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「水濃徃方」の解読 66


(散歩道のブーゲンビリア)

朝から、古文書解読について、2本の電話があった。一本は、OEさんから「三河物語」中、二ページほど、解読依頼。一本は昨日ST先生へ渡した、「家康書状」の解読についての情報。「浅原」は「浅弾」と読み、秀吉五奉行の一人「浅野長政」の事で、その官名「弾正少弼」を短くして「浅弾」。こんな短縮は、今に始まったことではなかった。その外、二点ほど、これでこの書状の解読に確証を得た気がする。これを、7月の講座の「話題」にしよう。

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「水濃徃方」の解読を続ける。今日より「亀山丈人の篇下」に入る。ようやく終わりが見えて来た。但し、この所、少しきつくなって、解読量を減らしているので、その分、終わりは先になる。

   亀山丈人之篇下

「廃居(はいきょ)要訣(ようけつ)、曰く、賤(せん)の臀(でん)は貴(き)の肩(けん)なり。貴(たか)き則(ときは)出すこと糞土(ふんど)の如く、賤(やす)き則(ときは)取ること珠玉(しゅぎょく)の如し。変を知る者と謂うべきなり。」
といへり。
※ 要訣(ようけつ)➜ 物事のもっとも中心となる事柄。肝要な奥の手。奥義。秘訣。
※ この漢文、意味が今一つ、つかめない。

蓬莱屋長右衛門、生れながら商の道に賢く、十七の秋、思い入れの買い置きせしより、今六十に及ぶまで、ついに一度も図を外せし事なく、する事なす事、拍子にのりて、今はや、巨万の富に至りぬ。惣領をば、すぐに長吉と呼んで、一ト器量ある生れなれば、万(よろず)の勤めもこれに譲りて、家の後ろに隠居しつらいての楽しみ。老いの生き前、誰もかくこそと羨まぬ者はなかりき。
※ しつらう ➜ こしらえ設ける。備えつける。
(「水濃徃方」つづく)
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