まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

第1番「青岸渡寺」(2回目)~西国三十三ヶ所巡り・14(大門坂~青岸渡寺~那智大社~那智の滝)

2015年03月06日 | 西国三十三所
紀伊勝浦駅からバスに乗る。路線バスではあるが車体も結構大きい。参詣客を当て込んでのことだろう。

那智駅でも乗客を拾うがそれでも車内は数人しかおらず、山を目指す。この辺り、3年ほど前の台風で大きな被害を受けており、今でも河川の改修工事が行われている。

大門坂に着く。雨が降っていて迷っていたが、下車した。前回利用した巡礼バスツアーは、それこそ青岸渡寺の往復と土産物屋しかなかったので、今回はもう少し歩いてみたいと思っていたところである。そこでちょうどいいのが、熊野古道の風情が残る大門坂から歩き、帰りに那智の滝を見てバスに乗るというコース。

夫婦杉が並ぶ間を抜けて、石段を上る。周りの杉が少しは雨よけになるが、排水路があるわけではないので石段の石の間には水溜まりもできている。600メートルほどの長さで100メートルほどの上るから、結構急である。雨のせいか、行き交う人の姿はほとんどない。湿気で周りには水蒸気が立ち込めており、私の頭からは湯気が出る。

建物の姿が見えた。那智山のバス停である。青岸渡寺へはさらに400段以上のコンクリート階段を上る。ここまで来れば後は勢いだ。

西国一番の青岸渡寺。階段を一気に来たのでしばらく休んで息を整える。ちょうど内陣では揃いの白装束姿の団体がお勤めの最中である。それが済んで外に出てきたのを見計らって私もブツブツとやる。前夜ホテルの部屋で書いた写経も受けていただく。

そしてご朱印。納経軸の最も右上に入る。菊の紋も押していただく。書いていただいている間、横で売られていた納経軸や朱印帳を見ると、軸は最上段の真ん中に押印済のものが売られている。ここは一番札所として、いろいろ買い求める人が多いのを見越してのことだろう。朱印帳もあらかじめ書かれていて、日付だけを書いてもらうことになっている。前回のバスツアーで朱印帳はすでに書かれているため、「重ね印」というのをしてもらう。前の印からちょっとずらして印を押す。回を重ねるとそれだけ印の数も増え、ありがたみが増すというものである。

とにかくこれでミッションはクリア。ということで、次の巡礼先を決めるくじ引きとサイコロである。ラインナップは・・・

1.丹後半島(成合寺、松尾寺)

2.和歌山(紀三井寺、粉河寺)

3.阪急京都線(善峯寺、総持寺)

4.大津石山(岩間寺、石山寺、三井寺)

5.東山(今熊野観音寺、清水寺、六波羅蜜寺)

6.姫路(圓教寺)

この中で丹後か姫路が出れば、青春18きっぷをもう一回投入する。納経軸を片付けるための和歌山紀三井寺、粉河寺でも良い。あとの3つなら青春18きっぷは金券ショップで買い取ってもらう。

とにかく、札所が固まっている京都府が全然来ないのである。今回は善峯寺、総持寺という京都線シリーズが初めて選択肢に出たが、このままだと終盤は連続して京都シリーズになってしまう。今回も選択肢は3つあるが、果たしてどうなるか。

そして出たのは・・・「4」。岩間寺、石山寺、三井寺という大津シリーズである。1日で3ヶ所というのも初めてだが、石山寺と三井寺にはかつて行ったことがある。岩間寺というのは西国三十三所巡りをするようになって初めて目にした名前である。青岸渡寺の記事を書く一方で次のルート調べもしているのだが、いろいろ見るにここも結構厄介なところのようだ。行く日はまだ決めていないが、石山寺、三井寺といった有名寺院よりも、この岩間寺の存在が「いろんな意味で」気になっている。

さて次の行き先も決まったところで那智大社にも参拝。神仏ともにお祈りをして、新たな気持ちになる。

雨のせいか、また観光シーズンにはまだ早いせいか、人の姿もまばらである。再び青岸渡寺に戻り、今度は那智の滝に向かう。青岸渡寺の本堂の横から三重塔と滝を見る場所があるのだが、この日は水蒸気のせいで何も見えない。三重塔の横まで行くがそれでも滝は見えない。那智には何回か来ているがこんなことは初めてである。

滝へと続く石段を降りてようやく姿を見ることができた。雨を含んで水量は結構ある。ただ上の方は見えない。神様が隠れているかのように見える。意味合いは違うが、「こもりく(隠国)」という言葉が頭に浮かぶ。

滝を見終えたところで、予定より一本早いバスに乗れそうだ。紀伊勝浦から乗る列車は同じだが、その分町中の滞在時間が増える。昼食はまだなのでちょうどよい。バス停で傘を差して待っていると、向かいの土産物屋のおやじさんが手招きをする。バスが来るまで雨宿りすればと勧められ、他の家族連れとともにバスを待つ。

バスが来た。家族連れは大門坂の駐車場にクルマを停めて歩いて上がってきた様子だが、全員でバスに乗るとそれだけバス代がかかるということで、ハンドルを握る父親だけがバスに乗り、またクルマで上がってくるようだ。なるほど、クルマで来たらそういう利用の仕方もあるな。

そのままバスで紀伊勝浦駅に到着。列車の発車まで2時間以上ある。この時間を利用して散策することに・・・。
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