立て、T-岡田がショートへのゴロ。ただ深いところだったのが幸いして内野安打となり、1対1の同点に追いつく。

Dscn0118続く4回はこのところ打撃好調の赤田がレフトへ。2対1と逆転に成功してスタンドも大いに沸く。

Dscn0120私の席の前のほうに近鉄ファンのグループが陣取っていて、ほとんど毎回応援コスチュームを変えるおじさんが仕切っている。三色のユニフォームになったかと思えば、「大阪近鉄」時代の法被姿になったり、背番号1のTシャツ1枚になってみたり、ヘルメットをかぶったりと忙しい。寺原が三振を奪うと、かつての野茂が三振を獲った時にスタンドで掲げられた「K」のボードをかざしたりと、実に熱心かつあわただしい。おそらくこの機会に持っているグッズをすべて虫干しにするか、お盆だから供養でもしようというのか。そして勝ち越しの時は大きく万歳三唱。いや~、見ていて楽しいもんですなあ。

Dscn0086そういう声援もあってか、先発の寺原、ピンチを迎えることもあったが粘り強い投球を披露して西武打線に追加点を許さない。スコアだけ見れば寺原-石井一の締まった投手戦のように見える。

Dscn0126西武のほうも70年代当時の、あれは西鉄なのか太平洋なのかのライオンズの応援歌が流れ、ラッキー7。この回は寺原を捕まえ、栗山のタイムリーで2対2の同点となる。今年のライオンズ・クラシックで着用している初代ライオンズのユニフォーム姿の人も目立つレフト側、三塁側からも大きな歓声が沸く。さて、「混戦BB会」らしく試合の行方はわからなくなった。

Dscn01358回からはバファローズは平野、西武は途中からミンチェが登板。それぞれが勝ち越しを許さない投球でがっぷり四つ。9回がまさにそのような感じで、西武がヒットと2四球で満塁のチャンスをつくったが、原が三振に倒れ勝ち越しを逃す。

Dscn0151一方のバファローズ。先頭の代打・イ・スンヨプ、続く竹原は倒れるものの、鈴木、赤田の連打でサヨナラのチャンス。ここで迎える坂口。ショートへのゴロとなるが、バウンドが高かった分ショート中島の捕球が遅れ、どこにも投げられず内野安打。鈴木は三塁を回っていたがきわどく帰塁する。

Dscn0156二死満塁。スタンドからは「ぶちかましたれ!いてこましたれ!大引根性見せたれ!」の大声援。大引も粘る。ライト線に際どいファウルもあった。そして打ったあたりは一・二塁間を抜けてサヨナラ!!・・・と思いきや、西武のセカンド・原が必死に追いつき、これを一塁でアウトにした。歓声の後の悲鳴が起こるが、ここは原のファインプレーである。

Dscn0161そして延長戦。私の今季4回の観戦のうち、延長戦は2回目。前回はナゴヤで岸田が小池にサヨナラ本塁打浴びたよな・・・とか、その前は岸田が9回に決勝本塁打打たれたよな・・・とかいうことがあり、下手したら「私がナマ観戦に来ると岸田が本塁打を打たれる」というジンクスができかねないところ。何とか踏ん張ってほしい。

Dscn0159もっとも今回は下位打線ということもあり10回表は岸田がきっちりと3人で打ち取る。9回を終えた時点で3時間20分近くなっており、実質延長はこの回まで。これでバファローズの負けはなくなったが、やはりここで押し切って試合をモノにしていかないと、CS争いは難しいなというところ。

Dscn016610回裏、守るだけの西武はマウンドに抑えの牧田投入。牧田ねえ。サヨナラも見たいし、牧田にきっちり仕事をしてほしい気持ちもあり。複雑なところである。

バファローズは後藤、T-岡田があっさりと倒れ、これは引き分け濃厚かなというところ。バルディリスがヒットで出塁し、続くは途中出場のイ・スンヨプ。さて、現在の「背番号3」はどう打っていくのか。

Dscn0169その初球。高々と舞い上がる打球。そのまま何かに後押しされるかのように、スタンドの前列に吸い込まれていった。サヨナラ本塁打!

Rscn0180Dscn0173うーん、近鉄という球団には「ミラクル」の色があったが、この日の最後はまさにそうだった。往年の「背番号3」のスラッガーたちが後押ししたといえば言い過ぎだったか。

Dscn0181インタビューに答えるイ・スンヨプ。恐らく当時の近鉄球団のことなど知らないだろうが、いろんな人たちの思い出や期待というものを背中に感じたのはあっただろう。「背番号1」が投げて、「背番号3」が最後を締める。復刻イベントにふさわしい試合であったと思う。

Dscn9977やはり「投げたらアカン!」というのが選手に伝わったのかな・・・?

Dscn0196スタンドでは先ほどの近鉄ファンのおじさんのところに、黄色ベースに赤色という、かつての応援団のいでたちの男性も。藤井寺の内野にいたなあ、この格好の人たち。当時はバリバリだったと思われる男性。感極まったように一緒に万歳。私も思わず万歳!

Dscn9997この近鉄復刻試合、今月の26~28日のロッテ戦でも行われるが残念ながら観戦はできず、私としては今季最初で最後の観戦ということになる。「近鉄を合併で消したうえで何が近鉄復刻やねん」と、この手のイベントに否定的な声は少なからずあったようだが、やはり実際に観に来て、選手たちのプレー一つ一つを目にすると、そういう過去の経緯は頭から消える。やったことが無意味ということはないだろう。これからも少しずつ、いろいろと違った視点からの歴史探訪ということで、近鉄、阪急、オリックス問わずこういうイベントが続けばなと思うのである。

これからますます熱くなるクライマックスと勝率5割をかけたペナントレース。これを契機に「いてまえ魂」「青波魂」で戦い抜いてほしいものである・・・・(って16日は負けたか)。

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3 コメント

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行きましたよ。痛いよ。手のひら青たんできちゃい... (まゆごもり)
2011-08-16 23:40:49
最後まで見てたら往っちゃうよ球。

温泉後で汗だらけ ぱーぷっち
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お酒の話覚えて下さり嬉しいです。 ()
2011-08-17 00:01:36
この国の医療費の大半はお酒がらみだと多くの方はご存知無いと思います。お二人にはせめて、ブログのアドレスを渡せば良かったかと思います。

過ぎた事なのにすみません。今まで一方的に振り回され過ぎたせいで、移っちゃったのかなぁごめんなさい
気を付けます
まつなるさんのお陰で凄く救われたの。ありがとうございました。(何の事か?)と思われるかと思いますが・・深くは聞かないで下さい。これからもまつなるさんのブログ続いてくれるといいなと思います。
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まゆごもりさん (まつなる)
2011-08-17 19:34:24
バッティングセンター、痛かったけど楽しそうでしたね。
ぜひ、野球の観戦でプロの技を見ることができるといいですね。あんな球を軽々と打ってしまうんですから。


桃さん

私も余計なことは詮索しないようにします。ただ、こちらとしては淡々と書いている感じで、誰かを勇気づけるとか救うとかいう大袈裟には考えてませんが、そう思って楽しみにしていらっしゃる人がいることは、こちらの励みになります。これからもご愛読よろしくお願いします。
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