去る9月26日、自民党の新しい総裁に安倍晋三氏が選ばれた。これは日本を日本人の手に取り戻す、その大きな第一歩となる欣快事である。ここは政治ブログではないので多くは語らないが、まずは慶賀の至りと申し上げておきたい。今私の胸中にある注意点は、2つ。1つ目は、増すゴミからのバッシングに対して安倍氏をこれからしっかり守っていかねばならないということ。そしてもう1つは、近い将来安倍氏が総理になっても、いきなり多くを望まないということである。
2つ目の点はしばらく先の話なので急ぐ必要はないが、やはり心に留めておきたい重要なポイントではある。衆参ともまだ自民党が過半数を持っているわけではないし、党内に異論が出たりする案件も必ず出てくる。またスポンサーとなる業界の意向も当然、無視できない。それやこれやで、安倍氏(と言うか、保守系・愛国派の日本国民)が望んでいるような政策をいきなりガンガン打ちだしていくのは、相当難しいであろうことが予想される。そこで支持者があまり性急になって安倍氏を批判する態度に転じたりしないよう、気をつけねばならないということだ。
私個人的には、外国人参政権反対と人権法案反対、そして「景気が十分回復するまでは、消費税の増税はしない」という3点だけを堅持してもらえれば、とりあえず十分である。最初の極悪法案2つについてはもう何を言う必要もないが、3つ目の「消費増税、当面見送り」というのも極めて重要な要素である。なぜなら、これによって自民は本当に、“次の総選挙に勝つる!”(笑)からである。野田現総理が「自分の政治生命を賭けて、これだけは通したい」と言って譲らなかったのが、消費税の増税。それに対して、「消費税の増税は、当面実行しません」と言える安倍新総裁が先頭に立てば、自民党の圧勝はほぼ間違いない。見た目も中身も財務省官僚そのまんまの谷垣氏では、そういう選挙争点を作ることは到底無理。その意味でも、安倍氏の復活は非常に歓迎されるお話なのである。
―というところで、当ブログ本来のテーマであるクラシック音楽の話。先日、ケルテス&ウィーン・フィルの名盤ドヴォルザークの<新世界より>を買った。今回買ったのは、平林直哉氏が手掛けた「オープンリール・テープからの復刻」による新しいCD(GRAND SLAM盤)である。10数年前に買って今でも持っている廉価のハイパー・リマスター盤CDとちょっと聴き比べてみたのだが、感想としては、「う~ん・・・まあ、そういうことでしょうねえ」といった程度の言葉が出るばかりであった。ジャケットの注意書きにある「オリジナル・テープに起因する音揺れ」みたいなものは、聴いていて殆ど気がつかなかった。これは、気にしなくていいレベルだと思う。一方、いかにもテープらしいヒス・ノイズ(=シャーシャーいう音)、こっちはかなり大きい。つまり、S/N比は必ずしも良いものではないということ。たとえて言えば、ドルビーをoff にしたカセット・テープという感じだろうか。このあたりは、「ドルビーでノイズ・リダクションするなんて、邪道の極み」という、平林氏なら間違いなく言いそうな理念がしっかりと反映されているようだ。テープからCDへ音を移す手続きも、現在普通に行なわれているADDではなく、AADのパターンを使っている。これもまた、平林哲学の一つであるように思える。
ということで、出来上がった音質は、“往年のLPレコードのトップ・クラス”と言っていいようなアナログ的美音である。私が期待していたのは、第1楽章の序奏部や第3楽章のあちこちで聴かれるティンパニーの怒涛の立ち上がり。そこがさらなるド迫力になっているんじゃないか、ということだった。しかしそれは、どちらかと言えば期待外れに終わった。このぐらいなら、廉価のハイパー・リマスター盤の音でも、そんなに遜色を感じることはない。平林盤は全体にふっくらした感じの、上質なアナログ系サウンドに仕上がっているので、そのタイプの音が好きな人には歓迎されることだろう。ただ、普段ミニコンポで聴いている人や、それほどオーディオ的なこだわりがない人なら、わざわざ買い替えるほどでもないんじゃないかな、とも思った。(※私自身はまだ聴けていないので確信はないのだが、おそらくこの演奏音源の最高の再生音は、一部のマニアだけが手にしているエソテリック盤でこそ聴けるのではないかと想像している。)
私にとってケルテス、VPO盤<新世界より>の最大の魅力は上述したようなティンパニーの豪快さなのだが、それ以外の演奏で、こういう胸のすくようなティンパニーを聴かせてくれる名盤を、最後に一つ挙げておきたい。これは知る人ぞ知る、というかほとんど「知られざる名盤」みたいな影の薄いCDだが、ヴァーツラフ・スメターチェクがプラハ放送交響楽団を指揮した1974年のプラハ公演ライヴ(独Praga盤)である。ケルテス盤の“ドタターン!”とくる重みのあるサウンドよりいくぶん軽めの“トタターン!”という音。しかし、その鋭さと立ち上がりの良さは、1974年という年代のレベルを遥かに超えたほとんどオーパーツ(?)的な奇跡の録音。しかも、スメターチェク盤が持っているのは、そういうオーディオ的な聴きどころばかりではない。よく引き締まった音で描きだされる、曲のしっかりした輪郭。随所で聴かれる郷愁の響き、あるいは表情豊かなテンポの揺れ動きなど、演奏全体としても非常に聴きごたえのある優れた出来栄えを示しているのだ。これはお勧めである。ピアノのリヒテルと共演した同じ作曲家の<ピアノ協奏曲>が組み合わされた素敵な1枚。ただ、今はひょっとしたら入手困難かもしれない。中古ショップ等で運良くこのCDを見つけた方は、迷わず購入されたし。
今回は、これにて・・。
2つ目の点はしばらく先の話なので急ぐ必要はないが、やはり心に留めておきたい重要なポイントではある。衆参ともまだ自民党が過半数を持っているわけではないし、党内に異論が出たりする案件も必ず出てくる。またスポンサーとなる業界の意向も当然、無視できない。それやこれやで、安倍氏(と言うか、保守系・愛国派の日本国民)が望んでいるような政策をいきなりガンガン打ちだしていくのは、相当難しいであろうことが予想される。そこで支持者があまり性急になって安倍氏を批判する態度に転じたりしないよう、気をつけねばならないということだ。
私個人的には、外国人参政権反対と人権法案反対、そして「景気が十分回復するまでは、消費税の増税はしない」という3点だけを堅持してもらえれば、とりあえず十分である。最初の極悪法案2つについてはもう何を言う必要もないが、3つ目の「消費増税、当面見送り」というのも極めて重要な要素である。なぜなら、これによって自民は本当に、“次の総選挙に勝つる!”(笑)からである。野田現総理が「自分の政治生命を賭けて、これだけは通したい」と言って譲らなかったのが、消費税の増税。それに対して、「消費税の増税は、当面実行しません」と言える安倍新総裁が先頭に立てば、自民党の圧勝はほぼ間違いない。見た目も中身も財務省官僚そのまんまの谷垣氏では、そういう選挙争点を作ることは到底無理。その意味でも、安倍氏の復活は非常に歓迎されるお話なのである。
―というところで、当ブログ本来のテーマであるクラシック音楽の話。先日、ケルテス&ウィーン・フィルの名盤ドヴォルザークの<新世界より>を買った。今回買ったのは、平林直哉氏が手掛けた「オープンリール・テープからの復刻」による新しいCD(GRAND SLAM盤)である。10数年前に買って今でも持っている廉価のハイパー・リマスター盤CDとちょっと聴き比べてみたのだが、感想としては、「う~ん・・・まあ、そういうことでしょうねえ」といった程度の言葉が出るばかりであった。ジャケットの注意書きにある「オリジナル・テープに起因する音揺れ」みたいなものは、聴いていて殆ど気がつかなかった。これは、気にしなくていいレベルだと思う。一方、いかにもテープらしいヒス・ノイズ(=シャーシャーいう音)、こっちはかなり大きい。つまり、S/N比は必ずしも良いものではないということ。たとえて言えば、ドルビーをoff にしたカセット・テープという感じだろうか。このあたりは、「ドルビーでノイズ・リダクションするなんて、邪道の極み」という、平林氏なら間違いなく言いそうな理念がしっかりと反映されているようだ。テープからCDへ音を移す手続きも、現在普通に行なわれているADDではなく、AADのパターンを使っている。これもまた、平林哲学の一つであるように思える。
ということで、出来上がった音質は、“往年のLPレコードのトップ・クラス”と言っていいようなアナログ的美音である。私が期待していたのは、第1楽章の序奏部や第3楽章のあちこちで聴かれるティンパニーの怒涛の立ち上がり。そこがさらなるド迫力になっているんじゃないか、ということだった。しかしそれは、どちらかと言えば期待外れに終わった。このぐらいなら、廉価のハイパー・リマスター盤の音でも、そんなに遜色を感じることはない。平林盤は全体にふっくらした感じの、上質なアナログ系サウンドに仕上がっているので、そのタイプの音が好きな人には歓迎されることだろう。ただ、普段ミニコンポで聴いている人や、それほどオーディオ的なこだわりがない人なら、わざわざ買い替えるほどでもないんじゃないかな、とも思った。(※私自身はまだ聴けていないので確信はないのだが、おそらくこの演奏音源の最高の再生音は、一部のマニアだけが手にしているエソテリック盤でこそ聴けるのではないかと想像している。)
私にとってケルテス、VPO盤<新世界より>の最大の魅力は上述したようなティンパニーの豪快さなのだが、それ以外の演奏で、こういう胸のすくようなティンパニーを聴かせてくれる名盤を、最後に一つ挙げておきたい。これは知る人ぞ知る、というかほとんど「知られざる名盤」みたいな影の薄いCDだが、ヴァーツラフ・スメターチェクがプラハ放送交響楽団を指揮した1974年のプラハ公演ライヴ(独Praga盤)である。ケルテス盤の“ドタターン!”とくる重みのあるサウンドよりいくぶん軽めの“トタターン!”という音。しかし、その鋭さと立ち上がりの良さは、1974年という年代のレベルを遥かに超えたほとんどオーパーツ(?)的な奇跡の録音。しかも、スメターチェク盤が持っているのは、そういうオーディオ的な聴きどころばかりではない。よく引き締まった音で描きだされる、曲のしっかりした輪郭。随所で聴かれる郷愁の響き、あるいは表情豊かなテンポの揺れ動きなど、演奏全体としても非常に聴きごたえのある優れた出来栄えを示しているのだ。これはお勧めである。ピアノのリヒテルと共演した同じ作曲家の<ピアノ協奏曲>が組み合わされた素敵な1枚。ただ、今はひょっとしたら入手困難かもしれない。中古ショップ等で運良くこのCDを見つけた方は、迷わず購入されたし。
今回は、これにて・・。