まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

「石油がわかれば世界が読める」

2008年06月19日 | ブログ

このところの原油価格の高騰は連日の報道のとおりあらゆるところに影響を及ぼしており、今朝のテレビでは、重油が高騰しているが商品価格に転嫁できないため、全国のイカ釣り漁船が漁を休んで補助金の拠出を求めるという運動のことをやっていた。動力エネルギーとしてだけでなく、食糧の生産・供給に石油は欠かせないもので、一方でその筋による投機がやまない限りはこの問題は抜本的な解決にならない(だから、イカ釣り漁船に補助金を出してもその場しのぎでしかない)という問題がある。

41y7ryuoerl そんな中見つけたのがこの「石油がわかれば世界が読める」(瀬川幸一編 朝日新書)である。この編者をはじめ何人かの執筆によるものだが、2008年に社団法人石油協会が創立50周年を迎えるにあたり、その記念事業として世に出した本とか。石油協会。こう書いては失礼かもしれないが、何だか天下りの、油まみれならぬ金まみれの利権のにおいがプンプンするような名前の協会のイメージ。

その中で強調されているのは、石油がエネルギー効率の非常に高い資源であること、その石油の効率を最大限引き出す技術革新が日夜進められてきたこと、バイオマスエネルギーなどへの安易な「脱石油」は結局は食糧増産のために余分なエネルギーを使用することであり現在の食糧価格の高騰を招いていること(食糧を食糧として使わないから需給バランスが崩れるという考え方)・・・などであり、「石油をもっと効率よく使う」ことを前面に押し出している。最近のハイブリッド車や天然ガスやらバイオマスも次世代の資源にはなりうるが、やはり現代社会を支えるエネルギーが石油であることには変わりないというものだ。

現在、地球環境への関心の高まりもあって、省エネやクリーンエネルギーへの評価が高まり、石油というのはどちらかといえばマイナスイメージがついて回る。石油を扱っている人たちの書いたものだからある程度身びいきというのはあるのだろうが、これまで知っているようで知らなかった石油の化学的な解説や、石油の価格の決まり方などの解説もあり、なかなかためになる。いくらクリーンエネルギーが重要だからといって石油をゼロにするわけにもいかないしな・・・。

ただ、「世界がわかる」というのはタイトルと中身で差が大きいような・・・。確かに石油価格が決まるメカニズムはわかったとしても、現在の原油価格高騰を引き起こしている大きな要因の投機筋をどうするというところまでは踏み込めていないし。やはり石油協会で扱うには大きくなりすぎた問題なのかな。

何とかしろよ、経済評論家。

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