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馬には乗ってみよ、医者には添うてみよ

(散歩道のランタナ)

「馬には乗ってみよ、人には添うてみよ」ということわざがある。そのことわざをもじって、この頃、自分は「馬には乗ってみよ、医者には添うてみよ」と言うようにしている。

若いときから自分で商売を始め、身体を酷使して、精力的に働いてきた。健康には自信があって、医者に行くこともなく、健康診断や人間ドックにも行かないで、働き続けた。ところが60歳前後で、ある日身体の不調を訴え、ぽっくりと亡くなってしまった。そんな人を何人も知っている。

健康には大変自信があって、医者に行くこともほとんどなくて、無事還暦を迎えた人がいる。還暦とは誰が決めたのか、動物としての人間の寿命なんて、せいぜい60歳ぐらいが良いところであろう。ところが平均寿命は70歳とか80歳とどんどん延びてきた。つまり、医療が進んで寿命を延してきたのである。

60歳を過ぎて、健康診断や人間ドックを受ければ、何かしら基準より異常な数値が出るものである。重大な病気ではなくて自覚症状がないのに、医者に相談することを勧められる。健康な人ほど、医者に掛かり、投薬を受けたり、治療を受けることが、人生の敗北のように思う人が多い。だから、自覚症状のない限り医者に行かない。あるいは医者に行って投薬を受けても、自分で判断して飲んだり飲まなかったりする。

異常な数値は投薬すれば正常値に戻る。もともと自覚症状がないのに、数値を正常値にこだわる意味が分からないという人がいる。しかし検査の数値を異常値のままに置くと、異常が蓄積して行き、自覚症状が出るときには治療が大変難しくなることが多い。だから医者は正常値にこだわるのである。医者は金儲けのために投薬するのではない。‥と思う。

ところが、健康で医者に掛かった経験のない人ほど、医者を信用しない。中には悪い医者やへぼな医者もいる。そういう医者が社会面を賑わす。しかしそれは例外で、ほとんどの医者は患者のために懸命に医療を行なっている。

「馬には乗ってみよ、医者には添うてみよ」である。

60歳を超えるようになったら、健康診断で再検査といわれたらラッキー!と思い、信頼できそうな内科医に入門する気持で行く。医者が気に入らなければ、別の医者を探すぐらいしてもよい。出来れば自分より若い医者を選びたい。これからその内科医を主治医として長くお付き合いするから、医者に先立たれると途方にくれてしまう。一つや二つ投薬を受ける生活習慣病を持っているのが最も好ましい。

月に一回位のペースで主治医と決めた医者にご機嫌伺いに行く気持で通院する。時々検査も入れて自分の健康状態をチェックしてもらう。同時に、医者の健康状態も患者の立場でチェックする。医者の不養生で、見るからに不健康な状態の医者もいる。医者に先立たれては困るので、それも必要なことである。信頼できなくなったら、早めに新しく医者を選ぶことも必要である。

これが長寿の秘訣である。別のことわざに「一病息災」ともいう。
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