ほそかわ・かずひこの BLOG

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尖閣:中国首相が「日本が盗み取った」と公言1

2013-06-10 08:43:08 | 尖閣
 5月6日米国の国防総省は、中国の軍事動向に関する年次報告書を公表し、沖縄県・尖閣諸島をめぐり、中国が昨年9月から「不適切に引かれた直線基線」を使って領有権主張を強めていると指摘した。米政府は領有権問題で特定の立場を取らないとしているが、尖閣諸島周辺に独自に設定した「領海基線」について、「国際法に合致しない」と断じた。
 「領海基線」とは、領海の範囲を規定する際に基となる線である。国連海洋法条約で基線から12カイリ(約22キロ)の範囲まで領海を設定できるが、中国政府は昨年9月、尖閣諸島を中国領として扱えるよう、一方的に基線を設定した海図を国連事務総長に提出した。米国国防総省は、この動きに対する見解を発表したもので、国防総省が尖閣に関することで「国際法違反」との立場を明確にしたのは初めてだった。これに対し、中国外務省の華報道官は、独自の領海基線について「完全に国際法などに符合する」と主張し、米国に対し「この問題で誤ったシグナルを発してはいけない」とけん制した。
 中国政府は、尖閣諸島を略奪するために、段階的に主張と行動のレベルを上げてきている。4月26日には、中国外務省の華春瑩副報道局長は、記者会見で、尖閣諸島について「釣魚島の問題は中国の領土主権問題に関係している。当然、核心的利益に属する」と明言した。中国政府が尖閣を「核心的利益」と位置付けていることを、外交当局者が公式に認めたのは初めてだった。
 いずれ習近平政権の閣僚級が尖閣諸島を「核心的利益」と公言することが予想されたが、国営新華社通信によると、5月26日ドイツ訪問中の李克強首相は、ベルリン郊外のポツダムで演説し、尖閣諸島を念頭に「日本が盗み取った」と主張し、「世界平和を愛する人々は、第二次大戦の勝利の成果を破壊したり否定したりしてはいけない」と述べたという。
 李氏は、ポツダム宣言について「日本が盗み取った中国東北地方や台湾などの島嶼を中国に返還すると規定したカイロ宣言の条件を必ず実施すると指摘している。これは数千万人の生命と引き換えにした勝利の成果だ」と強調した。また「ファシストによる侵略の歴史の否定や美化の言動は、中国人が承諾できないだけでなく、世界各国の平和を愛する正義の勢力も受け入れられない」と発言したという。
 これに対し、菅義偉官房長官は27日の記者会見で、李首相が「日本が盗み取った」と主張したことに対し「あまりにも歴史を無視した発言だ」と批判した。また「尖閣諸島に関する中国独自の主張に基づくものであれば、決して受け入れることはできない」と指摘し、「いかなる発言もわが国の立場に影響を与えるものではない」と強調した。29日にも、中国の王毅外相が尖閣諸島をめぐり、ポツダム宣言の規定を引用し、菅氏に「もう一度、(歴史を)まじめに学んだらどうか」と領有権を主張したことに反論し、「尖閣諸島はポツダム宣言以前から日本の領土。私は歴史をしっかり勉強して発言している」と述べた。「(中国側の発言は)全く歴史を無視した発言だ。さかのぼると、(1895年の)日清講和条約締結以前から、尖閣はわが国固有の領土だった」と強調した。このように、即座にかつ明確に反論することが必要である。

 次回に続く。

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