まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

第1回四国八十八所めぐり~第6番「安楽寺」

2016年07月31日 | 四国八十八ヶ所
徳島バス鍛冶屋原線の東原バス停から10分ほど歩くと、龍宮城のような形の山門が現れる。第6番の安楽寺である。ここは温泉つきの宿坊があり、朝から第1番の霊山寺から歩きで来た人は、初日はここ、もしくは次の第7番十楽寺にある宿坊に泊まる人が多いそうである。せっかくの四国めぐり、宿坊の宿泊というのも面白そうだが、移動しながら途中で宿泊となると大がかりな荷物を担がなければならない。また私の場合、就寝時にある機械を使用しなければならず、これが大きなネックである。普通の旅行ならキャリーバッグを引きながら移動するのだが、八十八所めぐりでキャリーバッグもないだろう。この先どこかでそういう宿泊もあるだろうが、今のところ徳島県内では徳島駅前などをベースとして「通い」で行くことになりそうだ。

山門の前に「四国六番 安楽寺」の石柱があり、その横には「四国遍路五百度満願記念 先達 福田祐峯(正之祐)」とある。安楽寺のあるここ上板町の出身で、500回の満願を記念して建てられたものである。

それにしても四国遍路を500回満願って・・・平成11年から11年の年月をかけてとあるが、年平均40数回、月に3回以上は満願している計算になる。まあ、だとすると歩きではなくクルマということになるのだろうが、それでもほぼ休みなしで回っている計算である。弘法大師は今でも四国を回っていると言われているが、手段の違いはあるとしても、「現代版弘法大師」と言っていいだろう。さらに驚きなのはこの福田先達は今でもご健在で、今年で満願回数は640回を超えるとか。ネットを見ると、福田先達に会ったり宿が同じになったことが巡礼中のありがたい出来事として書かれているものもある。

境内には池があり、その向こうには弘法大師像と「さか松」がある。ある日、猟師が弘法大師を獲物と間違って矢を放った。すると1本の松が風もないのになびいてその矢を受け、大師の身代わりになった。猟師は病気の父親に猪の肝を飲ませようとして狩りをしていたのだが、弘法大師はそれを聞いて父親に加持を行ったところ、病が治った。身代わりになった松の枝を逆さに植え、「この松が芽を出し栄えることがあれば、この地を踏む者は災厄を逃れる」とした。何でまた逆さに植えたのだろうか。

本堂の前には温泉の成分が出ている手水もある。飲んではいけないが・・・。

本堂は近年再建されたものだそうで、扉を開けて入るようになっている。「冷房中のため扉をお閉めください」とある。中では何組かが手を合わせているが、外に比べれば幾分か涼しい。こちらの本尊は薬師如来。ということで、日光・月光菩薩、十二神将という「チーム薬師」が勢揃いである。この本尊薬師も昭和の作ということで、それにまつわるエピソードがあるのだが、書けば長くなるので詳細は安楽寺のホームページにて。

納経所は本堂の中にあるが、ここは作法通りに先に大師堂にお参りということで一度外に出る。大師堂も同じようにドアを開けて中に入るが、こちらは冷房がなく、閉めきった空間なのでムワッとする。また汗が出てきた。

朱印をいただいた納経帳をリュックにしまっていると、横では納経軸にドライヤーを当てている人がいた。さすがに八十八もあると納経軸も大きい。クルマやバスツアーならまだしも、歩きで回るなら結構な荷物になりそうだ。ただその分、得られるものは大きいだろう・・・。

駐車場の入口に「遍路道」と書かれた石碑があり、上に弘法大師像が乗り、横には「四国八十八ヶ所徒歩巡拝 全国友の会結願者氏名」がずらりと並ぶ。先の福田先達を顕彰する意味合いもあるのだろう。この石碑を背に、次の十楽寺に向かう。時刻はまだ10時半だが、結構しんどくなってきた・・・。
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