『旬のうまい魚を知る本』(野村祐三著、知恵の森文庫)。読んで字のごとくの一冊である。
四方を海に囲まれており、その土地での魚を味わうことができる日本の国。私も鉄道の旅などで海のほうに出かけると、「うまい魚を食べたいな(というか、それを肴に飲みたいだけなのかもしれないが)と思う。
この本はカツオ、サケ、秋刀魚、牡蠣などポピュラーな魚に加え、地元に行かなければ絶対にお目にかからないような魚までを取り上げ、その魚の特徴、漁法、そして地元ならではの料理法、それを食べた筆者の感想を述べるというもの。中でも、海で生活する人たちの情熱というのか、海への愛着というのが伝わってくる。
最近の魚資源不足、後継者不足、燃料の高騰など、漁業を取り巻く環境は決して楽なものではないだろうが、それでも海のめぐみをいうものを大切にする気持ちというのは途切れることなく受け継がれているようだ。
こういうのを読むと、明日の夜は肉ではなく魚にしようかなと思わせる・・・。
※続編として、『旬のうまい魚をもっともっとよく知る本』というのがあるようで、こちらも手に入れて読んでみたいものである。