弁護士湯原伸一(大阪弁護士会)の右往左往日記

弁護士になって感じたことを綴っていきます(注意!!本ブログは弁護士湯原の個人的見解に過ぎません)

ちょっと厳しすぎる!?-神戸市の懲戒処分指針で自己破産も懲戒対象

2006年03月27日 | 経験談・感じたこと
報道ですが、神戸市が定めている懲戒処分指針について改定があったようです。
内容的には、
・セクハラは免職もあり得る
・パソコン等からの個人情報漏洩も懲戒対象
とのことですが、まぁ、現在の社会情勢からすれば当然といえば当然であり、逆に懲戒対象にするのが遅すぎるくらいのような気もします。

ただ、気になったのは個人破産をした場合も懲戒対象とする部分です。
単なるギャンブル等の浪費癖から自己破産した場合であれば、私事とは言え、市民からすれば、この様な人物に公務を安心して任せて良いのか?という疑問、公務員への信頼を害する場合も想定できるでしょうから、懲戒やむなしという気もします。
しかし、例えば、親の借金を肩代わりした、連帯保証で主債務者が破産したから一緒に連鎖破産した…という、あまり本人とは関係ない事情で破産に追い込まれた場合にまで、懲戒対象としてしまって良いものかは議論の余地がありそうです。

ちなみに、民間会社に勤務している人から破産の相談がある場合、必ず聞かれるのが、「自己破産したことが会社にばれないか」ということです。
結論的には、原則として「会社にばれることはない」となりますが、実際には、会社にばれたら最後、(特に中小企業であれば)自己破産=懲戒解雇あるいは退職に追い込まれる…という処分がなされているようです。

公務員の場合も、自己破産したことで懲戒処分の対象となり、懲戒内容が公表等されたら、当該公務員も事実上働くことができなくなるのではないでしょうか(収入が無くなったら、自己破産してまで経済的再起更生を図るというメリットがなくなるのでは)。

どの様に運用されていくのか、ちょっと気になります。



関連リンク
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060327-00000067-kyodo-soci

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