平成18年に60歳を迎える。六十と縦に書くと傘に鍋蓋(亠)を載せた形である。で、「かさぶた(六十)日録」
かさぶた日録
「水濃徃方」の解読 76
(裏の畑のボタンクサギ )
女房はワクチンを打った腕が痛くて上に上がらないという。詳しく聞けば、じっとしていれば、痛みはないが、動かしたり触ったりすると痛いという。自分も二日ぐらいは痛かったが、自然に治ったから我慢するしかないと話す。発熱はないようだから心配は無用だろう。
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「水濃徃方」の解読を続ける。
その中に、遠ざけて召し仕うまじきものは、塵ひとつにても、筋なきものを身に着けて、したり顔に思える者。恥を知らざる者。言葉多く、身に面(おもて)麗しくし、人の気に合わさんとて、追従(ついしょう)する者。余りに大酒をし、醉狂(すいきょう)して闘争を好む者。博奕(ばくち)にふけりて身を忘るゝ者。好色深きもの。常に言葉の違う者。是らの人はその始め、よく試(ため)して、堅く召し仕うべからず。
※ 筋ない(すじない)➜ 筋が通らない。見当はずれである。また、思慮分別に欠ける。
※ したり顔(したりがお)➜ してやったという顔つき。得意そうな顔。自慢そうな顔。
※ 追従(ついしょう)➜ 他人の気に入るような言動をすること。こびへつらうこと。
※ 醉狂(すいきょう)➜ 酒に酔ってとりみだすこと。
商人の家にて、才能して、持てはやすべき人は、第一に、心偽りなき者。柔和にて、笑皃(えがお)よき者。物の変を知りて、売買の時を過(あやま)たず、心聡き者。主人にても、過ちある事は、憚(はばか)りなく云う者。物よく書き、もの地算(じさん)、達者なるもの。骨を惜(お)しまで、働(はたら)く者。使いに遣りて早く帰る者。酒呑ぬもの。女色に遠き者。心剛(ごう)にて、云い難き事をも能く云うもの。倹素(けんそ)にて、勘弁(かんべん)深き者。是らの内、一色、生れつきたらんも、重宝の人なるべし。
※ 地算(じさん)➜ 基礎的な算術。足し算と引き算。加減算。
※ 倹素(けんそ)➜ むだな費用を節約して、飾らないこと。倹約で質素なこと。
※ 勘弁(かんべん)➜ 物事をうまくやりくりすること。とくに経済的な面でのやりくり算段や計算についていう。
(「水濃徃方」つづく)
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