11月13日、橋本を出発し、慈尊院、丹生官省符神社、丹生都比売神社を経て、高野山金剛峯寺の大門を通過。自分でクルマを運転して高野山に入るのは初めてである。カーブが連続するうえ雨に見舞われたものの、南海高野線~ケーブルカーで来るのとはまた違った感覚で楽しかった。ならば次は高野山町石道を歩いて・・はちょっとね。
壇上伽藍の中門前の駐車場に空きがあったので停める。壇上伽藍、金剛峯寺は徒歩で回り、その後クルマで奥の院に向かうことにする。それにしても、高野山の一帯に何ヶ所も駐車場があるが、いずれも無料である。コインパーキングの要領で1回100円でもいいので徴収すればかなりの上がりになると思うが・・。
そこは高野山真言宗の考えだそうで、これらの駐車場は(実態はともかく)「高野山の参詣者用」の扱いだからという。また、高野山が駐車場を無料で開放することで、「参詣者」は域内を気軽に行き来することもできるし、違法駐車、迷惑駐車も少ないという利点があるとも言われている。
2015年、高野山開創1200年を記念して再建された中門である。同じく再建された四天王に手を合わせて伽藍に入る。
まずは薬師如来を本尊とする金堂へ。元々は高野山の総本堂として建てられたもので、現在は7度目の再建で昭和の建物である。まずはこちらでお勤めである。
そして根本大塔へ。こちらでは靴をビニール袋に入れて中に入る。今はこちらが金剛峯寺のシンボルと言える。中央に大日如来が鎮座し、周囲には金剛界の仏像が祀られ、柱には堂本印象の筆による十六大菩薩が描かれる。建物の四隅には弘法大師につながる真言八祖が描かれている。建物全体で立体曼荼羅を構成している。ここでもお勤めだ。
雨の中、伽藍の諸堂を見ながら歩く。紅葉もまだ見頃のようだが、この雨と風で落葉も進むことだろう。同じところでも違う季節に訪ねると印象も変わるもので、札所めぐりの飽きないところである。
正門にやって来た。こちらは紅葉は終盤だろうか、落ちた葉が参道の脇に集められ、そちらはそちらで紅葉のじゅうたんのように演出している。
こちらには何回か来ているが、これまで訪ねた中で寺というよりは書院の襖絵や庭園の印象が強い。祈りの場としては金堂や根本大塔があり、こちらは寺務の中心という役割があるのだろう。高野山といえば古来からさまざまな人がお参りする中、高貴な身分の方もせっかく来たのならどこかで接待もしなければならなかったことだろう。そうした時に活用されたのがこちらである。
今回、中の襖絵や庭園の見学は省略し、入口の受付で神仏霊場の朱印をいただく。ともかくこれで、前日の堺から河内長野、橋本を経てやって来た神仏霊場めぐりは目的達成である。
帰りは車道沿いに歩き、霊宝館は今回は見送る。そういえばこの日(11月13日)は、愛媛県美術館にて「国宝 高野山金剛峯寺展」の最中だった。運慶・快慶作の展示が見どころというが、仏像メインで高野山を回るのならむしろ広島から近いところに集まっていたわけだ(なお展覧会は11月20日で終了)。
中門に戻りクルマに乗ろうとするが、先ほど歩いている間に雨風の影響で落葉が進んだようだ。クルマの窓、屋根、ボンネットにいくつも葉が落ちている。払うのも面倒なので、このまま走ることにする・・・。
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