まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

第5回九州八十八ヶ所百八霊場めぐり~第92番「不動院」(門司の名門ゴルフ場と北九州のBRT)

2022年12月16日 | 九州八十八ヶ所百八霊場

九州八十八ヶ所百八霊場めぐりは、貫山真光寺から第92番・不動院へと移動する。不動院は西鉄バスの門司ゴルフ場前が最寄りで、下曽根駅を挟んで南北に位置しているが、西鉄バスのサイトで検索すると、乗り継ぎは下曽根駅ではなくそこから少し進んだ寺迫口で、かつ40分ほどの待ち時間とある。

寺迫口とはどういうところか、しかもバス待ちの40分は長いなと思っていたが、実際にバスで着いてみると、門司方面への道路と、小倉、苅田港方面の道路が交わる交通量の多いところだった。近くにはコンビニもあれば商業施設の中にGEOがあり、40分くらいの待ち時間なら全く退屈することがなかった。GEOの書籍コーナーで文庫本1冊購入、そして商業施設前のバス停は1つ進んだ寺迫口北。

次に乗るのは恒見営業所行きである。恒見営業所からは門司方面、小倉方面のバスが出ており、そこまで行けば後のコース、時間も見えてくる。真光寺~不動院の順にしたのは恒見営業所の存在もあった。バスは途中の住宅団地を経由しながら進む。

不動院もよりの門司ゴルフ場前に到着。バス停の名前にもあるように、この先にゴルフ場がある。バス停前には不動院の看板もあり、徒歩数分で行けそうだ。このゴルフ場だが、正しくは「門司ゴルフ倶楽部」で、昭和の初期、国際港であった門司港にゴルフ場をということで建設された伝統と格式ある倶楽部だという。そのためか、プレーできるのはメンバーとその紹介者のみとか、ドレスコードに厳しいとか、そちらの部類のゴルフ場である。そうしたゴルフ倶楽部となると、西鉄バスでこの停留所に降り立ち、ゴルフバッグを担いで行こう・・という客はお断りだろう。

ちょうどゴルフ場の敷地が近づいたところで道が分かれ、ちょうど田園風景が広がるところに新しい感じ立派なお堂が見えてきた。

不動院は九州八十八ヶ所百八霊場の第92番であるとともに、九州三十六不動霊場の第33番でもある。かつては国東半島にあった寺で、大正時代に心玉阿闍梨が人々に救いの手をさしのべるためにこの地に移転、再興したという。本堂の前には地蔵菩薩や不動明王などさまざまな像が建つ。

本堂の入口横には「開山大師」として石像が置かれている。心玉阿闍梨その人だろう。刀を手にしているのは、まさか自らを不動明王になぞらえたとか・・?

本堂の扉を開けて中に入る。お堂の中で自由に参拝できるスタイルである。他に人影がないなと見ると、本尊の不動明王像の後ろから寺の方が出てきた。ちょうど本堂の掃除をしているところのようだった。まずはここ本堂でお勤めである。

隣接する阿弥陀堂に続く廊下がある。そちらも自由に参拝ということで行ってみると、こちらの阿弥陀如来像の前の広間には四国八十八ヶ所の本尊の御影絵がずらりと並んでいる。お砂踏みの砂袋があちこち散らばっているのは気になるが、四国八十八ヶ所絡みの法要でも行われていたのかな。それにしても、この空間にいるだけで本四国の御利益もいただけそうに思えた。不動院の熱心さの一端をうかがえたようだ。

さて朱印をということで本堂の中を見渡すが、印鑑が置かれた台や箱が見当たらない。そこで掃除中の寺の方に声をかけると、本堂向かいの寺務所で対応するので一緒に行くとのこと。納経帳に押印していただき、お茶のパックのお接待をいただく。

さてここからどうするか。先ほどの門司ゴルフ場前バス停に戻ってもいいが、そこからどこかに行くにしても、寺迫口に戻るよりは、少し先の恒見営業所を経由したほうが選択肢が増える。その営業所だが、不動院から歩いても15分~20分くらいで着きそうで、このタイミングならバスを待つのと同じ時間で行くことができそうだ。

のんびりした景色の中を早歩きして、恒見営業所に到着。はたして門司行き、小倉行きの便が発着する拠点で、この辺りの交通の要衝のようだ。バスを待つ人の姿もそこそこいる。

さてどの便に乗ろうかと営業所に貼り出されている時刻表を見ると、「BRT」という文字が見える。BRTとは「バス・ラピッド・トランジット」の頭文字から取った言葉で、日本語では「バス高速輸送システム」と訳されている。私がこの言葉を聞いて連想するのが、東日本大震災で大きな被害を受けたJR東日本の気仙沼線、大船渡線で、鉄道での復旧を断念し、路盤跡をバス専用道として整備したものである。現在工事中の日田彦山線の添田~夜明もそうかな。もっとも、BRTの形式はバス専用道に限らず、連接バスや公共車両優先システムなどにより、速達性・定時性の確保や輸送能力の増大が可能となる機能を備えたもの、とされている。

そして今やって来たのは小倉駅方面行きの連接バスである。北九州市内では、小倉~黒崎、小倉~戸畑に続いて小倉~恒見が3路線目で、2021年夏から運行しているという。

11時44分発の小倉駅経由砂津行き。こういう構造の車両なので途中の停留所は限られ、先ほどの門司ゴルブ場前は通過する。郊外から北九州中心部へと車窓が移り変わり、小倉駅まで1時間弱で結ばれる。その時間も、車内でちょっと考えごとをしていたこともあり、あっという間に感じられた。

午前中いっぱいで東側の2ヶ所を回り終え、午後からの先行きも見えてきた。昼食ということで小倉駅ホームのかしわうどんとして(もう少し手の込んだものを食べればいいももだが・・旅をすると昼食が欠食になるパターンが多いので、駅ホームのかしわうどんは貴重な存在)、鹿児島線の列車で移動する。

この先の2ヶ所へは戸畑駅が起点となる・・・。

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