ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
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現代世界史43~日本文明の特徴を生かす

2014-09-16 08:51:35 | 現代世界史
●日本文明の特徴を生かして世界平和に貢献する

 日本文明は、非セム系自然教文明群で独自の特徴を持つ。その特徴は、セム系一神教文明群にも非セム系自然教文明群にも見られないユニークなものである。文明の中核には、宗教がある。日本文明の固有の宗教とは、何か。神道である。神道が他の主要な宗教と異なる点は、海洋的な要素を持っていることである。セム系一神教であるユダヤ教・キリスト教・イスラムや非セム系自然教である道教・儒教・インド教・仏教は、どれも大陸で発生した。大陸的な宗教を中核にすることによって、セム系一神教文明も非セム系自然教文明も、ともに大陸的性格を持っている。21世紀の世界で対立を強めている西洋文明、東方正教文明、イスラム文明、シナ文明には、大陸的な性格が共通している。
 これに比べ、神道は海洋的な要素を持ち、日本文明に海洋的な性格を加えている。これは、四方を世界最大の海・太平洋をはじめとする海洋に囲まれた日本の自然が人間心理に影響を与えているものと思う。この視点から見ると、世界の諸文明は大陸的文明群と海洋的文明群に分けられる。
 私は、セム系一神教文明を中心とした争いの世界に、非セム系自然教文明群が融和をもたらすために、日本文明の担うべき役割は大きいと思う。日本文明のユニークな海洋的性格が、大陸的文明同士の摩擦を和らげ、大いなる調和を促す働きをすることが期待される。
 ハンチントンは、文明は衝突の元にもなりうるが、共通の文明や文化を持つ国々で構築される世界秩序体系の元にもなりうる、と主張した。文明内での秩序維持は、突出した勢力、すなわち中核国家があれば、その勢力が担うことになると説く。また、文明を異にするグループ間の対立は、各文明を代表する主要国の間で交渉することで解決ができるとし、大きな衝突を回避する可能性を指摘している。そして、日本文明に対して、世界秩序の再生に貢献することを期待した。
ハンチントンは「日本国=日本文明」であり、一国一文明という独自の特徴を持っていると指摘した。9・11の翌年刊行した『引き裂かれる世界』で、ハンチントンは日本への期待を述べた。
  「日本には自分の文明の中に他のメンバーがいないため、メンバーを守るために戦争に巻き込まれることがない。また、自分の文明のメンバー国と他の文明との対立の仲介をする必要もない。こうした要素は、私には、日本に建設的な役割を生み出すのではないかと思われる。
 アラブの観点から見ると、日本は西欧ではなく、キリスト教でもなく、地域的に近い帝国主義者でもないため、西欧に対するような悪感情がない。イスラムと非イスラムの対立の中では、結果として日本は独立した調停者としての役割を果たせるユニークな位置にある。また、両方の側から受け入れられやすい平和維持軍を準備でき、対立解消のために、経済資源を使って少なくともささやかな奨励金を用意できる好位置にもある。
 ひと言で言えば、世界は日本に文明の衝突を調停する大きな機会をもたらしているのだ」と。
わが国は、世界平和を実現するために、中東におけるイスラエルとアラブ諸国の対立を和らげるように助力しなければならない。世界的にユニークな特徴を持つ日本文明は、西洋文明とイスラム文明の抗争を収束させ、調和をもたらすためにも重要な役割があることを自覚すべきである。

 それとともに日本は、太平洋を隔てて、西洋文明の中核国家・米国とシナ文明の中核国家・中国の間に位置する。日本文明は、自己の存立のために、西洋文明とシナ文明の融和を図らざるを得ない環境にある。
 超大国アメリカは、衰退の兆しを示している。主体性のない盲目的な従米は、一蓮托生の道である。アメリカが没落すれば、日本も一緒に没落する。わが国はまず独立主権国家としての自主性・主体性を取り戻すことが必要である。憲法を改正し、自主国防を整備し、その力の裏づけを持ってはじめて国際社会で発言力・影響力を発揮することができる。そして、アメリカとの関係を従属から対等の関係に転じていけるように進めなければならない。
 次にわが国は、共産中国に対して毅然とした姿勢を貫く必要がある。独立主権国家としての自主性・主体性を失い、中国にこびへつらう態度を取れば、強大化する中国に日本は呑み込まれかねない。中国外務省筋による2050年の東アジアの予想地図によると、日本の西半分は中国の一部としての東海省となり、東半分は日本自治区と記されている。日本が中国の支配下に入り、民族が分断統治されているという予想地図である。わが国は、独立主権国家、一国一文明の誇りを以て、国家を再建し、このような中国共産党の願望を打ち砕かねばならない。
 中国は、反日以外には国民を統合する原理を持てなくなっており、また唯物的な経済成長が行き詰まっている。覇権主義的な姿勢を強め、世界各地から資源を確保しようと躍起になっている。自然を支配し、搾取する共産主義思想により、自然環境の悪化もすさまじい。中国がこのまま破壊的な行動を続けるならば、人類の将来は中国によって破滅の方向に引きずり込まれるだろう。それを避けるために、わが国は、中国の民主化を促進し、共産主義が支配する以前のシナ文明の伝統、道教・儒教をはじめとする自然教の伝統が蘇るように助力する必要がある。共産主義によって変質したシナ文明の再生には、日本文明の伝播が触媒作用を果たすだろう。

 次回に続く。

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