15日は台風4号接近のため、南房総での「くじら学」参加をキャンセルし、一度帰宅。ただ、せっかくなのでどこかに行こうと思い、同じ関東でも台風の円から外れそうな北関東は、久しぶりに乗るわたらせ渓谷鉄道を目指す。ただ、渓谷鉄道は16日のお楽しみとして、15日はその始発駅である桐生に前泊する。渓谷鉄道を訪れたのはもう7~8年前くらいになるか。その時も桐生駅前の「パークイン桐生」に前泊した。宿泊料が安いこともあり、今回も当日予約でこのホテルを手配。
北千住から昼過ぎの東武特急の「りょうもう」号に乗る。もうすぐ台風が関東を通過するという時間帯で、まるで台風から避難するかのようだ。果たして、沿線は雨こそ降っているが、暴風ということはなかった。結局終点の赤城まで1時間半の乗車。行き止まり式の東武電車の隣のホームは上毛電鉄。駅舎は両社共用だが、「おおまま 赤城駅」という表示。はて、「おおまま=大間々」とは、わたらせ渓谷鉄道にも駅名があるが、同じ大間々の玄関駅をこちらも主張しているということか。
時間があるので、上毛電鉄で中央前橋を目指す。やってきたのは元京王井の頭線で使われていたというやつ。前面に特徴がある。上毛電鉄では前面を赤やら緑やら黄色やらに塗られた車両が行き来している。サイドには「JOMO」。うん、某石油会社やな。そして中に入ると、網棚にはイルカやら金魚やらアザラシやらの縫いぐるみが吊るされ、窓にも魚のペイント。群馬の内陸部を行く列車が海のモードである。こういうことをすると縫いぐるみを盗られたりしないかと余計な心配をするのだが、この辺りの乗客はそんなことなどしないのだろう。大らかだなあ。
このほかに大らかだなと思ったのが、「自転車の車内持込」というやつ。ドアのステッカーに「自転車は後部車両へ」とある。朝のラッシュ時以外はどの列車でもOKのようで、これも地方私鉄のサービスの一環だろう。残念ながら、私の乗った列車、途中すれ違った列車に自転車を持ち込んだ人はいなかった。
空は曇っており遠くの眺望は利かないが、大雨や強風ということもなくのんびりと前橋を目指す。携帯で情報を検索したら、台風はちょうど房総半島のあたり。「くじら学」はどうなったことやら。
町の真ん中で急に行き止まりになった感じで、終点の中央前橋着。列車に接続してJR前橋行きのシャトルバスが運行されており、大人100円。歩いて歩けない距離ではないのだが、雨が降っていることもありバスの世話になる。ケヤキ並木の大通りを走り、県庁所在地のある市の玄関としては地味な感じの前橋駅に着く。
前橋からはJRで桐生へ移動。チェックイン後、町の中心部に向かう。桐生の名物といえばうどん、最近ではソースカツ丼という。ただ、夜の初めは町の居酒屋で飲みたいし(うどんは締め)、うどんの店はクルマでしか行けないところばかり、ソースカツ丼はあまり好きではない。雨上がりの町をぶらつくが、これといった決定打がない。かつての殖産興業の町で、結構「近代化遺産」的風情のある建物は目にするのだが・・・・。(この建物めぐりにしても、もっと早くに桐生に着いた、あるいは天気がよければ、「ノコギリ形屋根の建物」を含めもっといろんな建物を見たのだろうが)
で、結局はホテルに戻り、1階の小料理コーナーで軽く飲む。そこで、「ひもかわ」というのに出会う。これも桐生うどんの一つの形とかで、名古屋のきしめんや甲州のほうとうと同じ系統といっていいだろう。いや、それらよりも薄くて平べったく、その割にはコシがある。これはなかなかいけるぞ。
結局近くのコンビニで地酒その他を買い込み、ホテルの部屋で飲む。翌16日はわたらせ渓谷鉄道を訪ねるが、いくつかの「ポイント」を満たすのに、本数の少ない中どのように回るか。桐生の駅でもらった時刻表を眺めながら考える。その考えがようやくまとまったところで就寝。乗るのは桐生からの始発列車だ・・・・。(続く)