まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

第28番「明王院」~近畿三十六不動めぐり・6(成田山で七五三参り)

2017年11月11日 | 近畿三十六不動
近畿三十六不動めぐりの6ヶ所目は寝屋川の「明王院」というところに行く。明王院??という名前を聞くと「そんなところあったかなあ」と思われる方がほとんどだと思う。

「明王院」というのは近畿三十六不動霊場のホームページでそのような記載があるからそう書いたまでで、つまりは成田山不動尊の大阪別院である。「大阪の成田山」と聞けば多くの方がご存知ではないかと思う。ということで、京阪電車に乗って最寄りの香里園駅に現れる。成田山のほうが一般的な呼び方になっているから、この記事でもそのように書いていく。

京阪電車に乗ると、各車両の端にこのようなお札が掲げられているのにお気づきの方も多いと思う。また、町中を走るクルマの後部に成田山のステッカーが貼られているのを見かけることもあるだろう。交通安全祈願ということで言えば大阪ではもっとも知られている寺院ではないかと思う。また、毎年の節分祭にはNHKの朝ドラのヒロインや芸人、地元出身の力士が豆まきをすることでも知られている。

成田山といえば千葉の成田山新勝寺が起源であるが、関西でも古くから信仰されていたそうである。そして大正、昭和となり、成田山の大阪別院建立の声が高まり、新勝寺もこれを認める。その場所は大阪から見て表の鬼門、京都から見て裏の鬼門ということで寝屋川の香里の地が選ばれ、1934年(昭和9年)、京阪がかつて経営していた香里園遊園地の跡地の一部を寄進することで建立された。そして地域の発展と鉄道輸送の安全を祈願したのが、大阪の成田山の起こりである。建立の年代や経緯がはっきりしている寺院というのも、伝説や伝承に由来を求める札所が多い中では珍しいと言える。

成田山に来るのは初めてではない。というか、ここ数年、年に3回のペースで参詣している。私の勤務先企業のことで、期首(4月、10月)と年始(1月)には災難消除、安全の祈祷ということで祈祷を受けている。いわば「公式参拝」。その時は朝7時半からの護摩供を受けた後、そのまま京阪電車に乗って伏見稲荷へ移動、こちらでは商売繁盛の祈祷を受けるのがセットになっている。今回は私の個人的な不動めぐりで、そうした形で来るとなると初めてである。別にその後どこかに行くわけでもないので、11時半からの護摩供に行くつもりで出てきた。なお本堂内で行われる護摩供は、祈祷を申し込んだ人でなくても本堂の中に入って一緒にお祈りすることができる。

成田山には香里園駅からバスの便があるが、歩いても15分ほどで着く。いつもの参詣の時に通っている住宅地の中を抜け、山門にいたる。こうして昼前に来るのも初めてで、やはり朝とは雰囲気が違う。停まっているクルマは駐車場のものではなく、祈祷を受ける人達である。

雰囲気が違うといえば、フォーマルスーツを着た人や晴れ着姿の子どもたちが境内のあちこちに目立つ。あっと思ったのは「七五三参り」・・・。なるほど、ちょうどその時季だったということに気付かなかった。七五三か・・・私もかなり前、5歳の時に、地元の天満宮に連れて行ってもらったな(その時のことは全然覚えていないのだが、親に言わせればふくれっ面をしていたそうだ)。

この日の護摩供は七五三の特別祈祷ということで、30分置きに行われている。七五三でなくても本堂には入れるので中に入り、外陣の後ろのほうに座っていると、次々に親に手を引かれた子どもたちが入ってくる。僧侶が一人一人にご真言を唱えて頭をなでた後、祭壇の周りに座る。全員が座ったところで祈祷の開始。僧侶が祈願文と願主の名前を読み上げるが、それらは子どもの名前である。たまに、いわゆるキラキラネームが交じってくる。

祈祷の次第はこの経本の中にあるのだが(札所めぐりをするようになってから、会社での祈祷の折に購入した)、通常ならこれをがっつり一通りやって、聖不動経から三十六童子、般若心経に最後は諸々の仏や神の真言を唱えるのだが、何せ30分サイクルでやらなければいけないからだいぶ端折っていた。また、読経の最中にどうしてもぐずったりゴソゴソする子どももいる。これは仕方ないかな。

祈祷を終えて七五三の家族とともに本堂の外に出る。護摩供に入って参詣としては形になっているが、予定外の出来事で私の中ではちょっと消化不良に思うところもあった。ふと、本堂の外の大賽銭箱の前を見ると、経本を持ってモゴモゴとやっている人が数人いる。ならばということで、私もその横に立って、次の護摩供が始まるまでの時間でお勤めとする。これで落ち着いた。

いつもの参詣では次の伏見稲荷に向けて慌ただしく境内を後にするのだが、今回は時間があるので境内を少し見て回る。本堂の右奥にあるのが大師堂で、こちらが真言宗の寺院であることを改めて認識する。賑わっていた本堂に比べてこちらを訪ねる人はほとんどなく、お堂の中に上がって弘法大師像に手を合わせる。

また、四国八十八所のお砂踏みもある。こうしたお砂踏みを見ると、現在進行中の四国めぐりの位置を確認してしまう。現時点でちょうど半分を過ぎた48番まで来ているが、こうして祠がずらりと並ぶのを見ると、まだ残り40所あるのかというのがリアルな光景として現れる。

その後で再び正面に回ると、笑魂塚という石碑がある。これは恥ずかしながらこれまで全然気づかなかったものである。1959年、関西演芸協会が関西演芸界の物故者の供養と、芸道の発展を祈願して建立したものだという。こうして見ると成田山というのが幅広く信仰を集めていることが改めて実感できる。近畿三十六不動の選抜メンバーに入るのも当然かなと思う。

例のバインダー式のご朱印をいただいたところで、次の行き先決めである。

1.生駒(宝山寺)

2.竹田(不動院)

3.大原(三千院)

4.嵯峨(大覚寺、仁和寺、蓮華寺)

5.大阪キタ(太融寺、国分寺)

6.東山(聖護院、青蓮院、智積院)

京阪電車の広告や駅の案内にもあるが、11月、そろそろ紅葉が見ごろである。混雑は必至だろうが紅葉といえば京都、出目は郊外の竹田も入れると4つある。また生駒山も紅葉スポットである。そんなところで出たのは・・・・「5」。

ありゃりゃ・・・この中にあって大阪の都心部が出るか。またそれよりも、またしても「5」が出たのにがっくりである。これまで近畿三十六不動で4回サイコロアプリを操作しているが、これで4回とも「5」である。アプリのインチキかと・・・いやいや、不動明王の思し召しかと。確かに、それ以外のところで操作したら、他の目もランダムに出てくる。

大阪キタならばこのまま京阪で移動してその足で・・・も可能だが、あくまで1日で1エリアということにする。また大阪は大阪で楽しめるところもある。ということで次を楽しみに・・・。

※余談だが、いつぞやこのブログで、京阪の特急の「プレミアムカー」について書いたことがあるが、先日仕事の関係で京都に行くことがあり、アクセスが京阪だったものだから乗ってみた。平日の昼間ということでガラガラで、窓口で直近に出る列車の席は楽々確保できた。シートの座り心地はいいし、ゆったりとした時間が過ごせる。指定料金500円は正直運賃にょりも高いがそれだけの価値はあると思う。ぜひ、京阪間の移動で話のタネにおススメする。この時は勤務中だったのでやらなかったが、「プレミアムカー」には「プレミアムモルツ」でも買って乗り込むのも面白いかと・・・。
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